【2024年1月】IT業界でのトレンド・ニュース

2024年1月30日
IT業界でのニュース

初めに

2024年1月にIT業界における注目すべきニュースが報じられました。

被災地支援に「ロボット犬」、メタバースにおいてはNTTドコモがNPCを自動生成する新技術、Microsoftの「Reading Coach」、またMetaのCEOがAGI開発を宣言というニュースを紹介します。

陸自、被災地支援にロボット犬投入 避難所誘導で活躍

陸上自衛隊は1月17日、令和6年の能登半島地震の被災地に「ロボット犬」を導入したと発表しました。このロボット犬は、被災者を2次避難所まで移送する際の誘導支援に活用され、輪島市の孤立した集落から住民たちを支援しました。使用に先立ち、自衛隊はロボット犬の操作訓練や避難経路の偵察を行いました。

このロボット犬はGhost Roboticsが開発した「Vision 60」と呼ばれる4足歩行ロボットで、日本国内で代理販売するエス・ティ・ジャパン(東京都中央区)が自衛隊に提供しました。提供されたロボットには「やまと」と名付けられ、カメラやガス検知器などの分析器を搭載しています。

このような無人ロボットは「UGV」(Unmanned Ground Vehicle=陸上無人機)と呼ばれ、防衛省ではその研究開発に力を入れています。将来的には、舗装されていない場所での走行や障害物検知、新たな地図の作成など、特定の状況での運用に向けた技術の開発が進められる予定です。

犬ロボット

©Daily Defense Digital

ドコモ、3つの生成AIを連携しNPCを自動生成 メタバースに賑わいをもたらす新技術

NTTドコモは、1月16日に、テキスト入力だけでメタバース内のNPCを自動生成するAIを初めて開発したと発表しました。プログラミングの知識がなくても、20分ほどで外見や行動、役割を備えたNPCを作成できます。同社は、この技術を使ってメタバース内の活気を効率的かつ低コストで生み出すことを目指しています。

この生成AIは、「行動ロジック生成AI」、「アニメーション生成AI」、「外見生成AI」の3つの要素で構成されています。ビヘイビアツリーからアニメーションを生成し、外見と協力してNPCを作り出します。アニメーション生成の際には、プロンプト生成が行動ロジック生成を効率化し、外見生成AIはNPCの3Dモデルを自動生成し、アニメーション生成AIが生成したアニメーションに適した骨格データを自動的に組み込みます。

NTTドコモは、メタバース業界が急速に成長している一方で、ユーザ数が不足していると指摘し、NPCが賑わいを作り出し、群集心理を活用してユーザを引きつける有効な手段だと考えています。

Ntt

©NTT Docomo

Microsoft、AIと協力して物語を作り、朗読スキルを磨く「Reading Coach」をプレビューリリース

Microsoftは1月18日に、生成AIを活用した学習支援ツール「Reading Coach」を発表しました。現時点では英語のみ対応しており、Microsoft Storeでプレビュー版が無料で提供されています。

Reading Coachは、2022年からの取り組みの一環で、新機能として学習者の読者レベルや課題に合わせてAIがストーリーを生成する機能や、生成したストーリーを音読して流暢さやスピードを評価する機能が追加されました。物語の生成は「ガードレールを備えた生成AI」を使用し、自傷行為や不適切な表現を含まず、学習者の年齢に適したレベルの物語を生成します。

学習者は主人公や世界設定を選び、AIが提示するプロットを選びながら物語を作成することができます。Reading Coachは、「Teams for Education」のプラグイン「Reading Progress」を基にして構築されています。

Reading Coach

©Microsoft

MetaのザッカーバーグCEO、AGI開発宣言 「AIとメタバースは繋がっている」

Meta(旧Facebook)のCEO、マーク・ザッカーバーグは1月18日、Threadsへの投稿で同社の長期的なビジョンを共有しました。そのビジョンは、「general intelligence(一般的な知能)」の構築とそのオープンソース化で、これにより誰もが恩恵を受けられるようになることです。

ザッカーバーグ氏が指す「general intelligence」は、OpenAIやGoogleが指すAGI(汎用人工知能)であり、人間と同じような一般的な知能を持つAIを指します。彼は、この目標を達成するために、2024年末までにNVIDIAのHopper GPU「H100」を35万枚投入する計画を述べました。

このデータセンターでは、次期LLM「Llama 3」を「責任を持って安全にトレーニング」する予定です。また、ユーザーが日常的にAGIを使用するためには新しいデバイスが必要であり、「これにより、AIとメタバースが結びつく」と述べました。将来的には、多くの人がMetaが構築しているようなスマートグラスを使用してAIと日常的に会話することが一般的になるだろうとの見通しを示しました。

このビジョンに向けて、チーフAIサイエンティストのヤン・ルカン氏率いるFAIR(Fundamental AI Research)と生成AI部門の連携を強化することも発表されました。ルカン氏は、FAIRの目標は「人間レベルのAIアシスタント」を開発することであり、将来的にはデジタル世界との対話がすべて、スマートグラスなどを介したAIアシスタントによって仲介されるだろうと述べています。

Meta-Agi

Meta – AG

©Geeky Gadgets

終わりに

1月にIT業界の最新ニュースをお届けしました。これからも業界の展開に期待し、次月以降の情報もお楽しみにしてください!

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