前回の記事で紹介したUnit Test作成アプリケーションに加え、HBLABで2023年4月に開催される社内コンテストでは、コンテンツを自動制作及び質問に自動回答するツールの「HBBOT」も注目の製品のひとつです。 本記事では、本製品の機能と、業務の効率化、コスト削減などのそのメリットをご紹介します。
本アプリの開発を選択した背景
コンテストチームは、弊社のビジネスにおいて以下の2つの主要な課題を認識したため、この課題の解決に役立つツールを選択しました。
① 現代のビジネスにおいて、PR・ブログ記事、メールマガジン等の魅力的で様々なコンテンツの作成がブランディングと顧客エンゲージメントの重要な要素となっています。しかしながら、このプロセスにはマーケティングチームの多大な労力と時間が必要となります。また、コンテンツの制作、英語・日本語への翻訳、編集、継続的な改善といったワークフローは、作業プロセスの中で多くの手間と時間がかかります。
② インターナルコミュニケーション部は、社内の活動やイベントの企画と開催をよく担当しています。それらのイベントに関する情報が全て掲載されましたが、社員からの質問がよく寄せられます。インターナルコミュニケーション チームのメンバーが同じ質問に答えるには多くの時間がかかるため、質問に自動的に回答するチャットボットを設計しました。
そこで、コンテスト参加チームは、AI・チャットGPTを使用したマーケティング コンテンツ作成ツールと質問自動応答チャットボットという2つの革新的なソリューションを導入することにしました。
2つのツールのワークフローや機能、導入メリットなどをそれぞれ紹介していきます。
マーケティング コンテンツ作成ツール
内容、スタイル、文章の種類、及び目的の要件に基づいてコンテンツを作成するツールです。
ツールの作業フロー:
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フローの概要:
コンテンツのテーマの入力→ ジャンル・種類を選択(メール、記事など)→ 完成されたコンテンツ文章を取得する。
この製品を作成するためにアプリケーションにチャットGPTを組み込む 3 つの方法を試しましたが、最初は次の方法で成功しました。
▶ コンテンツの種類ごとに、text-davinciをガイドするために例を入力します。
▶ トークンを保存するには英語を使用します。
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フローの詳細:
データのトレーニングのためにFinetune davinci-003に約1000件の文章をインプットします。 トレーニングデータは次のとおりです。
▶ インプット:プロンプトには、記事の種類、固定情報 (日付、時刻、固有名など)、文章の目的、微妙なスタイル、概要が含まれます。
▶ アウトプット:手動で制作したサンプルの文章
→ 結果:チャットGPTは、入力情報に基づいて文章を作成し、新しいコンテンツに適応できます。ただし、背景に合わせて確認及び修正する必要がある場合があります。
導入メリット:
① 時間の節約:ツールは様々な種類の一般的なコンテンツのテンプレートを生成できます。これを調整してカスタマイズするだけで、ゼロから作成するよりも遥かに時間を節約できます。コンテンツの作成、翻訳、チェック、改善のプロセスが劇的に短縮され、マーケティング担当は戦略的なタスクに集中できます。
② 効率の最適化:AIの統合により、作業プロセスが最適化され、コンテンツの一貫性と高品質が確保されます。
製品からの実際の適用:
お客様へのメール、ブログ記事、広告等の作成、企業情報に合わせて幅広い分野で様々な種類のコンテンツに適用され、同時にそれぞれの種類に適したスタイルで製作可能。
質問自動応答チャットボット
社員の質問をチャットボットが分析し、最も正確な回答を提供します。 これにより、コンテンツを作成し、常に正確かつ詳細な情報を得ることができます。
ツールの作業フロー:
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フローの概要:
[質問] → 質問に関連するドキュメントの検索 → [回答情報が含まれるいくつかのドキュメント] → チャットGPTのプロンプにより各ドキュメント内の回答の検索 → [いくつかの回答候補] -> 回答の集計 → [最終回答]
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フローの詳細:
▶ チャットボットドメインのドキュメントは、すべてHaystackというセマンティック検索専用のデータベースに保存されます。
▶ 質問に関連するドキュメントの検索:HaystackにあるBM25アルゴリズムを使用して、質問から最も重要なキーワードを検索し、各ドキュメントと比較し、キーワードを含む最も関連性の高いドキュメントを選択します。
▶ チャットGPTが各ドキュメントで答えを見つけられるように、プレフィックスと少数ショットのプロンプトを使用します。
※モデル:チャットGPTのdavinci-003
▶ 複数回答の選択肢を集計と比較し、最も適切な回答を選択するためのチャットGPT用のプロンプトを作成します。
例:回答選択肢間の重複を削除したり、 内容が矛盾している場合は、最新のドキュメントに対応する回答を取得したりします。
作業フロー図
導入メリット:
① 回答能力とスピードの向上:インターナルコミュニケーションチームはメンバーからの質問に迅速に回答することができ、信頼性と良好な相互作用を構築できます。
② 時間の節約:同じ質問に答える時間を短縮し、チームが他のタスクにもっと時間を費やすことができるようにします。
③ 完全な情報伝達:質問した人は知りたい情報を得ることができ、よくわからない場合はさらに詳しい情報を尋ねることができます。
製品からの実際の適用:
このチャットボットは、企業の業種や規模などにかかわらず社内で使用でき、十分な正解データを入力すれば正しい答えができます。さらに、エンドユーザー向けに自社の製品、サービス、今後のイベントについて問い合わせるために使用するチャットボットを開発可能。
まとめ
チャットGPTを活用したコンテンツの制作と情報検索チャットボットは、業務の効率と顧客とのインタラクションの向上に新たな可能性をもたらします。プロセスの最適化とAIの活用により、企業は時間を節約し、戦略的なタスクに注力し、迅速かつ効果的に高品質なコンテンツを生成することができます。
株式会社HBLABは、AI、AR/VRなどの新しいテクノロジーを使用したソフトウェア ソリューションのコンサルティングと開発に長年の経験があり、最近ではチャットGPTの研究とソフトウェア製品への適用にも成功しました。
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