StrutsからSpring Bootへの移行(Struts→Spring Boot移行)は、サポート終了と脆弱性リスクを抱えたJava資産を守るための現実的な選択肢です。とはいえ、「すぐに作り直すべきか」「Struts 7へ上げれば済むのか」と迷う情報システム部門の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Strutsの現状と放置リスク、4つの選択肢の比較、移行前の棚卸し、AIを活用した5つのステップ、費用・期間の考え方までを順に解説します。
この記事の要約
- Struts 1は2013年、Struts 2.3系は2019年にサポートが終了し、2.5系も2023年10月にEOLが発表されました。古い系列は脆弱性が見つかっても修正されません。
- 対策は「延命」「Struts 7化」「Spring Boot移行」「再構築」の4つです。今後10年使い続ける業務システムなら、Spring Boot移行が最もバランスのよい選択肢になります。
- 移行の壁はStrutsだけではありません。Java 17以上への更新、javaxからjakartaへの名前空間変更、アプリケーションサーバーの見直しも同時に発生します。
- HBLABは無償のAI診断で移行難易度と概算工数を可視化し、AI変換と現新比較テストで「同じ結果になること」を確かめながら移行を進めます。
Struts→Spring Boot移行とは、Apache Strutsで構築されたJava Webアプリケーションを、Spring Bootを基盤とする構成へ置き換える取り組みです。Action・ActionForm・struts-config.xmlで構成された処理を、Spring MVCのコントローラーとアノテーション設定へ書き換えます。あわせて、Javaのバージョンやアプリケーションサーバーも最新の環境へ移します。目的はセキュリティリスクの解消だけではありません。保守できる人材を確保しやすくし、クラウドやAPI連携に対応できる基盤へ切り替えることにあります。

Struts→Spring Boot移行が急務とされる理由
Strutsは2000年代に国内の業務システムで広く採用され、今も多くの基幹システムや社内Webシステムで稼働しています。しかし、フレームワークの多くの系列はすでにサポートが終了しています。まずは、サポート状況から確認していきましょう。
Struts 1・Struts 2のサポート終了状況【一覧表】
Apache Strutsプロジェクトは、公式のEOLバージョン一覧で各系列のサポート終了日を公開しています。EOLを迎えた系列は、プロジェクトからの支援を一切受けられません。
| 系列 | サポート状況 | 補足 |
|---|---|---|
| Struts 1.x | 2013年4月5日にEOL | 最終リリースは2008年12月の1.3.10 |
| Struts 2.3.x | 2019年9月12日にEOL | 現在も国内で稼働例が多い系列 |
| Struts 2.5.x | 2023年10月30日にEOLを発表 | 発表から6か月でセキュリティ修正も終了 |
| Struts 6.x | サポート中 | 2.5系からの移行先として案内されている |
| Struts 7.x | サポート中 | Jakarta EEに対応した最新系列 |
つまり、Struts 1・2.3・2.5で動いているシステムは、新たな脆弱性が見つかっても公式の修正が提供されない状態です。

放置で高まる3つのリスク:脆弱性・人材・インフラ
サポートが終了した状態を放置すると、リスクは時間とともに大きくなります。代表的なリスクは次の3つです。
1. 脆弱性リスク
Strutsは過去に何度も、遠隔からコードを実行される深刻な脆弱性が見つかっています。2017年のS2-045(CVE-2017-5638)では、JPCERT/CCが注意喚起を出しました。この脆弱性は、米国の大手信用情報会社で大規模な個人情報流出にもつながっています。
近年も状況は変わりません。2024年12月に公表されたS2-067(CVE-2024-53677)は、最大深刻度「Critical」のリモートコード実行の脆弱性です。影響範囲は2.0.0〜2.3.37、2.5.0〜2.5.33、6.0.0〜6.3.0.2で、EOL系列には修正版がありません。
