はじめに
AIを活用したコーディング支援ツールが急速に進化する中で、従来のコード補完を超えた新しい開発体験を提供する存在として注目されているのが「Cursor」です。Cursorとは、エディタそのものにAIを組み込み、コードの生成や修正、理解までを対話的におこなえる次世代のAIコードエディタとして、多くのエンジニアや開発チームから関心を集めています。
特に2025年にかけてのアップデートでは、より高度なコード理解やプロジェクト全体を横断した支援が強化され、GitHub Copilotとは異なる立ち位置が明確になりつつあります。
一方で、「具体的に何ができるのか」「どう使えば効果的なのか」「料金はどのくらいかかるのか」「CopilotやClaudeと何が違うのか」といった疑問をもつ人も多いでしょう。
本記事では、Cursorの基本的な概要からできること、使い方、料金プラン、他ツールとの違いまでを整理し、2025年最新の視点でわかりやすく解説します。導入を検討している人や、AI開発環境を見直したい人はぜひ参考にしてください。
Cursorとは
Cursorとは、米国のスタートアップ企業であるAnysphere(アニスフィア)社によって開発された、AIを前提に設計された次世代のコードエディタとして注目を集めています。単なるコード補完ツールではなく、エディタそのものにAIが組み込まれており、コードの生成・修正・理解・整理までを一連の流れで支援できる点が大きな特徴です。
従来は、エディタとAIツールを行き来しながら作業する必要がありましたが、Cursorでは開発の中心にAIが存在します。これにより、実装スピードの向上だけでなく、思考の中断を減らし、開発全体の生産性を高めることが可能になります。
ここでは、Cursorがどのような位置づけのツールなのか、どんな人に向いているのかを整理しながら、その特徴を解説します。
CursorはVS Code互換のAIコードエディタ
Cursorは、Visual Studio Codeと互換性のあるAIコードエディタとして設計されています。操作感やショートカット、拡張機能の考え方はVS Codeに近く、すでにVS Codeを使い慣れているエンジニアであれば、ほとんど違和感なく移行できます。見た目や基本操作が大きく変わらないため、新しいツールを覚える負担が少ない点は大きなメリットです。
その一方で、中身は単なるVS Codeの派生ではなく、AIによるコード理解や編集支援が前提となっています。
既存のエディタ環境を活かしながら、AIを開発の中心に据えたい人にとって、導入しやすい設計になっているといえます。
拡張機能型ではなくエディタ側にAIが入っているのが特徴
Cursorの最大の特徴は、AIが拡張機能として後付けされているのではなく、エディタの中核として組み込まれている点です。一般的なAI補完ツールは、エディタにプラグインとして追加され、主に入力補完を担います。
一方、CursorではAIがコードベース全体を前提に理解し、複数ファイルを横断した編集や修正をおこなえます。これにより、単発の補完ではなく、設計意図を踏まえた変更やリファクタリングが可能になります。
エディタとAIが分離していないため、指示から実行までの流れがスムーズで、思考と実装の距離を縮められる点が大きな強みです。
既存の開発環境を崩さず生産性を上げたい人に向いている
Cursorは、開発環境を大きく作り替えることなく、生産性を引き上げたい人に向いています。新しいIDEや独自環境を導入する場合、チーム全体での学習コストや移行負担が課題になります。
その点、CursorはVS Code互換であり、既存のプロジェクト構成やワークフローを維持したまま利用できます。AIによる支援を段階的に取り入れられるため、最初は補完や簡単な修正から使い始め、慣れてきたら大きな変更を任せるといった使い方も可能です。
無理なく導入できる点が、個人開発者だけでなく、チーム開発でも評価される理由です。
Cursorが得意な場面と苦手な場面を先に押さえる
Cursorは万能なツールではなく、得意な場面と苦手な場面があります。得意なのは、既存コードを理解したうえでの修正や改善、複数ファイルにまたがる変更、定型的な実装やリファクタリングです。
一方で、要件が曖昧なままの大規模設計や、強いドメイン知識が必要な判断は、人間のレビューが不可欠です。AIに任せきりにするのではなく、補助的な役割として使うことで真価を発揮します。
あらかじめ限界を理解しておくことで、Cursorを過信せず、開発効率を高める道具として適切に活用できます。
Cursorの2025年10月ごろのアップデート
