DXにおける「データ活用」とは?必要な理由や活用方法と注意点について解説

2023年8月4日

データ活用によって、組織がより洞察力に基づいた意思決定を行い、効率化やイノベーションを促進することができます。

一方で、以下のような疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

  • DXにおける「データ活用」とは何か?
  • なぜDXにおいてデータ活用が必要なのか?
  • データ活用をする際に、どのような点に注意すればよいのか?

この記事では、データ活用に利用できる主なデータや、データ分析で使用する主なツール、データ活用に利用するための手順などについて解説します。また、DXにおけるデータ活用の基礎から応用までを網羅的に紹介しています。

DXにおける「データ活用」とは

DXにおける「データ活用」とは、データをビジネスに活用することで、組織や企業が持つ大量のデータを活用し、価値や競争力を向上させるプロセスを指します。新たなビジネスモデルを創造し、顧客ニーズに合わせたサービスを提供し、市場の変化に対応し、客観的な情報を用いた行動を取り、課題を見える化するための手法です。データ活用は、データを収集・整理・分析・可視化することで、組織がより洞察力に基づいた意思決定を行い、効率化やイノベーションを促進するための手段となります。

なぜDXでデータ活用が必要なのか?

データ活用がDXで必要な理由には様々あります。ここでは5点ご紹介します。

新たなビジネスモデルを創造するため

DXにおいてデータ活用が必要な理由は、新たなビジネスモデルを創造するためにデータがとても重要であるからです。データを活用することで、私たちはビジネスに必要な知見を得ることができます。

例えば、データからは、人々が欲しがるものや必要としているものがわかります。また、データを分析することで、新しいアイデアを見つけることが可能でう。このように、データから得た情報をもとに、新しいビジネスモデルを作り出すことができるのです。さらに、データ活用によって、ビジネスプロセスの改善やコスト削減なども可能になります。

つまり、データ活用を行うことで、ビジネスの成長を促進し、競争力を高めることができるのです。

顧客ニーズに合わせたサービスを提供するため

顧客ニーズは常に変化しているため、正確に把握することが非常に重要です。データ活用により、顧客の嗜好や好みを把握し、顧客にとって最適なサービスを提供することができます。

例えば、アンケート調査やフィードバックの収集により、顧客の嗜好や好みを把握することができます。また、顧客の行動データを分析することで、顧客が興味を持っているものや求めているものを把握することが可能です。さらに、社会的なトレンドや動向を調査することで、今後の顧客のニーズを予測することができます。

これらのデータを基に、顧客にとって最適なサービスを提供することができます。例えば、顧客が特定の商品に関心を持っている場合は、その商品に関する情報を提供することができます。また、顧客の好みに合わせた特典やキャンペーンを提供することで、顧客のロイヤルティを高めることができます。

市場の変化に対応するため

現在の市場は常に変化し続けており、DXにおいても新しいサービスやプロダクトが次々に登場しています。このような状況下で、データ活用はますます重要性を増しています。データを収集し、分析することによって、市場の動向を把握し、新しいサービスやプロダクトを開発することができます。しかしながら、データはあくまで情報源に過ぎず、データから派生したアイデアを実現するためには、多岐にわたる作業が必要です。

例えば、データを分析することは分かりやすいですが、その後のプロセスにおいても様々な課題が浮上することがあります。データを収集する際の精度や、分析手法の選択によって得られる結果が異なってくることがあるため、より正確な情報を得るためには、専門的な知識や技術が必要となる場合があります。また、データを分析した結果から得られたアイデアを実現するためには、多くの場合、開発チームやマーケティングチーム、営業チームなどの協力が必要となります。

このように、データ活用は企業にとって極めて重要な課題であり、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。しかしながら、データ活用を成功させるためには、多くの課題をクリアしなければならず、それには専門的な知識や技術、組織内外の協力が必要となる場合があるため、企業にとっては大きなチャレンジでもあります。

客観的な情報を用いた行動を取るため

DX(デジタルトランスフォーメーション)において、データ活用が重要な理由の一つは、「客観的な情報を用いた行動を取るため」です。データ活用により得られる情報は、意思決定の根拠となり、組織やビジネスの成果を最大化するための要素となります。

データ活用により得られる客観的な情報は、主観や個人の意見に頼らず、事実に基づく情報です。経営者やチームリーダーは、データに基づいた客観的な情報を参考にして意思決定を行うことができます。これにより、意思決定の質を向上させ、より効果的な戦略や施策を展開することが可能です。

また、データ活用により、組織やビジネスの様々な側面におけるパフォーマンスや課題をリアルタイムに把握することができます。データを活用することで、早期に問題や異常を検知し、適切な対策を講じることが可能です。

さらに、データ活用により、ビジネスの成果やマーケティング施策の効果を定量的に測定することができます。具体的な数値や指標に基づいた評価を行い、必要に応じて改善策を実施することができます。

