「PHP開発とは何か?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。本記事ではPHPという言語のメリット・デメリットや活用例について解説します。
自社でシステムの改修や、Webサイトのリニューアル、または新規構築を考えている担当者の方はぜひ最後まで読んでみてください。仮に外注するとしても、PHPというプログラミング言語は、サーバーサイドの基本であり、理解することで外注先とのやり取りがスムーズになるでしょう。
PHPとは?
PHPはWebアプリ開発やWebサイト構築で主に使われているサーバーサイドのプログラミング言語です。学習コストが低く、HTMLにソースコードを埋め込んで書けるなどのメリットがあり、多くの企業で使われています。
PHPはC言語の影響を受けている言語です。しかし、C言語より構文を理解する難易度が低く、初心者でも勉強しやすくなっています。
Pythonとの違い
PHPとPythonは良く似ています。どちらもWebアプリ開発に使われているプログラミング言語です。
日本ではPHPの方がWebアプリ開発用言語として馴染み深いですが、Pythonは機械学習やディープラーニングに向いているというメリットもあります。
また、Pythonはソースコードの可読性の高さなども評価されており、どちらがより優れているかは一概には言えません。
Rubyとの違い
Rubyは日本人が生み出したプログラミング言語で、やはりWebアプリ開発に多く使われています。PHP・Pythonに比べると若干人気は下がるでしょう。ただ、日本人が作った言語のため、日本語の情報が多く、わからない点を調べやすいのが魅力的です。
また、RubyにはRuby on Railsという強力なフレームワークがあります。RubyやRuby on Railsについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
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PHPで開発されたものの例
PHPで開発されたものの例を4つ挙げます。
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- WordPress
- Wikipedia
- Slack
どれも有名なWebサービスばかりです。1つ1つのWebサービスについて詳しく解説していきます。
1.Facebook
Facebookは世界的に有名なSNSであり、実名制を取っているのが特徴です。世界中の多くの人が他のユーザーと交流を図ったり、写真を掲載したりしています。
Facebookのような大規模なWebアプリもPHPによって開発することが可能です。
ちなみに、Facebook社はPHPに応用しHackというプログラミング言語を独自に開発しています。HackはPHPの弱点を補っているとして一時期話題になりました。
2.WordPress
WordPressはもっともシェア率の高いCMSです。
CMSとはプログラミングやHTMLを知らない人でも、テンプレートを修正したりプラグインを利用したりすることでWebサイトを作れるサービスであり、多くの企業で導入されています。
PHPを学ぶことでWordPressのカスタマイズも可能です。WordPressに用意されているデフォルトの機能の他に必要な機能をPHPを使って組むことで、自由にカスタマイズできるのです。
3.Wikipedia
Wikipediaはインターネット百科辞典サイトです。多くの単語の意味をWikipediaで知ることができます。世界的に人気があるサイトで、ページビュー数は月間5億以上と言われています。
Wikipediaは誰でもページの編集ができ、有志の方の書き込みによって機能しています。記事の新規作成や編集、削除などを管理画面から行うことが可能です。これらの機能はPHPによって実装されています。
4.Slack
Slackはコミュニケーションツールの1つです。近年テレワークが普及したことにより、Slackなどのチャットツールに注目が集まっています。
Slackでは仕事の分類ごとにスレッドを分けることができ、そのなかでコミュニケーションを取ることが可能です。また、ファイルをアップロードやブラウザの画面共有、音声通話、なども行うことができ、テレワークでのコミュニケーションを円滑にしてくれます。
PHPで開発するメリット
PHPで開発するメリットは次の4つです。
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- 学習コストが低い
- 参考にできる情報が豊富
- 優秀なフレームワークは数種類ある
- 今後も長く使い続けられる
このようなメリットがあるため、PHPはWeb開発企業で高く評価されています。1つ1つのメリットについて詳しく解説していきましょう。
1.学習コストが低い
PHPは学習コストが低いのが特徴です。CやJavaなど他の代表的な言語と比べても文法が易しく、少ない学習時間で習得することができます。
また、PHPはコンピューターの内部処理を気にせずにソースコードを書くことが可能です。また、人によってさまざまな書き方をすることができ、制約が厳しくありません。
