【組込み開発とは】基礎知識・トレンド・外注する場合など徹底解説

組み込み開発工程であるプログラミング

特定の機能のため設計されたコンピューターのハードウェアとソフトウェアを組み合わせたシステムの開発である、組込み開発は現在、大規模なシステム内でも機能する可能性があるため、世界中から注目を集めています。

しかし、「組込み開発とは?」と聞かれてきちんと説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事では、組込み開発の基礎知識からトレンド、外注する場合などについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

【目次】

    1. 組込み開発とは
    2. 組込み開発の基本的な流れとは
    3. 組込み開発に適切な発注先を見定めるチェックポイントとは
    4. 組込み開発の動向とは
    5. まとめ

組込み開発とは

組み込み開発時のプログラミング

組込み開発とは、特定の機能ために設計されたコンピューターのハードウェアとソフトウェアの組み合わせのシステムを開発することを言います。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせたシステムのことを組込みシステムと呼ぶこともあり、英語では「embedded system(エンベッドシステム)」と表記されます。

組込み開発は、現在世界中から注目を集めている分野です。組込み開発によって生成される組込みシステムは大規模なシステム内でも機能する可能性があります。

また、組込みシステムはプログラム可能で固定機能を持つことができます。組込みシステムは、産業機械から身近にあるおもちゃ、家電などさまざまなものに導入可能です。

組込み開発に求められているトレンド

組込み開発と密接な関係にあるトレンドがIoTです。IoTとは「Internet of Things」の略でモノがインターネット接続されることを意味します。

このIoTは、従来インターネットに接続できなかったさまざまなモノをネットワークを通じてインターネットに接続する技術で、これからの社会に大きな影響を与えることが予測されます。

そんなIoTを上手く稼働させるために、組込み開発がとても重要になってきます。なぜかといいますと、IoTが組み込まれた機器などは、遠隔操作やAIを駆使して臨機応変に稼働することが求められるからです。

そのため、組込み開発によって開発された組込みシステムが必要不可欠になります。

組込み開発が必要とされる理由

組込み開発が必要とされる理由は、先ほど解説したIoTが大きくかかわってきます。IoTには、組込みシステムが必要不可欠です。

もし組込みシステムがなければ、遠隔操作やAIを駆使した臨機応変な稼働などに対応できません。

また、最近は家電を自動化し、進化させることでユーザーのニーズに応えることが多いです。家電の自動化には、組込みシステムが必要不可欠なのです。

組込み開発とPCの違い

組込みシステムが搭載されている機器とPCの違いは利用する目的です。

組込みシステムが搭載されている機器は特定の目的があるモノが多いですが、PCは汎用向けでしょう。目的は利用する人によって異なります。

そのため、組込みシステムが搭載されている機器は、基本的には機能が決まっています。例えば冷蔵庫や、洗濯機、工場にある大型機械などです。

一方、PCはソフトウェアのアップデートやアプリケーションをインストールすることでさまざまな機能を持つことができます。

また、組込みシステムが搭載されている機器とPCは似ている部分もあります。例えば電子レンジとPCを比較すると、どちらもボタンなどを押すことで動作します。

ボタンを押すとどちらも組み込まれたプログラムに従って機器が動作します。そのため、組込みシステムが搭載されている機器とPCは機器を動かすためのプログラムがあるという面では共通点があります。

組込み開発の基本的な流れとは

組み込み開発の流れ

組込みシステムを開発する際には基本的に以下の流れで行われます。

    1. 組み込み機器に必要な機能を抽出
    2. システムの設計
    3. 実装
    4. クロスデバッグ
    5. 環境試験

組み込み機器に必要な機能を抽出

まず、組み込み開発を行う機器に必要な機能を抽出します。ソフトウェアの開発は基本的にこの作業から始めます。

なぜなら、必要な機能の抽出はゴールを定めることだからです。ゴールなきプロジェクトには、スケジュールを立てられない、予算が決まらない、関係各所の調整ができない、などさまざまな弊害があります。

また、必要な機能の抽出をしっかり行わなかった場合には、不要な機能やシステムを搭載してしまうリスクがあり、余計にコストがかかってしまいます。また、ゴールが定まらなければ、頻繁にバグも発生してしまうでしょう。開発メンバーの目線を合わせるためにも、まずは必要な機能を抽出してゴールを定めるのです。

設計図を作らないで家を建てることをイメージしてみてください。設計図を作らないで家を建てた場合、上手くいけば家が建つ可能性はありますが、内装や土台などのつくりが甘くなり、最悪の事態が起きてしまいます。

そのため、組み込み機器に必要な機能の抽出は今後の作業に影響するとても重要な工程であり、慎重に行う必要があります。

システムの設計

組み込み機器に必要な機能を抽出すれば、次にシステムの設計を行います。先ほどの工程で抽出した必要な機能をシステムで実装するための設計を慎重に行います。

アプリケーションの開発の場合は、ソフトウェアのみを設計することもありますが、組込み開発の場合はソフトウェアに加えてハードウェアの設計も行う必要があります。

システムの設計は今後の作業に大きく影響します。いわばプロジェクトの地図のような存在です。そのため、時間をかけ慎重に行いましょう。

実装

続いて設計したシステムの実装を行います。ハードウェアの実装では、回路図を利用して基盤を制作します。ソフトウェアの設計の実装では、アプリケーションの開発のようにプログラミングを行います。アプリケーション開発と異なる点は、ハードウェア、ソフトウェア両方の実装が必要なため、それぞれ同時に進めることです。

ハードウェアを制作し、そこに必要なプログラムを組みます。後述しますが、プログラムを組んで都度、動作テストを行い、修正し、ハードウェアを変更するなど、プログラミングだけの工程と比較すると煩雑です。