Cursorは登場当初から「AI前提のコードエディタ」という立ち位置を明確にしてきましたが、2025年10月ごろのアップデートを境に、その方向性がよりはっきりと打ち出されるようになりました。
単なる補完精度の向上ではなく、開発の進め方そのものを変える設計が強化され、個人開発からチーム開発まで幅広く対応できる進化を遂げています。
特に、エージェント機能の高度化や計画支援、探索速度の改善などは、日常的な開発体験に直結する変化です。
ここでは、2025年以降のアップデートでCursorがどんな方向に進化したのかを、主要なポイントごとに整理して解説します。
Cursor 2.0で変わった開発体験の方向性
Cursor 2.0以降では、AIを「補助的なツール」ではなく、「開発プロセスの一部」として扱う設計がより明確になりました。従来は、人が実装し、AIが部分的に手伝うという関係でしたが、Cursorではタスク単位でAIに作業を委ね、人が判断とレビューを担う流れが前提になりつつあります。これにより、実装の初動や下書き、整理作業をAIに任せやすくなり、開発者は設計や優先度判断に集中できます。
また、単一ファイルの操作だけでなく、プロジェクト全体を意識した提案や修正が増え、エディタとしての役割が「書く場所」から「考えながら進める場所」へと広がっています。開発体験の重心が確実に変化している点が特徴です。
マルチエージェントで並列に作業を進める仕組み
2025年以降のアップデートで注目されているのが、マルチエージェントを前提とした作業モデルです。複数のエージェントがそれぞれ異なる役割を持ち、並列で作業を進めることで、従来は順番におこなっていた工程を同時に処理できるようになります。
例えば、あるエージェントが実装案を作成している間に、別のエージェントが影響範囲を調査したり、テスト観点を整理したりする使い方が可能です。これにより、作業の待ち時間が減り、全体のスピードが向上します。
ただし、最終的な統合や判断は人がおこなう前提であり、完全自動化ではなく協調型の設計が意識されています。
Plan Modeの改善で実装手順を固めやすくなった点
Plan Modeは、実装に入る前に手順や方針を整理するための機能ですが、2025年ごろの改善によって実用性が大きく向上しました。以前は抽象的な提案にとどまりがちでしたが、現在はコードベースを踏まえた具体的なステップが提示されやすくなっています。
どのファイルを修正し、どの順番で作業を進めるかが明確になるため、実装前の迷いを減らせます。
また、計画段階で問題点や影響範囲を把握しやすくなり、後戻りのリスクを下げる効果もあります。特に中規模以上の変更では、いきなり書き始めるよりも、Plan Modeで一度整理することで全体の効率が高まります。
エディタ内AIコードレビューと品質チェックの強化
アップデートにより、Cursorはコードを書く支援だけでなく、品質を確認する役割も担うようになっています。エディタ内でコードレビューを依頼すると、可読性や構造、潜在的な問題点について指摘を受けられます。静的解析ツールとは異なり、文脈を考慮したコメントが得られる点が特徴です。
また、チーム内でのレビュー前にセルフチェックとして活用することで、指摘の数を減らし、レビュー全体をスムーズに進められます。すべてを鵜呑みにするのではなく、補助的な視点として使うことで、品質向上と時間短縮の両立が期待できます。
Instant Grepなど探索系の高速化で調査が短縮される
コード探索に関する機能も大きく改善されています。Instant Grepのような高速検索機能により、プロジェクト全体から関連コードを瞬時に探し出せるようになりました。
単なる文字列検索ではなく、意味や使われ方を踏まえた探索が可能なため、「どこで使われているか」「関連する処理は何か」といった調査が短時間で完了します。これにより、修正前の影響調査や仕様確認にかかる時間を大幅に削減できます。
特に規模の大きいコードベースでは、この探索性能の向上が開発効率に直結します。
Cursorでできること
Cursorの魅力は、単なるコード補完にとどまらず、実装・修正・理解・整理といった開発作業全体を一つのエディタ内で完結できる点にあります。従来は、補完はエディタ、設計相談はチャットツール、コード理解は別のAIといったように、用途ごとにツールを切り替える必要がありました。
Cursorでは、それらの役割をエディタに統合し、開発の流れを止めずにAIを活用できます。ここでは、Cursorで具体的に何ができるのかを機能ごとに整理し、どのような場面で効果を発揮するのかを解説します。
Tab補完でタイピングを減らしつつ意図に沿った提案を受ける
