AWS構築する際の注意点を解説!

2024年5月16日

はじめに

AWS(Amazon Web Service)とは、Amazonが事業者向けにサーバーやセキュリティ対策などを提供するクラウドコンピューティングサービスです。

AWSはサービスの数が200以上で、その中でサーバー構築やハードウェアなどのサービスをクラウド上で運用することができます。

しかし、自社にAWSを構築する上でコスト面やどんな機能を導入するかで料金体系も異なっていきます。

サービスの利用には従量課金制で料金が加算されるため、利用目的をあらかじめ把握することが大切です。

本記事では、AWSの特徴と構築する際の代表的なサービス、注意点などについてそれぞれご紹介していきます。

AWSとは?

AWS(Amazon Web Service)とは、Amazonが提供しているクラウド型サービスを指します。

AWSは、Amzonがネットショッピング事業の拡大に伴い、大量の商品の在庫管理やデータ分析を行うために構築したのが始まりです。

システム環境はストレージやデータベース、開発者のツールといった幅広い製品を利用できるのが特徴です。

ハードウェアの管理やサーバー管理に必要な作業の一部をAWSでできるので担当者の負担を削減することができます。

AWSの特徴

AWSは従来のサーバーシステムと異なり、サーバーの構築スピードが速いのが特徴です。

従来ではオンプレスの物理サーバーやハードウェアの設置工事を行うことで、少なくとも数週間の期間が必要でした。

一方、AWSは、クラウド型でサーバーを構築するため、わずかな手順ですぐに構築することができます。

ここからは、AWSの特徴について詳しくご紹介していきます。

低コストで構築することができる

AWSはシステムを構築する上で必要だった初期費用が発生することなくサーバーを立ち上げることが可能です。

※関連記事:AWSインフラ構成:最適なクラウド環境を構

これまでサーバー構築をする上で、サーバールームやアプリケーションのインストールなどの初期設定が必要でした。

そのうえ、物理サーバーはスペックによっては初期費用や保守費用が大幅にかかってしまいます。

一方、AWSでは初期コストがかからず、従量課金制で使用することが可能です。

そのため、システムを運用する上で、必要なサービスを必要な機関だけ利用することができるのでシステムに対するメンテナンス費用がかからないのがポイントです。

セキュリティ対策が充実している

AWSはセキュリティレベルが高く、障害時や災害に対して備えられています。

AWSには、外部からの脅威を検知する侵入検知システムが実装されているのが特徴です。

侵入検知システムは、AWS上での挙動や不審なアカウントなどをモニタリングすることで、脅威を特定することができます。

AWSで検出した脅威に自動的に対応することができるため、運用担当者の負担を削減できるのがポイントです。

サービスの拡張性が高い

AWSはサービスの拡張性が高く、目的に応じて自由にサービスを活用することができます。

※関連記事:AWSでサーバーを構築するには?自社で実施・外注をそれぞれ解説

例えば、災害時に備えてバックアップサーバーが欲しい場合、AWS一つでバックアップを、自動的に設定することができます。

AWSでは必要なときに数クリックでデータ分析やリソースの拡張・サーバーの台数の増減を行うことが可能です。

これまではハードウェアやスペックに応じたサーバーを新しく導入する必要がありましたが、AWSでは一つに切り替えることができます。

そのため、オンプレミスのようにソフトウェアを購入する必要がないので大幅にコストを減らせるのがポイントです。

AWSを利用するための料金体系

AWSは従量課金制として、サーバーやストレージ・データベースなどを必要なときに料金が発生します。

※関連記事:AWS構築にかかる費用は?外注するメリットや費用を抑える方法も解説 – HBLAB JSC

これまではサーバーやストレージを新しく導入する必要がありましたが、AWSではクラウド上に一つで利用することが可能です。

一方で、AWSを利用する上で利用料金がどのくらいなのか把握しづらいと悩む方が多いはずです。

ここからは、AWSを利用するための料金内訳について詳しく解説します。

サーバーの料金

AWSで仮想サーバーを構築する際は、Amazon EC2を利用することが一般的です。

仮想サーバーを構築する場合、仮想サーバーの数に応じて料金が発生する仕組みです。

サーバーはリソースの起動から停止するまでの実稼動時間に応じて、1時間約2円で利用できます。

例えばAmazon EC2の場合、CPUやメモリ、ストレージなどの組み合わせによってインスタンスタイプごとに料金が異なります。

・社内業務アプリ環境構築:月額2034.70ドル (約31万円)

・仮想デスクトップ環境:月額321ドル (約5万円)

