企業でのアプリ開発・制作に必要な知識とは

2021年10月13日

今まで顧客に郵送やメールで配信してきた情報をアプリから配信したいと検討している企業や、アプリ開発で新規事業を始めたいと考えている企業へ向けて、アプリ開発のメリット・デメリットを解説します。

本記事を読むことで、開発を行う前に知っておきたい基礎知識やアプリ開発に必要な環境、開発の流れ等について理解を深めることができます。

アプリとは?

アプリとは、PCやスマートフォン内で使用されるソフトウェアのことを言います。

現代社会では、仕事でもプライベートでも、PCやスマートフォンでアプリを使用しない日はないと言って良いほど浸透しています。
これまで企業のダイレクトメールやお知らせをEメールや郵送で行っていた企業の多くも企業専用のアプリ開発を行い、アプリから最新情報を配信する運用へ移行しつつあります。

さらに、店舗販売からオンラインショップへの移行や、既存のサービス提供だけではなくアプリを通して新しい事業をスタートさせる企業も増えています。

アプリを通した情報配信や新規事業の展開で、より消費者のニーズにマッチしたサービスを提供できるようになるため、企業でアプリ開発事業を行うことは大きなビジネスチャンスも秘めているといえます。

 

アプリとは?

アプリには主に3つの種類があります。

    • Webアプリ:Webブラウザ上で起動するアプリ
    • ネイティブアプリ:iPhoneやAndroid等の端末で起動するアプリ
    • ハイブリットアプリ:Webアプリとネイティブアプリの両方の特徴を兼ね備えたアプリ

実際にアプリ開発を行う際には、自身がどの種類のアプリを開発したいのかを最初に決める必要があります。

 

Webアプリ

Webアプリとは、主にWebブラウザ上で起動するアプリのことを指します。
インターネット環境があればスマホやパソコン等から簡単にブラウザを開いてアプリを使うことができます。
アプリをわざわざインストールしなくても、容易に活用できる点が大きなメリットです。
ただし、Webブラウザを介するため、通信環境等によっては動作がスムーズに行えない場合があります。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、iPhoneやAndroid等の端末上で起動するアプリを指します。
Apple Store等から端末に一度アプリをインストールする手間はかかるものの、インストール後は継続的に利用してもらいやすいです。
その上、アプリの動作に関してもWebブラウザとは異なり、非常にスムーズな点も大きな特徴です。

ハイブリットアプリ

ハイブリットアプリとは、Webアプリとネイティブアプリの両方の特徴を兼ね備えたアプリを指します。
ハイブリットアプリではiOS向け、Android向け等の仕様を分けて開発する手間がかからず、低コストで開発が行えます。
ただし、特定のフレームワークを使用するため、後に仕様変更が行い難いのが大きなデメリットです。

 

アプリ開発のメリット・デメリット

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アプリ開発を検討する前にメリットとデメリットについても把握しておきましょう。

 

メリット1.既存顧客への情報配信・育成

企業が提供しているサービス専用のアプリ開発を行い、顧客のスマートフォンに直接最新情報やお得な情報を配信することで、以前よりも顧客との接点を持つことが比較的容易になりました。
配信される内容に顧客が好感を持てば、そのままオンラインショップへ移動し購買行動にもつながります。

しかし、アプリでの情報配信は既存顧客にとって有効な方法であり、新規顧客を獲得したい場合はwebサイトのほうが向いているため使い分けが必要です。
新規顧客となるライトなニーズを持ったユーザーはまだアプリをダウンロードしておらず、Webサイトにアクセスしてくることが多いためです。

 

メリット2.顧客情報の可視化

アプリの開発を行い世の中にリリースし普及させることで、購買または来店する顧客のデータを蓄積できます。
顧客データの中にはその人の年代、性別、趣味嗜好が含まれるため、自社商品の購買層や来店する客層をデータとして可視化できます。
蓄積した顧客情報を分析すれば、商品の不具合があった際に細やかなサポートが可能となり、レビューや使用感のアンケートなどを実施することで新商品の開発にも役立ちます。

 

メリット3.リピート率の向上

アプリのプッシュ通知や蓄積された顧客情報からデータを可視化することで、顧客のリピート率の向上にも役立ちます。
会員登録している顧客の情報から、好みに合わせてクーポンを配信したり、タイムセールのお知らせ配信を行うことで、購買行動の促進につながります。