それでも、古い系列は今も使われ続けています。Sonatypeの調査(2026年1月)によると、Strutsのダウンロード約38.7万件/週のうち、約98%がEOLを迎えたStruts 2.x系でした。
2. 人材リスク
Strutsで新規開発する現場はほとんどなくなり、Strutsに詳しいエンジニアは年々減っています。保守担当者の退職や異動をきっかけに、システムが「誰も触れない」状態に陥る例も少なくありません。こうした状態の詳細は、システムのブラックボックス化の原因と解き方で解説しています。
3. インフラリスク
Strutsだけでなく、その下で動くJava 6/8やアプリケーションサーバー、OSもサポート期限を迎えます。どれか一つを更新しようとすると、他の要素との互換性が崩れて身動きが取れなくなるケースも珍しくありません。
「2025年の崖」の先で膨らむ延命コスト
経済産業省のDXレポートは、レガシーシステムを放置した場合、2025年以降に最大で年12兆円の経済損失が生じる可能性を「2025年の崖」として指摘しました。2026年の今、この指摘は将来の話ではなくなっています。
Strutsシステムの延命は、WAFの追加や個別パッチなど、その場しのぎの対策を積み重ねることになりがちです。対策費は毎年かかる一方で、システム自体の価値は上がりません。刷新を先延ばしにするコストについては、レガシーシステムを刷新すべきタイミングもあわせてご覧ください。
延命か移行か?4つの選択肢を比較する判断マトリクス
Strutsへの対策は「すぐにSpring Bootへ移行する」だけが答えではありません。システムの寿命や予算によって、最適な選択肢は変わります。ここでは、代表的な4つの選択肢を比較します。
パッチ・WAFでの延命/Struts 7へのバージョンアップ/Spring Boot移行/再構築の比較
| 観点 | ①延命(パッチ・WAF) | ②Struts 7へバージョンアップ | ③Spring Boot移行 | ④再構築(リプレイス) |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 小 | 中 | 中〜大 | 大 |
| 期間 | 短い | 中 | 中 | 長い |
| 残るセキュリティリスク | 大(根本解決しない) | 小 | 小 | 小 |
| 5〜10年後の持続性 | 低 | 中(Struts自体の将来性に依存) | 高 | 高 |
| 人材の確保しやすさ | 低 | 低〜中 | 高 | 高 |
| 業務への影響 | 小 | 中 | 中(画面・機能は維持) | 大(業務の見直しを伴う) |
①の延命は、数年以内に廃止や統合が決まっているシステムなら合理的です。②のStruts 7化は、Struts 2系の構造を活かせるため変更量を抑えられます。ただし、Strutsを扱える人材が減っているという問題は残ります。
④の再構築は、業務そのものを見直したい場合に有効ですが、要件定義から始めるため費用と期間が膨らみます。画面や業務ロジックを維持したまま、技術基盤だけを入れ替えられるのが③のSpring Boot移行です。

Spring Bootが現実的な最適解になる条件
次の条件に多く当てはまるほど、Spring Boot移行の効果は大きくなります。
- 今後5年以上、そのシステムを使い続ける予定がある
- 業務ロジックそのものは今も正しく、大きく変える必要がない
- 社内または委託先で、Javaの保守体制を維持したい
- 将来的に、クラウド移行や他システムとのAPI連携を考えている
- 監査や取引先から、サポート切れのソフトウェアの利用を指摘されている
Spring Bootは国内外で採用例が多く、Javaエンジニアの多くが扱えるフレームワークです。「人が採れる技術」へ移ること自体が、長期的な保守コストの削減につながります。
急いで移行しなくてもよいケース
一方で、すべてのStrutsシステムを今すぐ移行する必要はありません。たとえば、次のようなケースです。
- 社内ネットワークに閉じており、外部からアクセスされない
- 2〜3年以内に、パッケージ製品への置き換えや廃止が決まっている