課題を見える化するため

データ活用は、組織内の課題を発見するための貴重な手段であると同時に、ビジネスにおける競争力を高めるためにも重要です。データを分析することで、問題点を特定し、改善策を見つけることができます。しかし、データ活用においては、データの品質や分析手法によって得られる結果に大きな影響があります。そのため、データ活用のための適切なデータ収集や分析手法の選択が必要です。

また、データ活用により、より正確な分析結果を得ることができ、組織内の意思決定の質を向上させることができます。さらに、データ活用を通じて、市場のニーズを把握し、顧客の要望に応える製品やサービスを開発することができます。これにより、組織の業績を向上させることができ、競争力を高めることができます。そのためには、データ活用においては、定期的にデータの更新や分析の再評価を行い、改善する必要があります。

データ分析で使用する主なツール

データ分析で使用するツールには様々な種類があります。ここでは5点ご紹介します。

RPAツール

RPAは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称です。RPAツールはプロセスの自動化を実現するために広く使用されています。この自動化により、従来は人手で行われていた作業が、簡単かつ迅速に実行されるようになります。

例えば、複雑な手順を踏む必要があった作業が自動的に実行されることで、生産性が向上し、品質が向上することが期待できます。さらに、作業の自動化により、人的ミスや手違いを減らすことができ、それに伴ってコスト削減にもつながります。

BIツール

ビジネスインテリジェンス(BI)は、企業が保有する膨大なデータを収集、蓄積、分析、加工し、経営戦略のための意思決定を支援するための手段です。

ビジネス上の意思決定をサポートするために、データ分析はますます重要性を増しています。BIツールを用いて売上データや顧客データなどのデータを分析することで、企業は貴重なビジネスインサイトを得ることができます。

例えば、過去の売上データを分析することで、特定の製品やサービスがどのように売れているかを知ることができます。また、顧客データを分析することで、顧客の嗜好やニーズを理解し、それに合わせて製品やサービスを提供することができます。これにより、企業は競争優位性を獲得し、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

CRMツール

カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)ツールは、顧客管理に関する情報を収集・管理するために使用されます。顧客の購買履歴や問い合わせ履歴などを一元管理することにより、顧客に最適なサービスを提供することができます。

また、このシステムを使用することで、顧客の嗜好や傾向を分析し、将来的な購買行動を予測することが可能です。さらに、このシステムを使用することで、顧客の利用頻度や購買金額などのデータを収集し、マーケティング戦略の改善に役立てることができます。

このように、CRMツールは、企業が顧客との関係を強化し、ビジネスを拡大するために重要な役割を果たします。

MAツール

マーケティングオートメーション(MA)ツールはマーケティング活動を自動化するためのツールツールです。マーケティング活動では、顧客との接触ポイントを最適化するために様々な手段が使用されます。例えば、以下のような手段があります。

  • バナー広告の表示:顧客がサイトを訪問した際に自動的に表示されるバナー広告を設定することで、より効果的なアプローチが可能となります。
  • メールマーケティング:新商品情報やセール情報など、顧客にとって魅力的な情報を提供することで、顧客の関心を引き付けることができます。
  • ソーシャルメディアの活用:SNSなどのプラットフォームを活用することで、より多くの顧客にアプローチすることができます。例えば、InstagramやFacebookの広告を活用することで、ターゲット層に直接アプローチすることができます。

これらの手段を適切に活用することで、より多くの顧客と接触し、マーケティング活動の成功につながります。

SFAツール

セールス・フォース・オートメーション(SFA)ツールは営業活動を支援するためのシステムです。営業支援活動は、営業担当者が顧客との接触を効率化するために使用される重要な手段です。営業活動は、ビジネスにおいて非常に重要であり、売上や利益の増加に直結します。営業支援活動は、顧客情報や商談履歴を効果的に管理することができ、営業活動の効率化に貢献します。

これにより、営業担当者は、より多くの時間を顧客との接触に費やすことができ、顧客との信頼関係を構築することができます。また、営業支援活動は、顧客のニーズや要望を的確に把握し、製品やサービスの改善につながる貴重な情報を提供することができます。これにより、ビジネスの成長につながる戦略的な意思決定が可能になります。

データ活用に利用できる主なデータ

データ活用に利用できる主なデータには以下のようなものがあります。下記はあくまで一例です。

  • 営業情報
  • 購買データ
  • 顧客属性や嗜好データ
  • ウェブログデータ
  • SNSデータ
  • センサーデータ
  • ログデータ

これらのデータを収集・整理・分析・可視化することで、組織がより洞察力に基づいた意思決定を行い、効率化やイノベーションの促進につながります。

DXにデータを活用するための手順

ここからはDXにデータを活用するための手順を見ていきましょう。

1. 現状把握・課題の設定

現状の把握や課題設定を行うことは、データ活用において非常に重要です。このプロセスによって、データ活用の目的を明確にすることができます。また、データを収集することで、より正確な分析を行い、問題を解決するための方向性を見つけることができます。