CursorのTab補完は、単語や構文を補完するだけではなく、直前のコードや周辺の文脈を踏まえた提案をおこなう点が特徴です。関数の途中まで書くと、その続きだけでなく、処理全体を予測したコードを提示することもあります。これにより、細かなタイピング作業を減らしつつ、実装スピードを大きく向上させることが可能です。
また、単なる自動生成ではなく、既存のコードスタイルや命名規則に寄せた提案が出やすいため、後から手直しする手間も減ります。Tab補完は「すべて受け入れる」前提ではなく、提案を確認しながら取捨選択できる点も重要です。
人間の判断を残しつつ、作業量だけを減らす補助として機能します。
チャットでコードの意図説明や設計相談をその場で進める
Cursorには、エディタ内で使えるチャット機能が組み込まれており、書いているコードについてその場で質問や相談ができます。
例えば、「この関数は何をしているか説明してほしい」「この実装をもう少しシンプルにできないか」といった問いを投げると、現在のコードを前提に回答が返ってきます。
別のツールにコードを貼り付ける必要がないため、思考を中断せずに理解や設計検討を進められる点が大きなメリットです。
また、設計段階の相談にも使えるため、実装前に方針を固めたり、複数案を比較したりする用途にも向いています。調べる時間や考え直す時間を短縮しながら、質の高い判断を下しやすくなります。
Composerで差分を見ながら複数ファイルをまとめて編集する
Composerは、Cursorの中でも特に特徴的な機能の一つで、複数ファイルにまたがる変更をまとめて指示し、差分を確認しながら編集できます。
例えば、共通処理の修正や命名変更、構造の整理といった作業では、多くのファイルを個別に編集する必要があります。
Composerを使えば、変更内容を一括で提案させ、その結果を差分として確認したうえで適用できます。
すべてを自動で反映させるのではなく、変更点を一つずつ確認できるため、意図しない修正を防ぎやすい点も重要です。手作業での修正漏れやミスを減らしつつ、作業全体を効率化できる機能といえます。
Agentで実装やリファクタリングをタスク単位で任せる
CursorのAgent機能を使うと、実装やリファクタリングをタスク単位でAIに任せられます。
「この機能を追加する」「このコードを整理する」といった目的を伝えると、必要なファイルを横断的に操作しながら作業を進めます。
すべてを自動化するというよりは、下書きやたたき台を用意させるイメージに近く、人間がレビューして仕上げる前提で使うのが現実的です。
定型的な修正や、影響範囲が広い変更ほど効果を発揮し、開発者は本質的な判断に集中できます。
タスクの切り出し方を工夫することで、精度と効率を両立しやすくなります。
テストやドキュメント整備まで一気通貫で支援させる
Cursorは、実装だけでなく、テストコードの作成やドキュメント整備にも活用できます。
機能を実装したあとに、「このコードに対応するテストを書いてほしい」「READMEに使い方をまとめてほしい」と指示することで、関連する内容を生成できます。これにより、後回しになりがちなテストやドキュメント作成の負担を軽減できます。
もちろん、そのまま使うのではなく、内容の確認や修正は必要ですが、ゼロから書くよりも大幅に時間を短縮できます。開発の一連の流れを止めずに、品質向上までカバーできる点は大きな利点です。
コードベース検索と文脈理解で調査コストを下げる
既存のコードベースを理解する作業は、特に大規模プロジェクトでは大きな負担になります。Cursorは、プロジェクト全体を前提にコードを理解し、質問に答えたり、関連箇所を示したりできます。
「この処理はどこで使われているか」「この変数の役割は何か」といった問いに対して、文脈を踏まえた回答が得られるため、検索や読み込みの時間を減らせます。
新しく参加したプロジェクトや、久しぶりに触るコードでも、理解までの立ち上がりを早められる点が強みです。調査にかかる時間を減らし、実装に集中できる環境を整えられます。
Cursorの使い方

Cursorは、従来のコードエディタと同じ感覚で操作しながら、必要な場面でAIの力を自然に取り入れられる点が特徴です。特別な操作を覚えなければ使えないツールではなく、普段の開発フローにそのまま組み込める設計になっています。
その一方で、AIチャットやコード生成、編集支援などの機能を正しく理解して使い分けることで、作業効率やコード品質に大きな差が生まれます。
ここでは、Cursorを実務で活用するために押さえておきたい基本的な使い方を、機能ごとに整理して解説します。初めて触る人でも全体像をつかめるよう、順を追って見ていきましょう。
