成功する企業が採用するデータドリブンなマーケティング手法とは?

2023年5月30日

IT化が進み、さまざまなデータを取得し活用することができる今、従来のマーケティング手法とは異なり、データを重視することで正確な情報を得ることができる手法であるデータドリブンマーケティングが注目されています。一方で、以下のような疑問を持つ方もいるでしょう。

  • データドリブンマーケティングが何かよくわからない
  • データドリブンマーケティングにより何らかのメリットがあるのか
  • データドリブンマーケティングの成功事例はあるのか

この記事では、データドリブンなマーケティングのメリットや成功企業の事例について解説しています。特に企業に属してマーケティングに関する業務を行っている方は、ぜひご一読ください。

データドリブンマーケティングとは

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データドリブンマーケティングとは、データを収集し、分析することで正確な情報を得て、マーケティング戦略を立てる手法です。この手法は、感覚や経験に頼る従来のマーケティング手法とは異なり、データを重視するため、より精度の高い戦略を立てることができます。

データドリブンマーケティングは、データを収集することから始まります。企業は、様々な方法でデータを収集することが可能です。例えば、ウェブサイトのアクセス解析やSNSの投稿データ、購買履歴やアンケート調査などが挙げられます。また、データ収集に加えて、データのクリーニング、整形、処理などの作業を通して、より正確な情報を得ることができます。

収集したデータを分析することで、顧客の行動や好みを理解し、それに基づいて最適なマーケティング戦略を立てることが可能です。分析には、様々な手法がありますが、代表的なものに、クラスタリング、回帰分析、決定木分析、時系列分析などがあります。これらの手法を用いることで、より詳細かつ精度の高い分析が可能となります。

また、マーケティング戦略の立案においては、データ分析に加えて、競合分析、市場調査、消費者の声の把握なども重要です。これらの情報を総合的に分析することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができるでしょう。

データドリブンなマーケティング手法のメリット

データドリブンなマーケティングには、以下のようなメリットがあります。

  • ターゲティングの精度向上
  • 顧客満足度の向上
  • ROI(投資利益率)の最大化
  • 時間とコストの低減

ターゲティングの精度向上

データドリブンなマーケティングでは、顧客データを分析することで、顧客の行動や好みを把握し、それに合わせた最適なマーケティング施策を行うことが可能です。例えば、購買履歴から顧客の好みを把握し、それに合わせた商品の提案やキャンペーンを行うことができます。このようなターゲティングの精度向上により、顧客の購買意欲を高め、売り上げの向上につながります。

また、ターゲティングの精度向上によって、顧客の好み以外にも、顧客のライフスタイルや興味関心に基づいたマーケティング施策を行うことが可能です。例えば、スポーツに興味がある顧客にはスポーツ関連商品の提案や、スポーツイベントへの招待などを行うことができます。また、子育て中の顧客には子育てに関する情報や、育児グッズの提案を行うことができるでしょう。

このように、顧客の好み以外の情報もマーケティングに活用することで、顧客とのコミュニケーションを深め、顧客ロイヤルティの向上につながります。顧客ロイヤルティとは、顧客がその企業や商品を好み、繰り返し利用したり、友人や知人に紹介するなど、応援してくれる状態のことを言います。

顧客満足度の向上

データドリブンなマーケティング手法を採用することで、顧客満足度を向上させることが可能です。

データドリブンなマーケティング手法を採用することで、顧客の行動データを収集・分析することができます。これにより、どのような商品やサービスに顧客が興味を持っているか、どのようなニーズを持っているかを把握することができます。

そして、そのデータをもとに、顧客にとって価値のある提供を行うことができます。たとえば、購入履歴や閲覧履歴から、顧客が興味を持っている商品を推薦したり、顧客のニーズに合わせて商品やサービスをカスタマイズすることができます。これにより、顧客が求める価値を提供することでき、顧客満足度を向上させることができるでしょう。

ROI(投資利益率)の最大化

データドリブンなマーケティングによりROI(投資利益率)の最大化を図ることも可能です。ROIとは、投資した費用に対して得られる利益の割合を示す指標であり、マーケティングの成果を評価するために使用されます。ROIが高いほど、投資した費用に対して得られる利益が大きくなります。

まず、データを収集・分析することで、顧客のニーズや行動パターンを把握することができます。これにより、どのような商品やサービスが需要が高いか、どのようなターゲットにアプローチすべきかを把握することが可能です。

そして、そのデータをもとに、効果的なマーケティング施策を導き出すことができます。たとえば、特定のターゲットに向けた広告キャンペーンを実施した場合、その効果をデータで評価し、改善点を把握することができます。また、特定の商品やサービスについて、どのような価格設定が適切かをデータで分析することができるため、ROIの最大化につなげることができるようになります。