しかしながら、データの収集や分析のための方針を決めることは容易なことではありません。そのため、課題設定や目的設定を行う際には、複数の観点から検討することが必要です。具体的には、データの収集方法や分析手法、それに伴うコストや期間などを考慮する必要があります。

2. データ活用するための環境・制度の整備

データを活用するためには、まず適切な環境や制度を整備する必要があります。例えば、データの収集方法については、どのような種類のデータを収集するか、どのような形式で収集するか、どのようなタイミングで収集するか、などを検討することが重要です。また、データを保管する場所についても、セキュリティやアクセス制限、災害対策などを考慮した上で、適切な場所を選定する必要があります。

3. データの取得と保有

データを活用する際には、データの取得と保有が非常に重要です。データの取得にあたっては、データの出所や信頼性を確認する必要があります。例えば、信頼できるデータソースからデータを収集し、そのデータの正確性を確認することが重要です。また、データの保有については、データのセキュリティやプライバシーに配慮する必要があります。例えば、データベースに保管する際には、アクセス権限の設定や暗号化を行うことが重要です。データを活用する前に、適切なデータの取得と保有を行い、データを最大限に活用しましょう。

4. データ活用の目的・仮説立案

データ活用の目的や仮説を立てることは、データ活用において非常に重要です。目的や仮説を決めることで、データを収集・分析するための方針を決めることができます。具体的には、収集するデータの種類や分析方法、必要な期間やコストなどを考慮する必要があります。そのため、目的や仮説を決める際には、複数の観点から検討することが必要です。

5. データ活用・分析

データ活用にあたり、データを収集・分析することが必要です。収集したデータを分析することで、課題や問題点を把握し、解決策を見つけることができます。また、データを分析することで、新しいビジネスモデルの発見や、既存のビジネスプロセスの改善などに繋がることがあります。

6. データを用いた施策の実施・意思決定

データを活用して得られた知見をもとに、具体的な施策を実施することが求められます。例えば、データ分析に基づいたマーケティング施策の実施や、データに基づいた業務プロセスの改善などが挙げられます。また、データを用いた意思決定により、組織の戦略や方向性を決定することができます。

データを活用する際の注意点・課題

データを活用する際の注意点や課題について見ていきましょう。

入力形式やデータ形式の統一

データを活用する際には、データの入力形式やデータ形式の統一が必要です。例えば、同じ情報でもエクセルファイルやデータベースによって形式が異なる場合があります。そのため、データの統一形式を定めることが重要です。

データの統一形式を定めることにより、データの取り扱いが容易になります。また、異なる形式のデータを取り扱う場合、データの変換が必要になります。これにより、データの内容が変化する可能性があります。一方、統一形式でデータを取り扱うことで、データ変換の手間を省き、データの内容を正確に保持することができます。

さらに、データの統一形式を定めることで、データの利用範囲が広がります。例えば、異なる部署でのデータ共有が容易になり、業務の効率化につながる可能性があります。

個人情報の取り扱い

データの活用には、個人情報の取り扱いに対する十分な配慮が必要です。個人情報を適切に管理できない場合、法律的な問題が発生する可能性があります。そのため、個人情報の保護に関する法律や規制を遵守することが重要です。

また、個人情報を収集する前に、その目的や範囲を明確にし、本人の同意を得る必要があります。さらに、収集した個人情報は適切な方法で保管し、不正アクセスや漏洩などのリスクを最小限に抑えるための対策を講じることが必要です。

データの信憑性

データを活用する際には、データの信憑性に注意する必要があります。例えば、データが古くなっていたり、データの取得方法が間違っている場合など、データの信憑性に問題がある場合があります。そのため、複数の観点からデータを分析することが必要です。

ビジネスにおいて、データは非常に有用な情報源です。しかし、データを利用する前に、その信頼性を確認することが重要です。データに問題がある場合、ビジネス上の決定に影響を与える可能性があります。したがって、データの信頼性を確認するためには、複数の方法を用いてデータを分析することが必要です。例えば、データ収集方法を確認することや、データが古くなっていないかを確認することが重要です。また、データの背景や文脈を知ることも、データの信頼性を確認するためには必要です。これらの手法を用いて、より正確なデータ分析を行うことができます。

まとめ

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この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

  • データ活用によって組織内での課題を見える化することができる。
  • データ活用のためには、適切なツールや環境の整備が必要。
  • データ活用にあたっては、データの収集方法や分析方法、個人情報の保護などに注意する必要がある。

DXやデータの活用を進めるためのシステムの設計、開発、運用には、幅広い知識と経験を持ったエンジニアが必要です。そのため、専門企業に外注することをおすすめします。企業選びに迷われた場合は、株式会社エイチビーラボにご相談ください。

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