AIチャット機能
CursorのAIチャット機能は、エディタ内でコードについて直接対話できる点が最大の特徴です。
書いているコードを前提に質問できるため、外部ツールに貼り付ける手間がありません。

例えば「この処理の目的を説明してほしい」「もっとシンプルな書き方はあるか」といった相談をすると、現在の文脈を踏まえた回答が返ってきます。
また、エラーの原因調査や仕様確認などにも使えるため、調べ物にかかる時間を短縮できます。単なる質問応答にとどまらず、設計の相談や改善案の検討にも活用できるため、考えながら実装を進めたい場面で特に効果を発揮します。
コード生成
Cursorでは、自然言語で指示を出すことでコードを生成できます。

「この要件を満たす関数を作ってほしい」「API呼び出しの雛形を用意してほしい」といった指示に対し、既存のコード構成やスタイルを考慮した提案が得られます。
ゼロから書く必要がなくなるため、実装の初動を大幅に短縮できます。
ただし、生成されたコードをそのまま使うのではなく、要件や安全性を確認しながら調整することが重要です。
下書きやたたき台として活用することで、効率と品質のバランスを取りやすくなります。
コードの編集
既存コードの編集や修正も、Cursorの得意分野です。「この処理を別の書き方に変えたい」「複数箇所をまとめて修正したい」といった要望に対して、差分を提示しながら変更案を出してくれます。
特に、命名変更や構造整理、リファクタリングなど、手作業だとミスが出やすい作業で効果的です。変更内容を確認しながら適用できるため、意図しない修正を防ぎやすい点もメリットです。
コード全体を理解したうえで提案が出るため、局所的な修正にとどまらず、整合性を保った編集がしやすくなります。
AIモデルの選択
Cursorでは、用途に応じて Claude 3.5 Sonnet、GPT-4o、あるいは軽量な Cursor Small といったAIモデルを切り替えられる点が大きな特徴です。
高速に補完したい場面、設計相談をしたい場面、長文の説明やレビューを求めたい場面では、求められる性能が異なります。モデルを適切に選ぶことで、応答速度や精度のバランスを調整できます。
常に同じモデルを使うのではなく、作業内容に応じて切り替えることで、無駄な待ち時間や過剰な出力を避けられます。モデル選択を意識することが、Cursorを使いこなすうえでの重要なポイントになります。
コード補完機能
Cursorのコード補完は、単なる文字補完ではなく、処理の流れや意図を汲み取った提案が出る点が特徴です。
関数の途中で補完を受けると、続きの処理全体をまとめて提示することもあります。
Tabキーで受け入れるかどうかを選べるため、提案を確認しながら進められます。
補完をすべて受け入れる前提ではなく、自分の判断を残したまま作業量だけを減らせる点が実務向きです。
書くスピードを上げたい場面や、定型処理を素早く実装したい場面で特に役立ちます。
@Symbols機能
@Symbols機能は、Cursorならではの便利な参照機能です。

チャットや指示文の中で、特定のファイルや関数、変数を明示的に指定できます。
これにより、「この関数について説明してほしい」「このファイルを前提に修正案を出してほしい」といった指示が正確に伝わります。
文脈のズレを防ぎやすく、意図した回答を得やすくなる点が大きな利点です。
大規模なコードベースほど効果を発揮し、調査や修正の精度を高める補助として活用できます。
Cursorの料金プラン
Cursorは無料で利用を始められる一方で、開発スタイルや利用規模に応じて選べる複数の有料プランが用意されています。
| VS Code (デフォルト) | CursorBasic | CursorPro | CursorBusiness | |
| 料金 | 無料 | 無料 | $20/月 | $40/ユーザー/月 |
| AI強化型エディタ | × なし | ○ あり | ○ あり | ○ あり |
| GPT-3.5の使用回数 | × 使用不可 | ○ 200回/月 | ◎ 無制限 | ◎ 無制限 |
| GPT-4使用回数(低速) | × 使用不可 | ○ 50回 | ◎ 無制限 | ◎ 無制限 |
| GPT-4使用回数(高速) | × 使用不可 | × 使用不可 | ◎ 500回/月 | ◎ 500回/月 |
| プライバシー制御 | - | ○ あり(30日間のデータ保管あり) | ○ あり(30日間のデータ保管あり) | ◎ あり(30日間のデータ保管なし) |
| 一括請求機能 | - | × なし | × なし | ○ あり |