- 利用者が少なく、業務への影響が限定的である
ただし、このような場合でも影響範囲の調査と、移行時期の計画だけは先に済ませておくことをおすすめします。どのシステムから手をつけるべきかは、モダナイゼーションの優先順位と範囲の決め方が参考になります。
StrutsとSpring Bootの違い|コンポーネント対応表
移行の方向性が決まったら、次は技術的な違いを押さえます。StrutsとSpring Bootは同じMVCフレームワークですが、設計の考え方が大きく異なります。
Action・ActionForm・struts-config.xmlはどう置き換わるか
主なコンポーネントは、次のように対応します。
| Struts | Spring Boot(Spring MVC) | 移行時のポイント |
|---|---|---|
| Actionクラス | @Controllerクラス |
業務ロジックはServiceクラスへ切り出す |
| ActionForm | フォームオブジェクト(POJO) | 画面間で共有されたFormの分割が必要な場合がある |
| struts-config.xml | @RequestMappingなどのアノテーション |
XMLの設定をコードへ移す |
| validation.xml(Validator) | Bean Validation(@NotNullなど) |
独自チェックは個別に作り直す |
| ActionForward | ビュー名(String)の返却 | 画面遷移の連鎖を整理する |
| Strutsタグ・Tiles | Thymeleaf/JSP+JSTL | 独自タグは手作業での対応が中心 |
| web.xml・アプリケーションサーバー | 組み込みTomcat+application.properties | 設定の集約とデプロイ方法の変更 |
設定ファイルやフォーム、標準タグのようにパターンが決まっている部分は、ツールやAIで自動変換しやすい領域です。一方、Actionクラスに書き込まれた業務ロジックや、独自タグ、トランザクション制御は、人の判断が欠かせません。

Struts 1とStruts 2で変わる移行の難易度
同じStrutsでも、Struts 1とStruts 2では移行の進め方が変わります。
- Struts 1:Actionクラスが特定のクラスを継承し、ActionFormと強く結びついた構造です。Spring MVCとは設計が大きく異なるため、変換量は多くなります。その分、構造が画一的なため、変換ルールを決めれば自動化しやすいという面もあります。
- Struts 2:ActionがPOJOに近く、Spring MVCと考え方が近い系列です。Struts 2のSpringプラグインを使い、DIだけを先にSpringへ移す段階的な進め方も取れます。
どちらの場合も、まずは現行システムのバージョンと構成を正確に把握することが出発点になります。
見落としがちな「Struts以外」の壁:Java・jakarta・APサーバー
Struts→Spring Boot移行で見落とされやすいのが、Struts以外の要素の更新です。
Spring Boot 4.0の移行ガイドによると、Spring Boot 4.0はJava 17以上を必要とし、Jakarta EE 11(Servlet 6.1)を前提としています。Spring Boot 3系も同じくJava 17以上とJakarta EEが前提です。そのため、次のような変更が同時に発生します。
- Javaのバージョンアップ:Java 6/8から17または21へ。古いAPIや非推奨機能の置き換えが必要です。
- javaxからjakartaへの名前空間変更:
javax.servletなどのパッケージ名がjakarta.*へ変わります。旧ライブラリと新ライブラリを同じアプリケーションに混在させることはできません。 - アプリケーションサーバーの見直し:WebLogicやWebSphereなどの商用APサーバーから、組み込みTomcatへの切り替えを検討します。
- ビルドと周辺ライブラリ:AntからMaven/Gradleへ、iBatisからMyBatisへなど、周辺ライブラリの更新も必要です。