また、アプリを用いて情報配信を行うことで、顧客の反応を数値で分析することができます。
キャンペーンや配信情報の内容が魅力出来だったか、そして次回の配信内容はどう改良するか等、短期間でPDCAサイクルを回すことが可能です。
これを継続することでノウハウが蓄積され、サービスの品質向上・売上アップが期待できます。

 

デメリット1.開発のためには一定の知識が必要

アプリ開発を社内で行う場合は、プログラミングやデザインに関わる知識や技術、IT関連の知識やノウハウが必要です。
これらの知識を持った担当者が社内にいない場合、自社で人材を育成するか新たに採用する、もしくは外注での対応することとなります。
社内に人材やナレッジが存在しない場合は、アプリの開発着手までにかなりの時間を要します。

 

デメリット2.コストの問題

社内で開発を行う場合でも外注を依頼する場合でも、アプリの開発には一定以上のコストがかかります。
社内開発の場合はアプリの開発をするために環境を整える必要があります。開発をするためのツールであるソフトウェアの購入やネットワークの整備、レンタルサーバーの契約などが必要です。
さらに、開発したアプリがスムーズに動くか確認するための動作確認用端末の購入なども必要です。
外注の場合はこれらの環境整備は不要ですが、その分開発を制作会社に依頼するため、人件費や管理費等がかかります。

 

デメリット3.アプリをダウンロードするまでの動線設計

アプリを開発してリリースするまでは企業側の意思でプロジェクトが進行するため、他の事業と同じように進められるでしょう。
しかし、せっかく開発してリリースしたアプリをユーザーがダウンロードしてくれなければ、お得な情報配信やセールを開催しても利益を上げることはできません。
そのため、ユーザーがアプリをダウンロードするまでの動線設計やプロモーション企画が必要となります。

 

アプリを開発する前に考えておきたいこと

アプリを初めてリリースする場合は、細かい機能をたくさんつけるとコストがかかりすぎてしまいます。
そのため、まずは基本的なシンプルな機能のみでスモールスタートするのことが理想です。

最初のアプリをリリースする場合、提供側はもちろん、顧客側も慣れていない可能性が高いため、シンプルな機能のみでまずは使いやすさを意識しましょう。
アプリでの情報配信や運用に慣れてきたら、少しずつアップデートをして利用できる機能を増やしていきましょう。

 

アプリ開発は社内でも可能?

アプリ開発を行うためにはデザインやプログラミングに関する技術、ITの知識などが必要とされます。
これらの知識を持った人が社内にいる場合はすぐに開発をスタートできますが、社内に技術や知識がない場合は開発担当者がセミナーや参考書から学ぶところから始めなければなりません。

また、開発環境が整っていない場合は機材の準備やネットワーク環境の見直しをしなければならず、手間や時間、コストがかかります。もしリリースを急ぐ場合は、開発環境と専門知識のある企業へ外注を検討してみるのが良いでしょう。

 

アプリの開発手法

アプリ開発には大きく分けて2つの手法があります。

    • ウォーターフォール開発
    • アジャイル開発

開発の流れに関してはそれぞれ大きく異なるため、実際にアプリ開発を行う際には、最初にどちらの開発手法で進めるか決める必要があります。

ウォーターフォール開発

大規模なシステム開発で使われる手法であり、主に業務システムや大規模サービス等を開発する際に活用します。
ウォーターフォール開発では全ての要求に対して、基本的に5つの工程で進めます。

    • 企画
    • 計画
    • 設計
    • 実装
    • テスト

開発を行う際の注意点としては、ウォーターフォール開発では要件定義と設計の段階で不備があると、大幅な開発のやり直しが発生してしまうことです。
業務システムや大規模なサービスの開発に使われる手法であるため、要件定義や設計の段階が非常に重要になります。

 

アジャイル開発

次に、「アジャイル開発」ですがこちらは比較的新しい開発手法であり、ウォーターフォール開発と比較して開発に対する柔軟性と、リリースまでの期間の短さが大きな特徴です。
アジャイル開発では、全ての要求に対して4つの工程で進めていきます。

    • 計画
    • 設計
    • 実装
    • テスト

旧型の開発手法であるウォーターフォール開発と比べると、要件定義や設計にそれほど時間をかけず、優先度の高い機能から重点的に開発を行えます。

 

アプリ開発に必要な環境

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アプリを開発する場合、プログラミングやコーディングが必要となるため基本的にPCは必ず使用します。

また、アプリ開発をするために必要なOSやネットワーク環境などを準備する際に、最低限必要な容量や機能についても説明します。

 

