PHPでのアプリ開発に興味があるものの、どのように開発を行うのかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事ではPHPでWebアプリ開発を行う方法、費用、開発の流れなどについて解説します。
PHPとは?
PHPはWebアプリ開発で多く使われているプログラミング言語です。
PHPには学習コストが低い、開発環境の構築が容易など多くのメリットがあり、多くのWeb開発企業で導入されています。
PHPの基礎知識やメリット・デメリットに関しては下記の記事で詳しく解説しているので、併せてお読みいただけるとより知識が深まるでしょう。
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本記事ではPHPでどのようにアプリ開発するのかを重点的に解説します。
PHPで開発できるものの種類
PHPではWebアプリ全般を開発することが可能です。たとえば、掲示板やECサイト、動画配信サイト、SNSなどを開発できます。
たとえば、FacebookやSlackなどの有名アプリもPHPによって開発されました。Webサービス全般を開発できるPHPは、あらゆるサービスの開発で使われているのです。
PHP以外にWebアプリ開発で必要なスキル
PHP以外にもWebアプリ開発に必要なスキルはあります。特に次の4つはWebアプリ開発において必須と言って良いスキルでしょう。
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- HTML・CSS
- MySQL
- Linux
- JavaScript
Webアプリ開発を自社で行うには、これらのスキルを習得した人材も雇わなくてはいけません。1つ1つのスキルについて詳しく解説していきます。
1.HTML・CSS
HTMLはWebサイトの文書やレイアウトを表現するための言語です。HTMLにはタグというものが存在し、これらを組み合わせることでWebサイトを作成することができます。
CSSはWebサイトの色や大きさを指定するための言語です。Webサイトの装飾を調整している言語で、HTMLでも装飾は可能ですが、より幅広いデザインが可能となっています。
HTML・CSSはセットで習得することが基本です。これらのプログラミング言語よりも短い時間で習得することができます。
2.MySQL
MySQLとは、データベースに保管されたデータを操作するためのプログラミング言語です。
データベースとは処理がしやすいように規則的に格納された情報の集まりのことであり、多くのWebアプリで使われています。たとえば、SNSではユーザーの書き込み情報を常にデータベースに保管しておき、表示できるようにしています。
データベースを扱える言語には他にも複数ありますが、MySQLが最も広く使われています。
3.Linux
LinuxはWebアプリのサーバーとして多く使われているOSです。Webアプリを運用する場合、サーバーが必要になります。LinuxはWindowsやMacと違い無料でインストールできるため、Webアプリ開発のコストを抑えることが可能です。
Linuxをサーバーとして機能させるには、Apacheというサーバーソフトをインストールする必要があります。ApacheをLinux内で起動させることで、他のパソコンにサービスを移行することが可能です。
4.JavaScript
JavaScriptはWebアプリにおけるフロントエンド側の処理を行うプログラミング言語です。
フロントエンド側ではブラウザに表示されたWebサイトを動かします。バックエンド側で動き、表示される前のWebサイトの生成処理を行うPHPとはまた違う役割です。
JavaScriptはWebサイトのHTMLを内部で変更し、あたかもWebサイトが動いているように見せることができます。たとえば、ユーザーがボタンをクリックしたらフォームを表示させる、などといった処理が可能です。
JavaScriptはフロントエンド側で使われる言語ですが、実はバックエンドでも使うことができます。バックエンドでJavaScriptを動かす場合、Node.jsという実行環境が必要です。
ただ、Node.jsに対応しているサーバーが現状少ないこともあり、普及率はそれほど高くはありません。
PHPでWebアプリ開発を行う流れ
続いて、PHPでWebアプリ開発を行う流れについてみていきましょう。Webアプリ開発は次の6つの流れに従って行うことが多いです。
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- 企画
- 要件定義
- 契約
- 設計
- 開発
- テスト・リリース
このような流れで行うことで、開発の手戻りを少なくするメリットがあります。1つ1つの流れについて詳しく解説していきましょう。
1.企画
Webアプリを開発企業に依頼する場合、まずどういったWebアプリを開発するか企画を立てなければいけません。
単にSNSを開発したいといったものではなく、SNSのコンセプトやターゲット層、競合との差別化方法、集客やマーケティング戦略、などを企画書にまとめます。
企画の時点で曖昧な状態だと、開発したWebアプリも曖昧なものになってしまいます。曖昧なWebサイトやアプリは必ず失敗します。開発を意味のないものにしないためにも、企画の時点でより具体的なイメージを描いておくことが大切なのです。
2.要件定義
続いて、企画書を元に開発企業と打ち合わせを行います。具体的にWebアプリにどのような機能を持たせるべきか話し合い、要件定義を行います。
依頼側はWebアプリにどういった機能が欲しいか伝え、開発企業はそれが技術的に可能か、その機能がどれほどのメリットをもたらすか、などアドバイスを行います。
双方が納得するまで打ち合わせを行ったら、開発企業が要件定義書を作成するのが基本の流れです。依頼側は要件定義書の確認を行い、問題なければ次に進みます。
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3.契約
要件定義書の確認後、開発企業は見積もり書および契約書を作成します。スケジュールや開発コスト、運用・保守の対象範囲などを共有します。
依頼側はすべての書類に目を通し、問題なければ契約を行います。書類内容に疑問点などあれば積極的に質問することが大切です。