これらを後から発見すると、スケジュールが大きく崩れます。移行計画の段階で、Struts以外の要素も含めて洗い出すことが重要です。
Struts移行前に行う資産棚卸しチェックリスト
ここまでの違いを踏まえると、移行の成否は「事前にどれだけ正確に現状を把握できるか」で決まります。ここでは、Struts移行の前に確認しておきたい項目を3つの観点で整理します。
コード資産:Action数・JSP数・カスタムタグ・Validator
まずは、Struts固有のコード資産の量と特徴を把握します。
- Actionクラス、ActionForm、JSPの数とステップ数
- struts-config.xmlの設定数と、ActionからActionへの遷移の連鎖
- 独自タグ、Tilesの利用状況
- validation.xmlと独自バリデーションの数
- DynaActionFormやDispatchActionなど、特殊なクラスの利用有無
- JavaScriptや
html:javascriptタグの利用状況
これらの数は、移行工数の見積もりに直結します。
周辺依存:ORM・共通ライブラリ・バッチ・外部連携
次に、Strutsの外側にある依存関係を確認します。
- Javaのバージョン、アプリケーションサーバー、OS、データベースの種類とバージョン
- iBatis、Hibernate、独自DAOなど、データアクセスの方式
- Apache Commons系など、サポートが終了した共通ライブラリ
- 帳票出力、バッチ処理、ファイル連携、外部APIとの接続
- 認証やセッション管理の方式(SSO連携を含む)
設計書がない・ブラックボックス化している場合
長年改修を重ねたStrutsシステムでは、設計書が古いまま、あるいは存在しないことも珍しくありません。その場合は、ソースコードから仕様を復元するところから始めます。
最近は、AIを使ってソースコードから画面一覧や業務ルール、データの流れを抽出する手法が実用的になっています。具体的な手順は、AIリバースエンジニアリングによる設計書の復元で詳しく紹介しています。
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StrutsのソースコードをZIPでアップロードするだけで、HBLABのAIが構造・依存関係・移行難易度を自動で分析します。診断レポートは24時間以内にメールでお届けします。費用はかかりません。
Struts→Spring Boot移行の進め方|AI活用の5ステップ
棚卸しで現状が見えたら、いよいよ移行の実行です。HBLABでは、技術調査からテストまでの工程を、次の5つのステップで進めています。各ステップで、AIと人がどのように役割を分担するのかも見ていきましょう。

STEP1 アセスメント:現状分析と移行範囲の決定
最初のステップは、現行システムの評価です。棚卸しの結果をもとに、移行の難易度、リスクの高い箇所、概算工数を明らかにします。
この段階で、移行対象から外せる機能を見極めることも大切です。長く使われてきたシステムには、すでに使われていない画面やバッチが含まれていることが多く、範囲を絞るだけで工数を大きく減らせます。評価の観点はレガシーシステムアセスメントの評価領域、報告書の読み方はアセスメントレポートで確認すべき項目で解説しています。
STEP2 移行方式の選定:一括移行か段階移行か
次に、移行の方式を決めます。主な選択肢は2つです。
- 一括移行:すべての機能を一度に切り替えます。並行稼働の仕組みが不要な分シンプルですが、切替時のリスクが集中します。中小規模のシステムに向いています。
- 段階移行:機能のまとまりごとに順番に移行します。リバースプロキシで新旧のシステムを振り分け、少しずつ新システムへ置き換える「ストラングラーパターン」が代表的です。大規模システムや、止められない業務に向いています。
段階移行では、新旧システムのセッション共有や認証の連携が課題になります。どちらを選ぶかは、システムの規模と業務への影響度で判断します。
STEP3 業務仕様の可視化:AIで設計書を復元
変換の前に、現行システムが「何をしているか」を文書にします。AIでソースコードを解析し、画面ごとの処理内容、入力チェック、計算ルールなどを業務仕様として整理します。
