小売業向け基幹システムとは|その種類や重要性、選び方について解説

2023年5月30日

小売業においては、POSレジ、在庫管理、商品管理、顧客管理などの機能を提供する基幹システムが必要不可欠です。しかし、小売業向けの基幹システムについて以下の疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

  • 小売業向けの基幹システムに、どういった機能が必要なのかがわからない
  • なぜ、基幹システムが小売業界に必要なのかを知りたい
  • 小売業向けの基幹システムを、どのような基準で選べばよいかがわからない

本記事では、小売業向け基幹システムの概要、機能や重要性、選び方について解説します。

小売業向け基幹システムとは

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小売業向け基幹システムとは、小売店舗で行われる業務を支援するためのITシステムのことです。小売業では、商品の発注、在庫管理、販売、顧客情報管理など多数の業務が発生しますが、これらを手作業で行うと時間や手間がかかり、ミスも起こりがちです。

そのため、ITシステムを活用することで、これらの業務を自動化・効率化し、販売店舗の経営を効果的にサポートすることができます。

たとえば、商品の在庫数や売上高などをリアルタイムで把握できたり、オンラインショップと実店舗の在庫管理を統合できたりするため、経営の透明性や販売戦略の改善が可能となります。

小売業における基幹システムの重要性

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小売業向けの基幹システムは、以下の観点で重要とされています。

  • 在庫管理の効率化
  • 顧客情報の分析
  • 自動化による業務プロセスの改善

在庫管理の効率化

小売業では、商品の売上を上げるために在庫の状況を把握し、的確な商品調達や販売計画を立てることが大切です。そのためには、在庫管理が欠かせません。在庫管理とは、商品の入荷や出荷、在庫数の確認などを行い、在庫情報を正確に管理することです。

基幹システムを活用することで、在庫管理の効率化が実現できます。具体的には、商品の発注や入荷、販売時の在庫数の自動更新などが可能になります。また、在庫数が一定数以下になった場合には、自動で発注するように設定することも可能です。これにより、在庫切れや過剰な在庫を防ぐことができ、コスト削減にもつながります。

さらに、基幹システムを活用することで、在庫管理にかかる手間や時間を減らすことができます。例えば、商品の棚卸しや在庫の入出庫管理は、基幹システムを使うことで自動化できます。そのため、従業員はより効率的に業務を行い、商品の販売や顧客対応に集中できます。

顧客情報の分析

小売業においては、商品を購入する顧客情報を収集することが重要です。この顧客情報は、購買履歴や性別・年齢などのデータを分析することで、顧客の好みや傾向を把握し、商品の開発やマーケティング戦略に役立てることができます。

例えば、ある小売店が女性向けの洋服を扱っている場合、顧客情報を分析することで、どの年代層の女性がよく購入するのか、どの色や柄が人気なのか、どの季節にどの種類の商品が売れるのかなどを知ることが可能です。この情報を基に、今後の商品開発や在庫管理、販促施策などを考えることができます。

また、顧客情報を分析することで、個々の顧客に合わせた販促施策を実施することも可能です。例えば、過去にある商品を購入したことがある顧客に対して、関連商品の情報を提供するなど、顧客の好みに合わせた情報提供ができます。これにより、顧客満足度の向上やリピート率の向上につながることが期待されます。

自動化による業務プロセスの改善

小売業においては、販売や在庫管理、顧客対応など多岐にわたる業務プロセスが発生します。これらの業務プロセスを従来の手作業で行うと、人的ミスや遅延、非効率などの問題が発生することがあります。そこで、基幹システムを導入することで業務プロセスの自動化を実現し、業務の効率化や精度向上を図ることが可能です。

例えば、POS(Point of Sales)レジシステムを導入することで、販売データの自動取得や在庫管理、顧客情報の蓄積・分析などが可能となります。また、自動的に売上データを収集・分析することで、商品の売れ行きの把握や需要予測ができるようになり、在庫の最適化や仕入先の選定などに役立てることが可能です。また、従来の手作業によるデータ入力作業が不要になるため、人的ミスの削減や作業時間の削減にもつながります。