基本的な考え方としては、個人が試しながら使う段階から、本格的な業務利用、チーム利用まで段階的にスケールできる構成です。料金プランは大きく分けて、無料で使えるBasic、個人開発者向けのPro、組織利用を前提としたBusinessの三つが中心になります。
無料のBasicプランでは、Cursorの基本的な操作感やAIコードエディタとしての特徴を体験できます。回数制限はあるものの、AI補完やチャット機能を試せるため、まずはCursorが自分の開発スタイルに合うかを確認したい人に向いています。また、Basicプランでも、自前のOpenAI APIキーやAzure OpenAI ServiceのAPIキーを登録すれば、それらを使ってAI機能を拡張することが可能です。既にAPI契約を持っている人にとっては、柔軟に使える選択肢になります。
Proプランは、個人開発者やフリーランス、日常的にCursorを使って開発する人向けのプランです。月額料金はかかりますが、GPT-4系モデルの利用回数が大幅に増え、高速処理が可能なFast GPT-4を使える点が大きな特徴です。AI補完やチャット、Agent機能などを実務レベルでストレスなく使えるため、開発効率を重視する人に適しています。ただし、このプランまでは、一定期間プロンプトや出力結果が外部サーバーに保管される点には注意が必要です。
Businessプランは、企業やチームでの利用を想定した上位プランです。Proプランと同様に高性能なAI機能を使えるだけでなく、データを外部サーバーに保管しない設定が可能になり、セキュリティやコンプライアンス面が強化されます。加えて、一括請求や管理機能が用意されているため、複数人での導入や運用がしやすくなっています。機密性の高いコードを扱う場合や、組織としてAI活用を進めたい場合には、Businessプランが現実的な選択肢になります。
このように、Cursorの料金プランは「試す」「本格利用する」「組織で使う」という段階に応じて選べる設計になっています。まずは無料やBasicプランで感触を確かめ、必要に応じてProやBusinessへ移行する形が、無理のない導入方法といえるでしょう。
CursorとGithub Copilot・Claudeの違い
| Cursor | GitHub Copilot | Claude | |
| ツールの位置づけ | AI前提で設計されたコードエディタ | 既存エディタに追加する補完ツール | 汎用AI(対話・生成が中心) |
| 利用形態 | 専用エディタ(VS Code互換) | VS Codeなどの拡張機能 | ブラウザ・API・外部ツール |
| 主な役割 | 実装・編集・調査・整理を一体化 | コード補完・入力支援 | 設計相談・壁打ち・生成 |
| プロジェクト理解 | コードベース全体を前提に理解 | 編集中ファイル中心 | 入力された情報のみ |
| 複数ファイル編集 | ◎ まとめて対応可能 | △ 手動対応が必要 | × 基本不可 |
| 設計相談 | ○ エディタ内で可能 | △ 補助的 | ◎ 強い |
| 実装の一気通貫性 | 高い(生成〜編集〜修正まで) | 低い(補完のみ) | 低い(貼り付け前提) |
| チーム開発向き | ○(特に中〜大規模) | ○(補完用途) | △(補助的) |
| 向いている人 | 実装効率と文脈理解を重視する人 | タイピング量を減らしたい人 | 思考整理・設計検討を重視する人 |
AIを活用した開発支援ツールは増えていますが、Cursor、GitHub Copilot、Claudeはそれぞれ思想や役割が大きく異なります。一見すると「どれもAIがコードを助けてくれるツール」に見えますが、実際には向いている使い方や開発スタイルが異なります。
CursorはエディタそのものにAIを組み込み、実装から調査、編集までを一つの環境で完結させる設計です。
一方、GitHub Copilotは既存のエディタに組み込む補完特化型のツールであり、Claudeは汎用AIとして設計や相談に強みを持ちます。
ここでは比較表を前提にしつつ、それぞれの違いを実務視点で整理し、どのツールを選ぶべきかを判断しやすくします。
CursorはエディタそのものがAI前提で設計されている
Cursorの最大の特徴は、エディタ自体がAIを中心に設計されている点です。AIは拡張機能として後付けされているのではなく、コード編集、検索、差分確認、タスク実行といった機能の中心に組み込まれています。
そのため、単一ファイルの補完にとどまらず、プロジェクト全体を前提とした編集や修正が可能です。複数ファイルを横断した変更や、設計意図を踏まえた提案を一つの流れでおこなえる点は、他のツールにはない強みです。