ここで作った業務ルールの一覧は、後のテストで「移行後も同じ動きをしているか」を確かめる基準になります。進め方は業務ルール台帳による業務ロジック検証で詳しく紹介しています。
STEP4 AIによるコード変換と人手による補正
いよいよコードを変換します。struts-config.xml、ActionForm、標準タグといった定型的な部分は、AIと変換ルールで効率よく変換できます。
一方、Actionクラスの業務ロジック、画面遷移の連鎖、独自タグ、トランザクションや例外処理は、エンジニアが一つずつ確認しながら仕上げます。生成AIは、もっともらしい誤ったコードを出力すること(ハルシネーション)があります。そのため、AIの出力をそのまま採用せず、レビューとテストで必ず検証する仕組みが欠かせません。
AIで効率化できる範囲と限界はマイグレーションにおけるAI活用、誤変換を防ぐ方法は生成AIによる誤変換の防ぎ方で解説しています。
STEP5 現新比較テストと本番切替
最後に、移行後のシステムが現行システムと同じ結果を返すかを確かめます。同じ入力データを新旧両方のシステムに流し、画面の表示、データベースの更新結果、帳票の出力を比較する「現新比較テスト」が中心になります。
比較の基準となる正解データ(ゴールデンデータ)の作り方はマイグレーションテストの進め方、新旧で挙動が一致しているかの確認方法は新旧の挙動を確かめるリグレッションテストが参考になります。テストで差異がなくなったら、リハーサルを経て本番環境へ切り替えます。
移行で終わらせない:Spring Boot化で進めるモダナイゼーション
5つのステップで移行が完了しても、それはゴールではありません。Spring Bootへの移行は、システムを将来に向けて育てていくための土台づくりです。ここでは、移行とあわせて検討したい3つのテーマを紹介します。
JSPはThymeleafへ?フロントエンド分離(REST API化)へ?
画面の作り方には、大きく2つの方向性があります。
- Thymeleafへの置き換え:サーバー側で画面を作る構成を維持できるため、移行の変更量を抑えられます。まずは現行の画面と同じ動きを再現したい場合に向いています。
- フロントエンドの分離(REST API化):画面をReactなどで作り、Spring BootはAPIを提供する構成です。スマートフォン対応や他システムとの連携がしやすくなりますが、画面の作り直しが必要です。
おすすめは、まずThymeleafで現行と同じ動きを実現し、その後に必要な画面から段階的にAPI化する進め方です。移行とUI刷新を同時に行うと、不具合の原因の切り分けが難しくなるためです。
コンテナ化・クラウド移行を同時に行うべきか
Spring Bootは組み込みTomcatで単体起動できるため、コンテナ化やクラウドとの相性が良いフレームワークです。ただし、フレームワークの移行とインフラの移行を同時に行うと、障害時の原因特定が難しくなります。
基本は「アプリケーションの移行→インフラの移行」の順番で進めるのが安全です。インフラの更新期限が迫っている場合は、移行計画の段階で両方のスケジュールを調整しましょう。
テスト自動化とCI/CDで保守性を高める
Spring Bootは、コントローラーやサービスの単体テストを書きやすい構成です。移行時に作った現新比較テストのデータや仕組みを自動テストとして残せば、移行後の改修でも品質を保ちやすくなります。
さらにCI/CDを整えれば、改修からリリースまでの時間も短縮できます。「マイグレーション」と「モダナイゼーション」の違いは、モダナイゼーションとマイグレーションの違いで整理しています。
Struts→Spring Boot移行の費用・期間の目安
ここまでの内容を踏まえて、気になる費用と期間の考え方を整理します。Struts移行の費用は規模や構成によって大きく変わるため、一律の相場はありません。ここでは、期間のイメージと、費用を左右する要因を紹介します。
規模別の期間イメージ(事例ベース)
国内で公開されている移行事例を見ると、単一の業務システムで約半年、数百画面規模のシステムで1年強という例があります。HBLABの実績では、約20万行のJava(Struts)システムをSpringへ移行した案件で、約150人月・9か月の期間を要しました。
