オフショア開発で失敗する主な5つの原因と成功するための7つの要点・各国の特徴

社内で足りないリソースを補うために、よりコスパのよい海外の開発チームに依頼するオフショア開発が、最近は話題となってきています。

しかし、開発チームとのコミュニケーション問題や、発注先の会社選定ミスなどにより、オフショア開発自体に失敗してしまう事例も少なくありません。

失敗してしまうケースには必ず共通した原因が挙げられるため、同じ失敗を繰り返さないような工夫が必要です。

本記事ではオフショア開発の失敗事例を元に、共通する主な原因に関して5つに絞って分かりやすく解説しています。

成功するための要点に関しても7つ挙げていますので、同じ過ちを犯さないためにもしっかりと事前に対策を練りましょう。

 

【目次】 

 

オフショア開発で失敗してしまう主な5つの原因

    1. 開発チームとのコミュニケーション
    2. 依頼先の選定ミス
    3. 発注者側の管理不足
    4. 開発メンバーが流動的である
    5. 急に経済や為替の影響で人件費が高くなる

 

オフショア開発は確かに優れた手段ではありますが、全てのケースが成功している訳ではありません。

失敗する主な原因としてよく挙げられるのが、開発チームとのコミュニケーションに関する問題です。

海外の開発チームとやりとりする中で、言語による壁は必ずどこの企業でも悩みの種となるため、しっかりと対策を練りましょう。

 

開発チームとのコミュニケーション

オフショア開発サービスを利用するにあたり、一番の問題点が開発チームとのコミュニケーションです。

基本的には自社と海外の開発チームの間に、”ブリッジSE”が入ることで、うまく橋渡しを行ってくれます。

しかし、ブリッジSEの能力不足により、思ったように開発が進まないケースも多く、成果物の質が悪いというケースも多々あります。

 

依頼先の選定ミス

ある程度オフショア開発サービスの利用経験がある人であれば問題ないですが、初めて依頼する際には注意が必要です。

特にオフショア開発に関しての情報が不足している人に多いのが、そのまま案件を丸投げしてしまうケースです。

依頼先の情報等を深くリサーチせずに、ただ案件だけを丸投げしてしまうと、必ず失敗します。

実際にオフショア開発サービスを提供している企業を選ぶ際には、必ずこれまでの実績や得意分野、開発メンバーの特徴等を調べるようにしてください。

また、見積もりに関しても複数社から取るようにして、比較することが大切です。

 

WPに下書き済み

発注者側の管理不足による、オフショア開発の失敗ケースはかなり多いです。

海外の開発チームなので、定期的に進捗状況を確認しないと、どのような方向性で開発が進んでいるのか把握できません。

また、日本人の開発者とは違い、”塩梅”という日本人独特のニュアンスが伝わり難いため、「いい感じにしといて」などの曖昧な指示だと絶対に伝わりません。

海外で開発しているため、詳細まで詳しく把握するのは難しいですが、全く確認せずに放置していると開発自体がブラックボックス化してしまいます。

逆に、細かく指示を出し過ぎて、開発チームに過度なストレスをかけるのもNGです。

そもそも日本人とは文化や習慣が根本的に異なりますので、時には寛容に接することも必要でしょう。

 

開発メンバーが流動的である

オフショア開発では、開発メンバーの入れ替わりが起こる可能性が高いです。

海外で開発しているということもあり、依頼側が知らない間に他のメンバーに入れ替わっていた、なんてこともよくあります。

開発メンバーが流動的になってしまうと、開発に関する知見がたまらない上に、納期が遅れたり、成果物の品質が落ちるといった原因にも繋がります。

そのため、開発チームのメンバーはできるだけ固定にしてもらい、入れ替わりがある際には、小まめに報告してもらうようにしましょう。

 

急に経済や為替の影響で人件費が高くなる

オフショア開発のチームの所在地は主に、ベトナムやインドなどの発展途上国であるケースが多いです。

発展途上国は先進国と比較して、経済や為替等が不安定な国が多いため、景気や為替等の影響により、人件費が予算よりも高くなる場合があります。

経済状況に関しては予測が難しいため、ある程度の変動を見越した予算を事前に確保しておくことが大切です。

 

オフショア開発で実際にあった失敗事例3選

オフショア開発は広く浸透してきた開発手段ではありますが、成功事例と同じくらい失敗事例も多いです。

 

失敗事例には必ず法則性がありますので、同じようなことを繰り返さないように、要点をしっかりと抑えて事前に対策しましょう。

 