さらに、基幹システムを導入することで、従業員が行う業務に関するマニュアルや作業手順をシステム上に組み込むことが可能です。これにより、従業員が業務を行う際に必要な手順や情報を瞬時に確認することができ、業務プロセスのスムーズ化に繋がります。また、業務プロセスの可視化により、業務の進捗管理や改善点の把握が容易になるため、業務プロセスの改善にもつながります。

小売業向け基幹システムの種類

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小売業向け基幹システムには、以下の種類があります。

  • POSレジシステム
  • SCMシステム
  • マーケティングシステム
  • ERPシステム
  • CRMシステム
  • サポート体制や保守サービスの充実度

POSレジシステム

POS(Point of Sales)レジシステムは、販売時に商品のバーコードを読み込むことで自動的に金額を計算し、お金のやり取りを行うシステムのことを指します。つまり、お店でお金を払う際に使われるレジスターのことを、電子化したものだと思ってもらえるとわかりやすいかもしれません。

POSレジシステムの利点は、まず、スピードと正確性です。バーコードを読み込むだけで、商品の種類や価格が自動的に登録され、手入力によるヒューマンエラーがなくなるため、迅速かつ正確に会計処理を行うことができます。また、在庫管理や顧客情報の収集など、さまざまな機能を持つPOSレジシステムを使用することで、店舗運営の効率化やマーケティング戦略の策定などにも役立つことがあります。

POSレジシステムは、在庫数が少なくなったときに自動的に発注する機能もあります。また、電子レシートを発行することもでき、顧客のポイントカード情報を管理することができます。これらの機能により、POSレジシステムは、店舗経営を支援する役割を担っています。

SCMシステム

SCM(Supply Chain Management)システムは、製品作りに必要な物流や調達、在庫管理などを統括的に管理するシステムです。企業の業務プロセスを改善し、品質やサービス水準を向上させることができます。

具体的には、製造計画や物流計画を策定し、在庫数や出荷状況をリアルタイムに把握することが可能です。簡単に言えば、SCMシステムは、製品作りに必要な流れを管理するシステムです。

マーケティングシステム

マーケティングシステムとは、商品やサービスを提供する企業が、顧客のニーズや要望に合わせたマーケティング戦略を策定・実行するためのシステムです。顧客のニーズや要望を調査し、それに基づいて、商品やサービスの企画、価格設定、販売促進、販売チャネルの選定などのマーケティング戦略を策定します。 顧客とのコミュニケーションや関係構築も重視し、適切な販売店やウェブサイトなどのチャネルを運用することで、顧客との関係を深めることが可能です。マーケティングシステムにより、顧客ニーズを把握して提供することで、企業の収益向上や顧客満足度の向上につながります。

ERPシステム

ERP(Enterprise Resource Planning)システムは、企業が業務を行う上で必要な情報を一元管理し、効率的な業務運営を支援するためのシステムです。受注管理、製造管理、在庫管理、調達管理、人事・給与管理などの業務プロセスを一元的に管理し、生産性を向上させます。また、データ分析機能も備わっているため、戦略的な意思決定を支援することができます。

CRMシステム

CRM(Customer Relationship Management)システムとは、顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させるためのシステムです。顧客データの管理、マーケティング活動を一元化し、顧客との関係構築を強化することができます。

たとえば、顧客の問い合わせやクレームに対応する際には、顧客の履歴や情報を一元的に管理することができるため、コミュニケーションを円滑に進めることが可能です。

また、顧客の好みや購買履歴を分析することで、魅力的なプロモーションや商品を提供することが可能です。これにより、顧客満足度の向上やロイヤルティの獲得につながります。

小売業向け基幹システムの選び方とは

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ここでは、小売業向け基幹システムを選ぶ際の判断基準をピックアップします。

  • 自社の業務に合った機能があるか
  • 導入コストとランニングコストが合理的か
  • システムの使いやすさ
  • 導入実績や評価などの情報収集
  • カスタマイズや拡張性の有無