4.設計
続いて、開発企業が要件定義書を元にWebアプリの設計を行います。設計はプログラミング作業の前に必ず必要であり、たとえるなら家を建てる前に設計書を書くようなものです。
Webサイトの画面設計、データベースに保管するデータの種類、各プログラムの動作内容、などを設計書にまとめていきます。
5.開発
続いて、開発企業が設計書の内容に沿ってPHPでプログラミングを行います。設計書が正しくできていれば、プログラミング作業自体はスムーズに終わることが多いです。
開発段階で不備が見つかれば、再度、設計や要件定義の段階からやり直さなくてはいけません。開発の前段階作業をいかに入念に行うかが重要となります。
6.テスト・リリース
開発が完了したら、各プログラムが正しく動くかテストを行うフェーズに移行します。
最初は1つのプログラム単位でテストを行います。最終的にはすべてのプログラムを統合して動かし、問題がないことを確認しなくてはいけません。
また、顧客の環境でも問題なく動くか確認する「受け入れテスト」も行う必要があります。受け入れテストでは、実際のデータを使ってテストする必要があるため、開発依頼側も協力しないといけない場合が多いでしょう。
テストが完了したら、Webアプリの一般公開をします。公開後、問題なく動き続けているかしばらく監視を行わなくてはいけません。
以上が、Webアプリ開発の基本的な流れとなります。
PHPでのWebアプリ開発にかかる費用について
PHPでのアプリ開発の外注を検討している方は、どの程度費用がかかるか気になるでしょう。一口にアプリ開発といってもさまざまな種類があり、アプリの規模や開発難易度によって費用が異なるので注意が必要です。
そこで、各開発分野ごと、各機能ごとの費用の目安をまとめました。Webアプリ開発を外注したい方は参考にしてください。
各開発分野ごとの費用目安
各開発分野ごとの費用の目安をまとめました。
開発分野 | 開発費用目安 |
掲示板 | 50万〜 |
クチコミサイト | 80万〜 |
CMS | 80万〜 |
SNS | 100万〜 |
ECサイト | 100万〜 |
Webアプリの規模などによって費用は変動するので注意が必要です。具体的な開発費用を知りたい場合、実際に開発企業に相談してみるのが良いでしょう。
各機能ごとの費用目安
Webアプリの各機能ごとの費用目安をまとめました。
Webアプリの各機能 | 開発費用目安 |
ログイン機能 | 20万〜 |
ユーザー情報管理 | 50万〜 |
メッセージ機能 | 20万〜 |
決済システム | 20万〜 |
位置情報機能 | 15万〜 |
SNS連携 | 5万〜 |
既存のWebアプリに機能を追加する場合でも、それなりの開発費用がかかります。
PHPでのWebアプリ開発を依頼する際のポイント
最後に、PHPでのWebアプリ開発を依頼する際のポイントを4つ解説します。
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- Webアプリの中でもどの実績が豊富か
- 開発は外注しているのか
- セキュリティー対策は優れているか
- Webアプリの運用・保守は行ってくれるか
1つ1つのポイントについて詳しく解説しましょう。
1.Webアプリの中でもどの実績が豊富か
1つ目はWebアプリの中でもどの実績が豊富かどうかです。
Webアプリ開発の中でも、この分野は得意だけどこの分野は苦手、という得手不得手があるかもしれません。
各企業の得意分野は実績を見ることでわかります。たとえばSNS開発の実績が豊富な企業なら、SNS開発のためのノウハウが蓄積されていると推測できるでしょう。
開発実績は基本的にホームページに公開されているため、相談する前に調べると良いです。
2.開発は外注しているのか
3つ目は開発は外注しているのかどうかです。
開発企業によっては開発の一部、あるいはすべてを他の企業に外注している場合もあります。外注している場合、自社で開発する場合よりも費用が高くなるので注意です。費用を抑えるなら、自社完結の開発会社を選択すると良いでしょう。
また、費用を抑えたいならオフショア開発を行っている企業を選択すると良いです。オフショア開発とは、海外エンジニアに開発を依頼する方法を指します。同じ外注でも人件費の安い海外エンジニアに外注する分、費用を抑えることが可能です。
3.セキュリティー対策は優れているか
3つ目はセキュリティー対策が優れているかどうかです。
Webアプリは常に不特定多数の人が使っているネットに接続しています。ハッカーによってデータベースに保管された個人情報を盗まれる、などといったリスクがあるのです。
開発企業の担当者にセキュリティー対策はどのように行っているか、質問すると良いでしょう。
4.Webアプリの運用・保守は行ってくれるか
4つ目はWebアプリの運用・保守を行ってくれるかどうかです。
Webアプリは新規開発よりもその後の運用・保守の方が時間がかかることもあります。運用・保守では、ログを確認したりメンテナンスを行ったり、システムが正常稼働するように確認や調整を行わなくてはいけません。
運用・保守は自社で行っても良いですが、Webアプリを開発した企業に任せることもできます。ただ、運用・保守の対応範囲は企業によって異なるため、契約前に確認しましょう。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
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- PHP以外にWebアプリ開発で必要なスキル:HTML・CSS/MySQL/Linux/JavaScript
- PHPでWebアプリ開発を行う流れ:企画/要件定義/契約/設計/開発/テスト・リリース
- PHPでのWebアプリ開発を依頼する際のポイント:Webアプリの中でもどの実績が豊富か/開発は外注しているのか/セキュリティー対策は優れているか/Webアプリの運用・保守は行ってくれるか
PHPでのWebアプリ開発を開発企業に依頼する場合、各企業の実績や見積書などを比較し、自社にとってもっとも相性が良い企業を選択することが大切です。
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