PC環境・OS

パソコン全体の管理を担うOS(オペレーティングシステム)は制作したいアプリがiPhone向けなのか、Android向けなのかによって最適なOSが異なります。
iPhoneやiPadなどiOS向けのアプリであれば開発を行うOSはMacOS、Windowsで動作するアプリを開発するならWindowsのOSが適しています。
WindowsのOSが入ったPCでiOS向けのアプリを作ることも不可能ではありませんが、その場合でもiOS用とAndroid用それぞれの開発環境(※)を用意する必要があります。

※開発環境:アプリの構築から検証、デバッグまでの一連の流れを行うためのソフトウェアやツール

 

iPhone(iOS)アプリ開発に必要なもの

iOS向けのアプリを開発する際に必要な環境を以下にまとめました。

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Androidアプリ開発に必要なもの

Android向けアプリを開発する際に必要な環境は以下です。

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必要なメモリ容量・ネットワーク環境

アプリ開発を行う場合、PCのメモリ容量が大きいほど快適に作業を進められます。
開発したいアプリの規模によっても差はありますが、AndroidやiPhone向けのアプリを制作するなら4G~16Gを目安に開発用のPCを用意します。

ネットワークは無線が主流になりつつありますが、周辺の環境などによってはネット回線の不調が起きやすいため動作確認が上手くできないケースなども想定されます。
ユーザーが利用する環境と同じ状態で動作確認などができるよう、最適な環境を整える必要があります。

 

アプリ開発を外注する際の流れ

アプリ開発を外注する際は企画書の準備を行い、それをもとに制作会社から見積もりをもらいます。
契約前に、どのくらいのコストがかかのか事前に把握することが重要です。見積もりをもらうまでの大まかな流れについて説明します。

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1.企画書の作成

まずは、企画書を作成するために下記の項目を明確にします。

    • アプリ開発の目的(なぜアプリを開発するのか、最終的な目的は何か)
    • ターゲット層
    • アプリを利用することでどのように収益化を図るか
    • プラットフォームの選択(iOS向けか、Android向けか)
    • リリース予定日

これらを明確にせずに曖昧なまま進めると、イメージしていたアプリと違ったものが完成してしまう可能性があるため注意が必要です。

 

2.外注先の開発会社の候補を選定、要件定義

開発企業を選ぶ際は、自社が作りたいと考えている内容でアプリ開発実績がある企業や、そのジャンルを得意としている企業を選定します。
候補の企業が決定したら開発内容の方向性を固めるため要件定義を行います。アプリ開発の目的、必要な機能・課題を明確にし、どれくらいの作業やコストで出来上がるのかを可視化していきます。

 

3.見積もりを取る、依頼先企業の決定

候補の開発会社へ要件定義を行い、作業内容をすり合わせた後、最終的なコストがどのくらいか改めて見積もりをもらいます。
料金を抑えることに気を取られてしまうと、必要な機能を搭載することを忘れてしまい追加で開発が発生し、結果的に予定外のコストがかかる可能性もあるため注意しましょう。

また料金と併せて外注先企業の担当が自社の要望をしっかりと把握し、何事にも真剣に向き合ってくれるかといった点も判断材料にした上で依頼先の企業を決定しましょう。

 

4.基本契約書の締結、外部・内部設計

依頼先の企業が決まったら、外部設計と内部設計を行います。外部設計はシステムの仕様やアプリの見た目など、内部設計はアプリの性能などのことです。
外部設計はアプリの使いやすさを決める部分となるため、設計時は特に注意が必要です。
設計が終わったら内容を確認してもらった上で契約書を取り交わします。契約を結ぶ際は、アプリ開発会社が行う作業と責任、自社が行う作業と責任の線引きを記した個別契約も必要です。

 

5.開発と納品

外注の場合、依頼先の企業が主体となって開発を行いますが、依頼元の企業も進捗管理は定期的に行いましょう。
要件定義や設計書通りに進行しているか、納期までに間に合うスピードかどうか等、進捗管理は定期的に行いましょう。
またアプリが納品された後は、依頼先の企業と今後の運用や保守について改めて認識のすり合わせを行いましょう。

 

まとめ

アプリの開発を行う際は、まずはアプリ開発の目的を明確にし「コスト面も含め自社での開発かどうか、難しい場合はどんな外注先に依頼するか」を検討することから始めましょう。

また、スムーズな開発・希望する要件のアプリを開発するためにも、外部にアプリ開発を外注する際にはアプリ開発に関する知識を身につけた担当者やチームが依頼・調整する方がよいでしょう。

 

 

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