インスタンスタイプは、世代が大きいほど新しく、稼働時間あたりの値段も比例して増加することが特徴です。

休日や夜間などサービスを停止したいときに、数クリックで停止することができるため、柔軟に対応することができます。

ストレージ

AWSのストレージは、クラウド上でファイル保管や共有できるサービスです。

AWSが提供されているストレージサービスは、Amazon S3が代表的です。

Amazon S3は容量が無制限で、動画や写真など構造化されていないデータを保存することができます。

クラウド上でOS・CPU・メモリなどをクリックして選択することで、サーバーを手軽に構築できるのが特徴です。

Amazon S3の標準的なストレージタイプでは以下のような料金で利用できます。

50TB/月:0.023USD/GB

450TB/月: 0.022USD/GB

500TB/月以上:0.021USD/GB

ストレージでは、GETリクエストの料金は安く、DELETEは無料で利用することができます。

しかし、AWSの容量は無制限な半面、料金は利用した分だけ費用が発生するので注意が必要です。

データ転送の料金

AWSからインターネットに接続する際にデータ転送量に応じて料金がかかります。

データ転送の料金は、転送したデータ量が多いほど、割引される仕組みです。

例えば、Amazon S3からインターネットへデータを転送する場合は、100GBまでの容量であれば、無料で利用することができます。

AWSのデータ転送は、データの転送量によって料金が変動するのでしっかりチェックするようにしましょう。

AWSの代表的なサービス

AWSでは仮想サーバーの構築やオンラインストレージを格納するために代表的なサービスがあります。

※関連記事:AWS構築にかかる費用は?外注するメリットや費用を抑える方法も解説

AWSのサービスを利用することで、これまでの業務効率が向上ができるのがポイントです。

ここからは、AWSの代表的なサービスについて詳しくご紹介していきます。

Amazon EC2

Aws 構築2

Amazon EC2とは、サーバー環境の構築を必要に応じてスペックを変更できるサービスです。

サーバ―構築では、インスタンスでAWSマネジメントコンソールまたはAPIを使用して、プログラム経由で作成することができます。

Amazon EC2はシンプルな設計をされていて、ハードディスクやメモリなどのスペックを変更ができるのが特徴です。

例えば、自社のサービスで忙しい時間帯にメモリを増やしたいときにEC2であれば、実現することができます。

Amazon EC2はサーバーの運用コストを抑えつつ、ITリソースを大幅に削減することができます。

 

Amazon S3

Aws 構築3

 

Amazon S3とは、データをオブジェクト単位で保存するオブジェクトストレージサービスです。

オブジェクトストレージは、容量が無制限でオブジェクトの耐久性が高く利用することができます。

Amazon S3は自然災害などでシステム障害が起こってしまったときに各地のデータセンターに分散して保存できるのが特徴です。

これまで物理サーバーを遠隔地に環境を用意する必要がなくなり、保管する場所を自由に変更することができます。

その他にもデータの公開範囲や高い可用性を実現されているのが大きなメリットです。

Amazon RDS

Aws 構築4

Amazon RDSとは、AWS上でデータベースサーバーを構築するリレーショナルデータベースです。

データベース構築は、オンプレミスで一からサーバー構築にかかっていた作業を全てAWS側が提供してくれます。

そのため、自社でサービスを運用したいときに、データベースサーバーの設定や冗長化を容易に構築することができます。

また、Amzon RDSには7日間の自動バックアップ機能が備わっており、バックアップ開始時間を自由に設定することが可能です。

災害や誤操作でデータベースに不具合が生じたとき、バックアップ機能によって、5分前のデータに戻すことができます。

初期費用が無料から始めることができ、コストを抑えながら保守管理したい方におすすめです。

AWSを構築する際の注意点

AWSは物理的なハードウェアの購入から配線・インストールなどの煩雑な作業が不要で、必要に応じてスペックを変更することが容易です。

しかし、AWSには、サービスの選択やコストの管理が難しいという注意点があります。

AWSのサービスは多種多様で柔軟性に優れていますが、自社にとって最適なサービスを把握することが必要です。

ここからは、AWSを構築する際のこれらの注意点を解説します。

自社の目的に合ったサービスを見極める

AWSは200以上のサービスが提供されており、自社の目的に合ったサービスを見極めることが大切です。

導入目的が曖昧なままAWSを構築してしまうと、自社に導入したけど必要でなくなったり、機能が不足しているサービスを選んでしまい失敗するというリスクがあります。

自社にAWSを導入する際は、自社に何が不足しているかを明確にし、どのサービスを利用すべきか取り決めることが大切です。

コスト管理が難しい

AWSは数多くのサービスが提供されている分、利用時間に応じて料金が加算される仕組みがあります。

自社にAWSで構築するには、予算の範囲内で利用時間を適切に管理することが必要です。

※関連記事:AWSでサーバーを構築するには?自社で実施・外注をそれぞれ解説 – HBLAB JSC

AWSのサーバー構築には、使用料・データの転送量やリソースの種類などの要素が請求額に影響します。

サーバー運用でサービスが不要になった場合、停止や削除を行わないと料金が加算され続けられてしまいます。

AWSを利用する際、各ユーザーが利用した時間をまとめて管理し、金額を把握することが大切です。

専門知識が求められる

AWSは、クラウド上でサーバーやハードウェアを運用しやすい半面、スムーズに扱うにはサーバー周りの専門知識が求められる場合があります。

AWSでは数クリックで様々なサービスを組み合わせて利用することができますが、サービスを使いこなすにはそれなりの知識が必要です。

自社にAWSの導入を検討している方は、必要なサービスの機能や環境構築を理解するための学習時間を要します。

AWSは自社で物理的なサーバーを導入するより初期費用を抑えられるので、コストを抑えながら運用したい方はおすすめです。

まとめ

本記事では、AWSの特徴と構築する際の注意点などについてご紹介しました。

AWSは初期費用が無料で、オンプレミスより導入コストを抑えて利用することができます。

AWSは仮想サーバーで構築するため、CPUやメモリなどのリソースを柔軟に対応できるので新しくハードウェアを購入する必要がないのが大きなメリットです。

一方、自社にAWSを導入するにあたって、目的をしっかり明確することが重要です。

導入目的が曖昧なままAWSを構築してしまうと、自社に必要のないサービスを選んでしまうなどの失敗につながってしまいます。

AWSを最大限に使用するためには、機能面だけでなく、費用対効果もしっかり検証することが大切です。

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