はじめに
人事BPOとは、日本語に訳すとBusiness process outsourcingの略で外部業者に委託するサービスです。
これまで自社の人事業務の一部を委託する手法ではなく、経理業務や採用業務などのプロセスを一括して委託できるプロセスです。
BPOは年末調整や福利厚生、給与計算・勤怠管理など時期に合わせて委託することができます。
しかし、人事BPOを選ぶには料金体系やセキュリティ体制がしっかり整備されているか確認することが大切です。
本記事では、人事業務におすすめのBPO5選について詳しくご紹介します。
人事BPOとは
人事BPO(Business Process Outsourcing)とは、人事関連の業務プロセスを外部業者に委託するアプローチです。
BPOは本来、企業の業務プロセスを外部に委託する経営戦略で、業務の効率化を図ることを目的に利用されます。
BPOは業務全般を外部に委託することで、人材の確保や教育など人材配置において必要な場面を柔軟に調整することができます。
また、人事BPOを導入すると、新たな業務知識を習得させる必要がなくなり、人件費と育成コストの節約につながるのが特徴です。
企業で人材不足が課題となっている部分を人事BPOを導入することで、企業にとって必要な課題を見分けられやすくなり業務改善が可能になります。
人事BPOを導入するメリット
人事BPOは、企業の繁忙期や業務プロセスなどを改善するメリットがあります。
企業活動において、特定の業務に専門性が求められる範囲をアウトソーシングすることで、業務の属人化の防止が可能です。
自社の特定の業務を外部委託することで、特定の業務品質が向上することにもつながります。
ここからは、人事BPOのメリットについて詳しくご紹介します。
業務品質が向上する
人事BPOは、人事業務の専門的な業務や定型業務を外部に委託すると、業務品質が向上します。
人事BPOは社員では対応できない専門的な業務を請け負うことで、本来必要だった人材を採用する必要がなくなり、採用コストの削減も図れます。
また、情報システム部や社員によるデータチェック業務などが削減され、コア業務に集中できるのがポイントです。
BPOの導入後は業務効率を高められるだけでなく、社員の業務の負担を減らすことができます。
コア業務へ集中しやすくなる
人事BPOを導入すると、従業員がこれまで行っていた定型業務をアウトソーシングすることでコア業務へ集中しやすくなります。
コア業務は、マーケティング活動や事務作業など企業の利益や売上に直接関係してくる業務を指す業務のことをいいます。
人事BPOを自社に導入すると、事務作業やWebページ運用などの業務などをアウトソーシングすることができます。
特に備品の購買や契約管理などの定型業務をアウトソーシングすることで、従業員の業務の負担を削減することができます。
法改正に円滑に対応できる
人事BPOを導入するメリットの一つは、法改正が起こっても円滑に対応ができる点です。
企業活動で社会保険制度や労働関連の法令は頻繁に改定されることが多く、人事部の方は定期的に情報を集めることが欠かせません。
特に中小企業やスタートアップ企業だと、専門的な法改正の内容を理解することが難しく、最新の法改正が業務に反映しにくい場合があります。
しかし、人事BPOでは、法的な知識のアップデートを外部委託先に任せることで従業員の負担を減らすことができます。
労務関連の法が改正する場合、法改正の手続きを外部委託先で迅速に対応が行えるのも大きなメリットです。
人事BPOを導入するデメリット
人事BPOは自社の専門的な業務を外部委託したり法改正に対応することができる半面、デメリットが存在します。
自社にBPOを導入する場合は、コスト面やセキュリティ面などのリスクを把握することが大切です。
ここからは、人事BPOのデメリットをいくつかご紹介します。
準備期間やコストがかかる
人事BPOを導入するデメリットの一つは、準備期間やコストが発生することです。
BPO導入時には、運用フローの構築や社内のヒアリング・マニュアル作成などといったコストがかかります。
これまで社内で業務を行っていた作業であるため、外部企業である委託先の担当者と引き継ぎ期間が発生します。
もしできるだけ引き継ぎ期間を短くするには、BPO事業者とどの程度の期間で相場はいくらなのかを打ち合わせをすることが必要です。
導入前にどの程度の期間で導入コストを回収できるか事前に相談することをおすすめします。
情報漏洩などが起きるリスクがある
人事BPOを自社に導入するのは、外部委託先に自社の顧客情報や財務情報などの機密情報を取り扱うことになります。それらを外部に委託すると、社内の情報漏が起きるリスクが高まるため、注意が必要です。
BPOを採用している企業は、ISMSやプライバシーマークの認証を取得している企業が多いため、セキュリティ意識が高い場合がほとんどです。
しかし、BPOサービスによってはセキュリティ意識が低い企業に委託してしまうと、情報漏洩のリスクが高くなります。
自社の定型業務などをアウトソーシングする際は、外部委託先がセキュリティ対策を行っているか確認することが大切です。
社内にノウハウが蓄積されなくなる
自社の業務を外部委託すると、従業員の業務負担が軽くなる半面、ノウハウが蓄積されなくなります。
例えば、専門知識が必要で外部委託先に依頼するのは適切な判断ですが、業務を丸ごと外部委託する場合は、従業員の経験値が上がる場面が少なくなります。
自社の業務を外部委託する際は、どの範囲の業務を依頼したいかを把握することが大切です。
また、BPOは専門的な技術を持った方が多く、定期的な運用報告を受ける必要があります。
BPOを導入した後も、委託先の担当者とコミュニケーションを取り、改善が必要な部分があれば対応してもらいましょう。
おすすめの人事BPOサービス5選
自社にBPOサービスを導入する際は、業務内で何を委託したいかを把握することです。BPOサービスはアウトソーシングしたい業務に専門性があるか、導入価格が適正があるか把握することが大切です。