期間は、コード量だけでなく、テストの範囲や並行稼働の有無によっても変わります。まずはアセスメントで、自社システムの規模と難所を把握することが正確な見積もりへの近道です。
費用を左右する5つの要因
Struts→Spring Boot移行の費用は、主に次の5つの要因で決まります。
- コード量と画面数:Action・JSP・Formの数が多いほど工数は増えます。
- 設計書の有無と鮮度:設計書がなければ、仕様の復元に工数がかかります。
- 独自拡張の多さ:独自タグや独自フレームワーク部分は、手作業での対応が中心になります。
- テストの範囲:現新比較テストの対象や、自動化の範囲によって費用が変わります。
- インフラ変更の有無:Javaのバージョンアップ、APサーバーやDBの変更を伴うかどうかも影響します。

AI×オフショアでコストを抑える仕組み
費用を抑えるうえで効果が大きいのが、AIの活用とオフショア開発の組み合わせです。AIで仕様の復元やコード変換を効率化し、ベトナムのエンジニアチームが補正とテストを担います。
HBLABでは、AI活用により手作業と比べて工数を30〜50%削減し、アセスメントと文書化の期間を40%短縮しています。日本語に精通したブリッジSEが間に入るため、日本側の担当者は日本語のままやり取りできます。
Struts移行を成功させるポイント
費用と期間の見通しが立っても、進め方を誤ると移行は失敗します。最後に、よくある失敗パターンと、社内の合意形成、ベンダー選定のポイントを確認しましょう。
よくある失敗パターン
Struts移行でよく見られる失敗は、次の3つです。
- 仕様の取りこぼし:Actionクラスに埋もれた例外的な処理を見落とし、本番稼働後に不具合が発覚します。
- テスト不足:「変換したから大丈夫」と判断し、新旧の比較を十分に行わないまま切り替えてしまいます。
- 一度にすべてを変えようとする:フレームワーク、画面、インフラを同時に刷新し、問題の切り分けができなくなります。
いずれも、事前の可視化と、新旧比較による検証で防げる失敗です。
社内稟議を通すための説明材料の作り方
Struts移行は、すぐに売上を生む投資ではないため、社内の承認を得にくいテーマです。稟議資料には、次の4つを入れると説得力が増します。
- 放置した場合のリスク:EOLの事実、該当する脆弱性、事故が起きた場合の影響
- 延命し続けた場合のコスト:WAFや個別対応、保守要員の確保にかかる年間費用
- 移行の費用と期間:アセスメントに基づく概算工数とスケジュール
- 移行後に得られる効果:保守費の削減、人材確保のしやすさ、今後の機能追加のしやすさ
稟議の材料になる診断レポートを、無償で
HBLABのAI診断レポート(12〜18ページ)では、移行の可否、難所、概算工数をまとめてお届けします。Struts移行の社内検討資料としてご活用いただけます。
移行ベンダー選定で確認すべき項目
移行を外部に依頼する場合は、次の点を確認しましょう。
- Struts→Spring移行の実績と、その規模
- AIやツールで自動化できる範囲と、手作業になる範囲を明確に説明できるか
- 現新比較テストなど、品質を証明する方法を持っているか
- 設計書がない場合の対応方法
- 移行後の保守や機能追加まで支援できるか
評価の詳しい観点は、モダナイゼーションベンダーの選び方で評価シートとあわせて紹介しています。
HBLABのStruts→Spring Boot移行サービス
HBLABは、独自のAIツールとリバースエンジニアリング技術を組み合わせ、Strutsシステムの解析から移行、テストまでを一貫して支援しています。HBLABのモダナイゼーションソリューションでは、Struts 1.x/2.xからSpring Bootへの移行パッケージをご用意しています。
AI Assessment Toolで、移行前に全体像を可視化
HBLABのAI Assessment Toolは、ソースコードをアップロードするだけで、構造・依存関係・移行難易度を分析するツールです。Javaのソースコード(.java)にも対応しています。
- ZIP 1ファイル・最大50MBまで。一部のモジュールだけでも診断できます。
- 24時間以内に、12〜18ページの診断レポートをメールでお送りします。