失敗事例①コーディング規約違反

A社がオフショア開発サービスを利用して、海外の開発チームに案件を依頼しましたが、最初に提示したコーディング規約が守られていませんでした。

“コーディング規約”とは、主に複数人で開発作業を行う際に、保守性や可読性等を高めるために作成されるルールのことです。

オフショア開発では海外の開発チームが作業に当たるため、最初に定めた規約を守らずにコーディングを行うことが多いです。

不規則なコーディングでも動作自体には問題ありませんが、長期的にみて保守性を考えると修正する必要があります。

テスト動作でも気づかれることが少ないため、オフショア開発を活用する際には、コーディング規約違反が多いことを念頭に置いておく必要があるでしょう。

日本人の技術者であれば指示書から読み取り、規約違反を避けるような作業を行いますが、海外チームの場合は文化が違うため、重要性が伝わり難いです。

 

失敗事例②頻繁な納期遅延

オフショア開発を利用したB社が、海外の開発チームの様子を伺うために、定期的にテレビ電話を行っていました。

定期的に現地の様子を伺うことで、進捗状況を管理していたようにも思えましたが、結果的には予定していた納期から約1週間遅れて納品されたようです。

現場では「大丈夫、納期までには間に合う」という意見が上がっていたようですが、実際には間に合っていません。

結果的には、依頼側も進捗状況を管理していたようで、実は管理できていなかったことになります。

オフショア開発を利用する上では、納期の遅延は当たり前のように起こるものです。

国によっては時間に対してルーズな側面もありますので、開発工程をチェックリスト化し、進捗状況をしっかりと見える化することが大切です。

 

失敗事例③低品質な成果物の納品

C社の社内リソース不足により、急遽オフショア開発サービスを活用して、海外の開発チームに委託しました。

仕様書に沿って詳しくブリッジSEを通して詳細を伝えたにも関わらず、納品された成果物は期待していたクオリティには、程遠いものだったようです。

日本では仕様書に書かれている成果物以上のものを作って納品しようとする、暗黙の了解やサービス精神等が働き、品質がある程度保証されていることが多いです。

しかし、海外のビジネス現場では仕様書に書かれている内容が全てであり、それ以上のものをわざわざ納品しようとは思いません。

そのため、仕様書はある程度のものを提出するのではなく、できるだけ詳しく記載し、間違った解釈をされないような工夫が必要です。

納品された成果物が、仕様書と全く異なっているのであれば、開発チーム側に問題があります。

しかし、仕様書の内容を最低限クリアしているのであれば、問題ないのです。

 

ベトナム・中国・インド、主要な発注先の国の特徴

オフショア開発サービスを活用するにあたり、特に日本企業からの依頼が多い、ベトナム・中国・インドの特徴等を分かりやすくまとめてみました。

それぞれ開発チームの所在地によって特徴が異なりますので、実際に依頼される際には、是非とも参考にしてみてください。

 

ベトナム|ハイレベルのエンジニアを安く雇える

ベトナムのオフショア開発の特徴としては、エンジニアのレベルは日本人とそれほど大差ないにもかかわらず、コスト面が非常に安いことにあります。

コスパの良さから日本企業では、ベトナムの開発チームに依頼することが多くなっており、徐々に優秀な人材の確保が難しくなっています。

 

また、ベトナムでは国がオフショア開発サービスに力を入れており、日本向けに施策を行っている点もかなり大きいです。

ただし、中国やインドと比較して、TIインフラの整備がまだ整っていないため、その点だけ配慮が必要でしょう。

 

中国|日本語能力が高いエンジニアが多い

諸外国の開発チームと比較して、圧倒的にメリットが多いのが中国です。

今ではアメリカに次ぐ、世界で二番目の経済大国として注目されている中国ですが、エンジニアのレベルも日本とは比べ物になりません。

特にオフショア開発で一番問題視されているコミュニケーションに関しても、中国エンジニアは日本語能力がもともと高いため、問題になり難いです。

また、対応できる開発案件が豊富にあるため、依頼先で悩むことも少ないでしょう。

ただし、諸外国と比較してコスト面でかなり高くなってしまいがちなので、その点だけ考慮しておく必要があります。

 

インド|エンジニアの技術力は世界トップクラス


インドの開発チームの特徴はなんといっても、エンジニアの技術力の高さにあります。

中国同様にオフショア開発の歴史も長く、下流から上流工程まで参画し開発をサポートしてくれます。

また、中国と比較して人件費に関しては、そこまで高くはないため、総合的な開発コストも抑えることができるでしょう。

ただし、インドは公用語が英語ということもあり、基本的なコミュニケーションは英語でのやりとりになります。

実際に依頼する際には、コミュニケーション問題の対策が必要不可欠です。

 