クロスデバッグ

ハードウェアとソフトウェアの実装が完了したら、デバッグ作業を行います。アプリケーションの開発では、基本的に一台のPCを利用してデバッグ作業を行います。

しかし、組込み開発の場合はソフトウェアに加えてハードウェアもあります。そのため、ソフトウェア制作用のハードウェアとハードウェア用のハードウェアがそれぞれ異なります。このような開発環境をクロス開発環境といいます。

クロス開発環境では、デバッグ作業がソフトウェアとハードウェア、それぞれで行う必要があります。このようにクロス開発環境で行われるデバッグ作業をクロスデバッグといいます。クロスデバッグは、基本的に通常のデバッグ作業よりも時間がかかります。

環境試験

クロスデバッグが完了したら、最後に環境試験を行います。

クロスデバッグでは開発環境で機器を動作させているため、実際に利用する環境とは異なります。そのため、実際に機器が利用されると想定される環境で最終試験を行います。

この工程でトラブルが起こった際には修正し、再び試験を行います。ここまでの作業を繰り返し行い、環境試験で問題がないものを商品として販売します。

組込み開発に適切な発注先を見定めるチェックポイントとは

発注先である開発会社

組込み開発に適切な発注先を見定めるためにはいくつかのポイントがあります。見定めるポイントは以下の5つの項目です。

  1. 考える開発に近い実績がある会社かどうか
  2. 発注先からの提案があるか
  3. 自社に対する理解を示しているか
  4. 予算感が合うかどうか
  5. 開発後のサポート内容や体制について確認

考える開発に近い実績がある会社かどうか

1つ目のチェックポイントは、考える開発に近い実績がある会社かどうかです。品質の高い開発を行っている会社でも、自社が求める組み込みシステムを作れるとは限りません。

なぜなら、会社によって得意不得意があり、自社が考える開発が不得意のものだと良い開発が行えないからです。

そのため、自社が考える開発に近い実績がある会社かどうか確認してから組込み開発の発注を行いましょう。

発注先からの提案があるか

2つ目のチェックポイントは、発注先からの提案があるかです。

発注先からの提案が少ない場合は、その会社に発注することに注意が必要です。なぜなら、相手から提案が少ない場合、自社と発注先でイメージの相違が生じる可能性が高くなってしまうからです。完成形のイメージが双方でズレていると、当然、納品されたときのシステムが自社が求めるシステムと異なってしまいます。

そのため、組込み開発の際には発注先としっかりと話し合い、イメージのすり合わせを行うようにしましょう。

自社に対する理解を示しているか

3つ目のチェックポイントは、自社に対する理解を示しているかです。

開発会社は、組込み開発の発注を行う際にまず提案を行います。その際に自社に対する理解を示していないような態度を取っている会社に発注することは注意が必要です。

なぜなら、自社が開発したいものや企業概念などに理解がない会社に開発を依頼すると、作りたかったものと異なったものが完成してしまうからです。

そのため、自社の対する理解を示しているのかを話し合いの際、確認することが良いものを開発するためにはとても重要になります。

予算感が合うかどうか

4つ目のチェックポイントは、予算感が合うかどうかです。予算感が合わない会社に発注すると開発費用を多く取られてしまいます。そのため、発注の契約をする際には、予算についてしっかりと話し、納得のいったうえで開発を進めるようにしましょう。

開発後のサポート内容や体制について確認

5つ目のチェックポイントは、開発後のサポート内容や体制について確認することです。

組込み開発に限らず、システムなどを自社以外に外注する際には、サポート内容や体制をしっかり確認しなければなりません。

なぜなら、システムの開発後にトラブルが起きた際にサポートしてもらえなければ、システムを引き続き利用できなくなってしまうからです。そのため、開発後のサポート内容や体制を確認したうえで、組込み開発の発注を行うことが必要です。

組込み開発の動向とは

組込み開発の動向

現在、IoTが5Gの普及とともに私たちの生活に広がっていくことが予想されています。IoTの普及により組込み開発の需要は高まっていく一方です。

また、組込み開発はAIやクラウド、ビッグデータといった最新の技術とのかかわりも増えていくでしょう。

Pythonでの組み込み開発

IoTはAIと関わりが深い分野です。このAIや機械学習は、Pythonというプログラミング言語で開発されることが多く、組込みシステムを開発するときもPythonが使われることがあります。そのため、これからIoTが普及するに合わせてPythonによる組込み開発が増えていく可能性が高いのです。

IoT分野での需要の増加

IoT「モノのインターネット」の需要が高まることで、同時に組込み開発の需要も高まります。現在は、多くの家電がIoT化されています。冷蔵庫や洗濯機、掃除機、シーリングライト、テレビなど。また、ドローンや自動車の自動運転が普及することで、IoTの需要はさらに高まっていくでしょう。

組込み開発エンジニアが不足している

組込み開発の需要が高まる一方で、組込み開発を行えるエンジニアが現在不足しています。なぜなら、組込み開発は今後間違いなく需要が増えると予想されていて、また専門性がとても高い分野であるからです。そのため、専門性の高い組込み開発エンジニアが現れにくくなっています。また、組込み開発以外の分野でも現在エンジニアが不足していることが問題になっています。

プラットフォームを元に開発

多様な機能が求められるIoTなどから、LinuxやAndroid、Windows EmbeddedなどPCのOSと同様のスペックのプラットフォームを採用するケースが増えています。

まとめ

本記事では、組込み開発の基礎知識からトレンド、外注する場合などについて詳しく解説しました。組込み開発はこれから普及が予想されるIoTやAI、機械学習などとかかわりが深い分野であることから需要が高まっていく一方です。しかし、組込み開発を行えるエンジニアが少ないことが問題になっています。

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