- アップロードされたファイルは隔離環境で分析し、提出から3日以内に自動削除します。AIモデルの学習に使うことはありません。NDAの締結にも対応します。
AI×オフショア体制で、スピードと品質を両立
HBLABはベトナム・ハノイの本社とダナン開発センターを拠点に、東京・福岡の日本事務所と連携して開発を進めています。AIによる仕様復元・コード変換と、エンジニアによるレビュー・テストを組み合わせることで、スピードと品質の両立を目指します。
品質面では、単体テストでロジック処理のカバレッジ・パス率100%を基準としています。情報セキュリティについては、ISO/IEC 27001とプライバシーマークを取得しています。
支援範囲|アセスメントから移行後の保守まで
- アセスメント(現状分析・移行範囲と優先順位の決定)
- 仕様の復元(AIリバースエンジニアリング)
- 移行方式の設計とPoC
- AI変換とエンジニアレビュー
- 現新比較テスト・本番切替
- 移行後の保守・機能追加
なお、VB6やVBAの資産をお持ちの場合は、VB6・VBA移行サービスもあわせてご覧ください。
Struts→Spring Boot移行のご相談はHBLABへ
まずは無償のAI診断で、移行の難易度と概算工数を確認しませんか。具体的なご相談はモダナイゼーションサービスのページから承ります。
Struts→Spring Boot移行に関するよくある質問(FAQ)
Q1. Strutsの後継フレームワークは何ですか?
公式な「後継」はありませんが、現在のJava業務システムで最も広く使われているのはSpring Boot(Spring MVC)です。Apache Strutsプロジェクトも、Struts 1の移行先の候補としてSpring Web MVCを挙げています。
Q2. Struts 7へのバージョンアップとSpring Boot移行、どちらがよいですか?
Struts 2系で、変更量をできるだけ抑えたい場合はStruts 7化も選択肢になります。一方、今後10年使い続ける予定があり、保守人材を確保しやすくしたい場合は、Spring Boot移行の方が長期的なメリットは大きくなります。
Q3. 移行先はSpring MVCとSpring Boot、どちらを選ぶべきですか?
新たに移行するなら、Spring Bootを選ぶのが一般的です。Spring BootはSpring MVCを含んでおり、設定の自動化や組み込みサーバーによって、構築と運用の手間を減らせます。
Q4. 移行にはどのくらいの期間がかかりますか?
規模によりますが、単一の業務システムで半年程度、大規模なシステムでは1年以上かかることもあります。HBLABの実績では、約20万行のシステムで9か月でした。正確な期間は、アセスメントで規模と難所を把握したうえで見積もります。
Q5. AIでどこまで自動変換できますか?
設定ファイル、フォーム、標準タグなど、パターンが決まっている部分は自動変換しやすい領域です。一方、Actionクラスの業務ロジックや独自タグは人の確認が必要です。HBLABでは、AIの出力を必ずエンジニアがレビューし、現新比較テストで検証します。
Q6. 設計書がなくても移行できますか?
はい、可能です。ソースコードをAIで解析し、画面一覧や業務ルールを復元してから移行を進めます。復元した業務ルールは、移行後のテストの基準としても活用できます。
まとめ|Struts→Spring Boot移行は「可視化→方式選定→検証」の順で
Strutsは多くの系列でサポートが終了し、脆弱性が見つかっても修正されない状態が続いています。対策には、延命、Struts 7化、Spring Boot移行、再構築の4つの選択肢があり、長く使い続けるシステムほどSpring Boot移行のメリットが大きくなります。
移行では、Java・jakarta・APサーバーといったStruts以外の要素も含めて棚卸しし、アセスメント、方式選定、仕様の可視化、AI変換、現新比較テストの5ステップで進めることが成功の鍵です。まずは無償のAI診断で、自社システムの移行難易度を確かめてみてください。リスクを抑えながら確実に進めるStruts→Spring Boot移行を、HBLABが支援します。