エディタとAIの行き来が発生しないため、思考を中断せずに作業を進められ、開発体験そのものが変わります。実装だけでなく、調査や整理まで含めて効率化したい人に向いています。
GitHub Copilotはコード
GitHub Copilotは、VS Codeなどの既存エディタに組み込んで使うコード補完ツールです。入力中のコードをもとに次の行や処理を提案することに強みがあり、タイピング量を減らしたい場面では非常に有効です。
一方で、Copilotの役割はあくまで補完が中心であり、エディタ全体の操作やプロジェクト横断的な編集を担うものではありません。設計相談や大規模な修正を進める場合は、別途AIチャットや調査ツールを併用する必要があります。
既存の開発フローを大きく変えず、補完だけを強化したい人には向いていますが、作業全体を任せたい場合には役割が限定的です。
Claudeは汎用AIであり開発環境は別途用意する必要がある
Claudeは、コード生成や設計相談に強みをもつ汎用AIですが、開発環境そのものではありません。基本的にはブラウザや外部ツール上で対話し、コードを生成したあとにエディタへ貼り付けて使う形になります。
そのため、設計の壁打ちやアルゴリズム検討、レビュー観点の整理には適していますが、実装や編集を一気通貫で進めるには工夫が必要です。コードベース全体を常に把握しているわけではないため、文脈の共有にも手間がかかります。
考える工程を支援するツールとしては優秀ですが、日常的な実装作業の中心に据えるには向き不向きがあります。
コード理解の深さとプロジェクト横断性の違い
三者の違いは、コード理解の深さと範囲にも表れます。
Cursorはプロジェクト全体を前提にコードを理解し、複数ファイルにまたがる関係性を踏まえた提案が可能です。
GitHub Copilotは、主に編集中のファイルや周辺の文脈をもとに補完をおこなうため、理解の範囲は比較的限定的です。
一方、Claudeは入力された情報をもとに考察しますが、常にコードベース全体を把握しているわけではありません。
大規模な修正や調査では、Cursorのように横断的な理解を前提とした設計が大きな差になります。どのレベルまでAIに任せたいかによって、最適な選択肢は変わります。
Cursorの活用事例5選
AIを活用した開発支援ツールとしてCursorが広がりを見せる中、実際の企業やプロダクトでの活用事例も増えています。一部は大規模なシステム開発、またあるケースではスタートアップのプロダクト開発における生産性向上やコード品質改善に寄与しており、多様な業種・規模で効果が確認されています。
Cursorはコード補完だけでなく、AIチャットによる設計支援、複数ファイルの一括編集、文脈を踏まえた調査など、これまでの開発ツールにはない価値を提供します。
ここでは、実際にCursorを導入・活用して開発効率や品質向上につなげている代表的な5社の事例を紹介します。各社がどんな課題を抱え、Cursorをどのように活用したのかを具体的に解説し、実務でのイメージを深めていただける内容となっています。
カカクコム(食べログ運営)

カカクコムは、飲食店検索・レビューサービス「食べログ」などを運営する企業として、サイト運用や新機能開発を効率的に進める必要がありました。大規模なコードベースを抱える中、開発者が既存コードを理解しながら編集するコストが増加していた点が課題でした。
Cursorを導入することで、既存コードの文脈を理解しやすくするAIチャット機能や、複数ファイルにまたがる修正の一括編集が役立ったとされています。
また、設計段階での相談やコードレビューの簡易化にもCursorが寄与し、従来は時間がかかっていたタスクのサイクルが短縮されています。
Cursorの導入は、コード理解や修正の負担を軽減し、より高い生産性を実現する上で有効な手段となっています。
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2504/02/news169.html https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000992.000001455.html
いえらぶGROUP(不動産DX)

不動産テックを展開するいえらぶGROUPでは、既存プロダクトの機能追加や保守性の向上が課題となっていました。
特に複数人での開発が進む中、コードベースの統一やレビュー効率が求められていました。