時間とコストの低減

データドリブンマーケティングでは、データを分析することで、マーケティング戦略を立てることができます。これにより、無駄な時間やコストを省くことが可能です。また、顧客のニーズや要望を把握することで、商品やサービスの改善点を把握し、開発コストの削減につながることもあります。

例えば、製品の開発において、顧客ニーズに基づいた改良を行うことで、市場での製品の競争力を高めることが可能です。これにより、販売量が増えるため、生産コストを削減することが可能となります。

また、データ分析により、マーケティングキャンペーンの効果を評価することができます。これにより、無駄な費用を削減することができます。例えば、広告費用を抑えながらも、より多くの顧客にリーチすることができる広告媒体を選定することができます。

データドリブンなマーケティング手法を採用する企業の事例

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データドリブンマーケティング手法を採用する主な企業は以下のとおりです。

  • USJ
  • JTB
  • 日清食品

USJ

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、パーク内の来客者の行動をリアルタイムに追跡してデータを活用していることで知られています。このデータは、マーケティングだけでなく、新しいサービスの開発にも利用されているようです。USJは、厳密にはデータドリブンではなく、ユーザーエクスペリエンス・ドリブンのアプローチを取っており、パーク内の来場者の認証ができて個人のデータが分かるということを利用しています。

USJは、パーク内の来場者の行動データをリアルタイムに取得するために、「ジオマグネティック」という手法を採用しています。これは、地球上に存在する磁場を利用して、場所によって固有のゆがみが生じることを利用して、パーク内の場所を特定するというものです。パーク閉園後に、パーク内の各場所に設置された磁気センサーが、1年かけて収集したデータを、ゲストのアプリと組み合わせることで、パーク内での時間と位置情報がデータ化できるようになりました。現在、収集した行動データをもとに、来場者の楽しみ方をセグメンテーションし、一回目はアトラクションを中心に回った人が、二回目の来場時はどんな楽しみ方をするかなどをデータで把握しています。このデータをもとに、来場者一人ひとりに適したパーソナル・レコメンド・サービスを充実させ、リピート促進につなげているようです。

参考:「データをゲストの体験にどう活かせるか?」─USJが目指す、“届けたい体験”から逆算するデジタル戦略|XD(クロスディー)

JTB

JTBは、データドリブンマーケティングを導入し、データ統合と分析を基盤とした施策の実行を行っています。そのために、3つのチーム(統合データ基盤、顧客分析、マーケティングアクション)を統合するData Science Centralを設立しました。

また、顧客との最適なコミュニケーションを実現するために、顧客データから旅行目的や購買動機を分析し、個別に最適な旅行プランを提案するなど、顧客ニーズに合わせたサービスの開発も行っています。具体的には、「出張女子」という事例から、女性のニーズに合わせたサービスを提供することで、単価が10%高かった女性顧客の満足度を向上させ、新規顧客獲得につながったという成功事例があります。

女性顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、コンバージョン率が45%アップしたそうです。広告においても、「『出張するならJTB』という広告を出していたが、『女性の出張はJTBのこのプランでどうぞ』という形で、サービス別のクリエイティブを出し分けた」とのことです。

参考:CVR45%増の事例も! JTBのDMPを用いたデータドリブン成功の秘訣|Web担当者Forum

日清食品

日清食品は、SNSから得られたデータの解析を通じて、新たな市場の開拓に成功しました。従来のカップヌードルは「若者向け」のイメージが強く、シニア層への売れ行きが良くありませんでした。そこで、日清食品は、シニア層がSNSに投稿する写真の傾向を分析し、「健康志向な食事」ではなく「豪華な食事」が多いことを発見しました。

そこで、高価格帯の「カップヌードルリッチ」を投入し、豪華な食材を使用した商品を販売することで、シニア層にも大ヒットする商品を開発しました。このように、SNSから得られたデータを分析することで、新たな市場の開拓や商品開発に役立てたデータドリブンマーケティングを行っていたことがわかります。

参考:高級カップ麺はいかにしてシニアのハートと胃袋を掴んだか|NEWSポストセブン

まとめ

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この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

  • データドリブンマーケティングとは、データを収集し、分析することで正確な情報を得て、マーケティング戦略を立てる手法
  • 収集したデータを分析することで、顧客の行動や好みを理解し、最適なマーケティング戦略を立てることが可能
  • データドリブンなマーケティングには、ターゲティングの精度向上、顧客満足度の向上、ROIの最大化、時間とコストの低減のメリットがある

データドリブンマーケティングを行うには、幅広い知識と経験を持ったエンジニアが必要です。そのため、専門企業に外注することをおすすめします。企業選びに迷われた場合は、株式会社エイチビーラボにご相談ください。

株式会社エイチビーラボでは、ベトナムに特化したオフショア開発サービスを提供しております。データドリブンマーケティングを実現するために、専門的な知見や経験を持ったエンジニアが在籍しています。データドリブンマーケティングのDXにお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご相談から開発、運用まで親身にサポートいたします。

 

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