自社の業務に合った機能があるか

小売業向け基幹システムを選ぶ際に、自社の業務に合った機能があるかを確認することが重要です。

まず、小売業は多岐にわたる業務プロセスを有しており、基幹システムはそれらを効率的に管理するための重要なツールです。もし、自社の業務に合わない基幹システムを導入してしまうと、業務の効率化や生産性の向上が見込めず、かえってコスト増や業務遅延の原因となります。

また、基幹システムは長期的に使用されることが多いため、業務プロセスに合わない機能を持つシステムを導入してしまうと、後々の改修やカスタマイズが必要になります。それに伴い、コストや時間がかかるため、導入前に慎重な検討が必要です。

導入コストとランニングコストが合理的か

導入コストとランニングコストが合理的な内容なのかについても、小売り向け基幹システムを選ぶ際に重要な判断ポイントです。

基幹システムは多額の投資が必要となることがあります。そのため、導入コストが高くなる場合があります。しかし、高価なシステムであっても、業務プロセスやシステムの効率化が図れる場合は、導入コストは回収できる可能性があります。しかし、合理的な導入コストであっても、業務プロセスやシステムの効率化が見込めない場合は、コスト負担が無駄になることがあります。

また、基幹システムは長期間にわたり使用されることが多いため、ランニングコストも重要な要素となります。具体的には、保守・運用費用やシステムのアップデート、カスタマイズなどがあります。これらのコストが高額になってしまうと、企業にとっては負担になるため、コストを抑えながらシステムを効率的に運用することが必要となります。

システムの使いやすさ

小売業でのシステムの使いやすさは重要です。使いやすいシステムは、業務の効率を上げ、従業員のトレーニングや教育コストを削減でき、ヒューマンエラーによるミスを減らし、従業員のモチベーションを高めます。従業員の負担を減らし、生産性や品質向上につながるシステムを選ぶことが重要です。

導入実績や評価などの情報収集

小売業向けの基幹システムを選ぶ際に、導入実績や評価などの情報収集が重要な理由は、以下の通りです。

まず、他社の導入実績や評価を調べることで、そのシステムが実際に運用されている状況や、問題点、改善点などを知ることができます。これにより、自社にとって最適なシステムを選ぶための判断材料となるため、コストや効率などを考慮した選択ができます。

カスタマイズや拡張性の有無

小売業向けの基幹システムは、ビジネスプロセスや業務の変化に対応できるように柔軟性が求められます。そのため、システムのカスタマイズや拡張性が必要となります。例えば、業務の流れが変わった場合や新たな商品ラインを追加したい場合など、システムが拡張性を持っていないと、変更や追加ができず、業務効率が低下する可能性があります。そのため、システムのカスタマイズや拡張性の有無を確認することが重要です。

サポート体制や保守サービスの充実度

小売業向けの基幹システムは、業務に欠かせないシステムであるため、システムに問題が生じた場合は迅速な対応が必要です。そのため、システムを提供する企業のサポート体制や保守サービスの充実度が重要です。もし問題が生じた場合に適切なサポートが得られない場合、システム停止時間が長引いたり、システムの復旧が困難になる可能性があります。そのため、システムを提供する企業のサポート体制や保守サービスの充実度を事前に確認することが重要です。また、定期的なシステムメンテナンスやアップグレードなども、適切な保守サービスが提供されることで、システムの安定稼働に繋がります。

まとめ

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この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

  • 小売業向け基幹システムは、業務プロセスの効率化や生産性向上、ヒューマンエラーの削減に役立つ。
  • 種類としては、POSレジシステム、SCMシステム、マーケティングシステム、ERPシステム、CRMシステムがある。
  • 選ぶ際には、自社の業務に合った機能があるか、導入コストとランニングコストが合理的か、システムの使いやすさ、導入実績や評価などの情報収集、カスタマイズや拡張性の有無、サポート体制や保守サービスの充実度などを考慮する必要がある。

小売業界向けの基幹システムやアプリケーションの設計、開発、運用には、幅広い知識と経験を持ったエンジニアが必要です。そのため、専門企業に外注することをおすすめします。企業選びに迷われた場合は、株式会社エイチビーラボにご相談ください。

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