ここからは、おすすめの人事BPOサービスについて詳しくご紹介します。
Caster BPO
Caster BPOとは、ECサイトのお問い合わせ対応から事務作業など必要な業務を委託できるアウトソーシングサービスです。
業務では、秘書・人事・受発注業務・Webサイト運用など幅広い業務を受け付けています。
Caster BPOに在籍しているスタッフは、専門性に特化している方が多く採用されているのが特徴です。
ECサイトでメール対応業務や採用業務を希望する場合は人事を、仕入管理や請求書の発行を頼みたい場合は細かく対応することができます。
テレワークや自社でリソースが足りない量のみアウトソーシングができるので余分なコストをかけずに委託ができるのがポイントです。
人事給与BPO
人事給与BPOは、給与計算や年末調整・確定申告などの業務を外部の専門企業にアウトソーシングするサービスです。
企業で経理のスタッフが、税制改正法での対応や年末調整などの作業を給与BPOによって任せることが可能です。
これまで経理担当者が従業員の給与業務や社会保険などの公的手続きを行わなければならなかった業務をアウトソーシングすることで経理担当者の負担を減らすことができます。
料金は給与代行のみで4〜6万円程度/月の料金で依頼することができます。
年末調整や住民税更新代行まで依頼する場合は、10万円~20万円ほどかかるのが一般的です。
業務を委託する範囲によって変わりますが、自社の状況を考慮しながら検討することが大切です。
COMMIT HR
COMIT HRは、人事業務や給与計算など煩雑な業務をアウトソーシングする業務です。
従来の人事業務は、対応範囲は広く、社員の一人ひとりの業務の負担が増えることになりがちです。
しかし、COMMIT HRを導入すると、定型業務を外部に委託することにより自社のコア業務のみ集中して取り組むことができます。
人事業務における勤怠管理や専門的な業務をアウトソーシングすることができるので、専門性の高い人材が不足している場合に効果的です。
Remoba労務
Remoba労務は、入退社手続きや勤怠管理などの業務を幅広くサポートするサービスです。
勤怠管理では社労士との連携が可能で、従業員の管理業務の支援も行うことができます。
Rrmoba労務は、企業で担当者が突然退職してしまった場合でも、専門かチームが役割を引継ぎ、業務の遅延を防ぐことができます。
アウトソーシングに関しては専門的な知識を要する複雑な業務をカバーができるのが特徴です。
労務管理の業務を外部に委託することで、企業の生産性と効率を上げることができるのがポイントです。
freee人事労務アウトソース
freee人事労務アウトソースは、採用・人事・労務管理や課題を解決するために支援するアウトソーシングサービスです。
人事業務では給与計算や入社手続きなどは自社で行わないといけなかったのですが、freee人事労務アウトソースでは全て外注することができます。
企業の状況に応じてアウトソースを内製と外注の切り替えを行うことができるのが特徴です。
従業員情報がクラウド上のデータベースに蓄積されるうえ、管理画面で確認もできます。
また、管理画面では作業の進捗を把握することができ、社内のコミュニケーションも円滑にできるのもポイントです。
人事BPOを導入する上での注意点
人事BPOを導入を検討している際、BPO企業によって専門性や料金プランなど異なります。
人事業務にBPO導入を行っていくにあたって、「何のために取り入れるか」を基準に決めることが大切です。
BPOを曖昧なまま導入してしまうと各担当者と委託先で認識のすれ違いが起こってしまう可能性があります。
ここからは、人事BPOを導入する際の注意点について詳しくご紹介します。
人事BPO導入の目的を明確化する
人事BPOの導入準備をする際は、「何のためにBPOを導入したいのか」という目的を明確化することが必要です。
BPOを導入する際は、委託したい業務を自社で行う場合と外部委託した場合のコストを比較することです。
それらを事前の情報整理を行った上で委託先の会社に引き継ぎするためにマニュアル作成や表の見積りなどの業務が発生します。
委託したい業務内容によっては業務体制や導入までの準備期間も必要になるので。目的を明確にする必要があります。
過去の導入実績をチェックする
人事BPOの導入を検討している方は、業者にどのような実績があるのか確認することが必要です。
BPOは自社の業務を外部委託先に依頼するため、自社の情報が漏洩するリスクも0ではありません。
また、どのくらい期間や品質レベルで対応頂けそうか過去実績をチェックすることが大切です。
人事業務では勤怠情報や顧客情報から契約書の管理などさまざまな情報を取り扱うことがあります。
BPOを導入する際は、自社と同様の業界で成功しているかホームページや口コミで確認しましょう。
外部委託先の企業と定期的な情報共有を行う
人事BPOは、経理や法改正などの専門的な業務をアウトソーシングできる半面、自社の業務の経験を積む機会が難しくなります。
BPOを導入する際の注意点は、社内に業務のノウハウが蓄積されないということです。
例えば、経理業務であれば何らかの理由でアウトソーシングが利用できなくなった場合、自社で対応できなくなるリスクがあります。
そのため、自社の業務をアウトソーシングして終わりではなく、定期的に外部企業との面談や双方でコミュニケーションを取ることが大切です。
まとめ
本記事では、人事業務におすすめのBPOについてご紹介しました。
人事BPOは現在の業務プロセスの課題を調査し、業務効率につなげることができます。
しかし、サービス選びについては、費用面や品質面をチェックすることが大切です。
自社内でどのような業務をアウトソーシングしたいか、進捗報告などを中心にチェックすると、ミスマッチを防ぐことができます。
人事BPOを選択する際は、委託したい範囲やセキュリティ面を中心に選ぶことが大切です。