オフショア開発で成功するための7つの要点

    1. 設計の詳細まで全て日本語化する
    2. 依頼先の企業は徹底的に調べる
    3. 開発状況は定期的に確認する
    4. 開発メンバーは極力固定してもらう
    5. 開発コストの算出を定期的に行う
    6. 品質基準を明確に定める
    7. 開発先の国民性や文化等を理解する

 

オフショア開発を成功させるための要点を、分かりやすく7つに絞って、ぞれぞれまとめてみました。

これからオフショア開発の利用を検討されている方は、失敗しないための対策として是非とも参考にしてみてください。

 

設計の詳細まで全て日本語化する

オフショア開発を成功させるためには、日本でしっかりと設計書の細部まで定めた後に、ブリッジSEから現地の開発チームに伝えるのが鉄則です。

なぜなら、日本人開発者とは異なり、海外メンバーだとどうしても文化や習慣の違いから、詳細説明がないと伝わり難いからです。

そのため、仕様書の時点で細部まで細かく日本語化し、ブリッジSEに託す必要性があります。

 

依頼先の企業は徹底的に調べる

オフショア開発を利用する際には、必ず複数企業から見積もりを出してもらい、これまでの実績や開発メンバーの能力等の比較・調査を行いましょう。

あくまでも自社の事業の一端を担ってもらう存在という意識を持ち、下請けだと考えずに接することが大切です。

依頼する開発チームはビジネスパートナーだと考えて、慎重に選定することが求められます。

 

開発状況は定期的に確認する

オフショア開発を活用したからといって、仕様書や指示書等を提示して、そのまま放置するのはよくありません。

開発チームの進捗状況を把握していないと、最終的に納品される成果物の質が担保されない上に、納期遅れにも繋がります。

開発チームが海外にあるということで、状況管理は難しいようにも思えますが、実際には工夫次第で解決することは可能です。

例えば開発におけるチェックリストを作ったり、開発状況を表やグラフにして見える化したり、などが挙げられます。

 

開発メンバーは極力固定してもらう

開発における体制や人員に関しては極力固定化し、万が一メンバーが入れ替わる際には、事前に報告してもらうよにしましょう。

オフショア開発では長期的な開発案件が多く、どうしても開発メンバーの入れ替わりが起きてしまいます。

メンバーの入れ替わりが原因で、成果物の納期遅れや質が落ちてしまわないように、事前に対策を打つことが大切です。

 

開発コストの算出を定期的に行う

オフショア開発では、諸外国の経済や国政、為替等が原因で、当初の予算よりも大幅にコストがかかる場合があります。

そのため、開発コストに関しては、定期的に見直すようにしてください。

定期的に開発コストを見直すことで、何が原因でコストが高くなっているのかを事前に把握し、対策を練ることができます。

逆に、確認せずに放置しておくと、最終的にコストを見直した際に予算オーバーになってしまいかねません。

 

品質基準を明確に定める

オフショア開発を活用して海外の開発チームに依頼する際には、事前に品質に関する基準を明確に定めておきましょう。

予め細かく品質基準を定めておくことにより、成果物の質を担保することができる上に、進捗状況の把握にも役立ちます。

 

開発先の国民性や文化等を理解する

オフショア開発を活用するのであれば、開発チームの所在地である国の文化や習慣等に関しても、理解を深めておく必要があります。

開発メンバーの文化や習慣等を学ことで、開発における誤解や思い違い等を回避することができます。

逆に、国民性や文化に関する理解が浅いと、コミュニケーションの面でかなり苦労することになりかねません。

まとめ

オフショア開発における、失敗事例に基づいたよくある原因を5つご紹介しました。

 

    1. 開発チームとのコミュニケーション
    2. 依頼先の選定ミス
    3. 発注者側の管理不足
    4. 開発メンバーが流動的である
    5. 急に経済や為替の影響で人件費が高くなる

 

その話題性からどうしてもメリットばかりに目が行きがちですが、デメリットを正しく理解し、対策を練ることが大切です。

日本では人口減少などから優秀なエンジニア等がかなり少ない上に、今後も増加が見込めないため、オフショア開発を検討する企業が多いです。

せっかくオフショア開発を活用するのであれば、できるだけ失敗しないような施策を行っていきましょう。

また、オフショア開発の所在地は、ベトナムが今は一番多くの国内企業にリスペクトされており、これからの成長性もかなり高いといえます。

 


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