Cursorを活用することで、AIによるコード補完や設計支援を日常の開発フローに組み込み、チーム全体の生産性を高めています。
AIチャット機能を用いた設計相談や、自動生成されたテストコードの活用により、品質担保と開発速度の両立を実現しました。
結果的に、コード修正にかかる時間を削減すると同時に、標準化された開発プロセスの確立にもつながっています。
Cursorは単なるツールではなく、チームの共通理解を深める支援役としても機能しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000618.000008550.html https://ielove-cloud.jp/news/entry-1146/
PeopleX(スタートアップ)

スタートアップのPeopleXでは、リソースが限られる中での迅速なプロダクト開発が求められていました。
AIコードエディタとしてCursorを導入したことで、実装の初動スピードやコード品質が向上しています。
Cursorが提案するコードは、プロジェクトの文脈を踏まえたものであり、開発者の思考をサポートする役割を果たします。
特に、AIチャットを使った設計相談やコードの説明機能は、技術的な議論を効率化し、意思決定をスピーディーにしています。
また、Cursorのコード補完を活用することで、実装負担が軽減され、スタートアップ特有のスピード重視の開発にも適応できています。このように、限られたリソースでも高い成果を出すための武器としてCursorが活用されています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000139786.html
YOUTRUST(キャリアSNS)

キャリアSNSを運営するYOUTRUSTでは、プロダクトの急速な進化に対応する必要がありました。
大量のフィードバックや新機能要望に応えるため、開発チームは高い実装速度と品質維持の両立を求められていました。
Cursorは、文脈理解を伴ったコード補完や、複数ファイルをまたぐ修正提案を通じて、これらの課題に対応する助けとなっています。
AIチャット機能により、コードベースの理解を深める時間が短縮され、チーム内で共通認識を持ちながら開発を進められるようになりました。
また、Cursorの設計支援により、プロダクトの仕様検討や実装計画が効率的に進められています。
Cursorは、開発効率と品質を両立させる実践的なツールとして機能しています。
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2504/04/news132.html
Ubie(ヘルステック)

ヘルステック企業のUbieでは、医療情報システムの開発において安全性と正確性が重要視されていました。
複雑なビジネスロジックや規制要件に対応しながら高品質なコードを維持する必要があり、Cursorの導入が進められています。
Cursorは、AIチャットによる説明やコードレビュー支援により、設計意図と実装の齟齬を減らす役割を果たしています。
また、テストコード生成や差分提示機能を活用することで、コードの健全性を保ちながら開発速度を維持することに成功しています。
プロジェクト全体を横断した検索・調査機能も重宝されており、複雑な仕様の理解や問題箇所の特定にかかる時間を削減しています。
UbieにとってCursorは、品質と速度を両立するための重要な開発インフラとなっています。
https://findy-tools.io/products/cursor/401/523
まとめ
Cursorとは、単なるAIコード補完ツールではなく、エディタそのものをAI前提で再設計した次世代の開発環境です。コード補完や生成だけでなく、設計相談、複数ファイルの編集、調査、レビューまでを一つの流れでおこなえる点が、GitHub CopilotやClaudeとの大きな違いといえます。
2025年以降のアップデートによって、エージェントや計画支援、探索性能も強化され、個人開発からチーム開発まで幅広く活用できる実用性が高まりました。AIを「補助」ではなく「開発の一部」として取り入れたい人にとって、Cursorは有力な選択肢です。
一方で、AIツールを最大限活かすためには、自社の開発体制やプロジェクト特性に合わせた導入・運用設計が欠かせません。HBLABでは、AI活用を前提とした開発プロセスの設計から、Cursorを含む最新ツールの導入支援、実務に根付く運用サポートまで一貫して支援しています。AI開発環境の最適化や生産性向上を検討している場合は、HBLABへの相談が有効な選択肢となるでしょう。