学習コストが低いということは、それだけ人材採用が容易であり、人件費を抑えやすいのです。PHPが多くの企業で利用されているのは、学習コストの低さが大きいでしょう。
2.参考にできる情報が豊富
PHPは人気言語であるため、ネット上に参考にできる情報が豊富にあります。そのため、開発時にわからない点をすぐに解決でき、開発スピードアップにつながるでしょう。
たとえば、WordPressのカスタマイズに関するものだけでも、多くの記事があります。また、CakePHPなどの定番フレームワークについて解説した記事や参考書も豊富です。
特にWebアプリでは開発スピードが求められます。たとえばオンラインゲームなどがわかりやすい例で、ユーザーの要望・クレームに応じてアップデートを繰り返さないといけません。そのため、開発スピードを上げられるPHPは使われやすいです。
3.優秀なフレームワークは数種類ある
PHPには優秀なフレームワークが多くあるのもメリットです。たとえばCakePHPやLaravelなどがあり、用途に応じて使い分けることができます。
フレームワークはWebアプリ開発時に枠組みとして使うものです。枠組みに従って開発を進めた方が、開発スピードを上げることができます。Webアプリ開発はスピードが要求されるため、フレームワークが優秀であるPHPはやはり相性が良いです。
4.今後も長く使い続けられる
PHPはPHP7、PHP8…とバージョンアップされ続けている言語です。
バージョンアップされるということは、それだけ需要が高い証拠でもあります。今後も安心して使い続けることができるでしょう。
また、バージョンアップされる度にPHPは言語として進化しており、処理速度や記述のしにくさなどが改善されています。
PHPで開発するデメリット
続いて、PHPで開発するデメリットを3つ挙げます。
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- 処理速度が遅い
- コードを統一しにくい
- 汎用性が低い
PHPを選択する場合、これらの問題といかに向き合うかが肝心と言えます。1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきましょう。
1.処理速度が遅い
PHPは処理速度が遅いのがデメリットです。
ソースコードを機械に読み込ませるには、機械語に一旦翻訳する必要があります。PHPではコードを一行ずつ翻訳する方式を取っているため、処理速度が遅くなってしまうのです。
とはいえ、Webアプリ開発ではそこまで処理速度が強く求められる場面は少ないでしょう。
2.コードを統一しにくい
PHPは人によってさまざまな書き方ができてしまうため、社内でコードを統一しにくいのです。コードの書き方がバラバラだと、他人の書いたコードが読みにくく、改修に手間がかかってしまう可能性があるでしょう。
そこで、企業によってはコーディング規約を設けるなどしてコードの統一化を図っていることもあります。
3.汎用性が低い
PHPは汎用性が低いのもデメリットです。Webアプリ開発以外の分野ではほとんど使われることはありません。
Pythonのように機械学習分野で活躍したり、Javaのように業務システムやスマホアプリ開発など広く使われたりすることがないです。
PHPを学ぶ方法
ここまで読んでPHPでの開発を行ってみたいと思った方もいるでしょう。
そこで、PHPを学ぶ方法について簡単に解説します。PHPを学ぶ場合、おすすめは次の2つのうちいずれかの方法を取ることです。
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- 独学で行う
- プログラミングスクールに通う
1つ1つの方法について詳しく解説していきます。
1.独学で行う
PHPは初心者向けの言語であるため、独学でも十分に習得することが可能です。
独学を行う場合、参考書を使う方法と学習サイトを使う方法とがありますが、学習サイトを使う方がおすすめです。学習サイトはオンラインで手軽に学ぶことができるため、仕事が忙しい方でも勉強を継続しやすいでしょう。
PHPを学べる学習サイトにはProgateやドットインストール、Paizaなどの種類があります。これらのサイトは練習問題も多く掲載されており、実際に手を動かしながら学ぶことが可能です。ソースコードをブラウザ上で実行できる機能も備わっているため、開発環境を構築する必要もあります。
Progateなどは社内研修でも多く使われており、信頼性が高いです。
2.プログラミングスクールに通う
2つ目の方法はプログラミングスクールに通うことです。プログラミングスクールではプログラミングやITスキルについて学べる大人向けのスクールであり、数多くの種類があります。
プログラミングスクールでは講師に直接教えてもらえるため、独学よりも挫折する可能性が低いでしょう。わからない点はいつでも講師に質問することが可能です。
また、その人の生活スタイルに応じたカリキュラムを組んでくれるため、働きながら勉強することができます。くわえて、最近では新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインで受講できるスクールが増えているのもメリットです。
PHPでのアプリ開発は外注することも可能
PHPでのWebアプリ開発は、専門の開発企業に外注することも可能です。
Webアプリ開発を行う場合、必要なのはPHPのスキルだけではありません。HTMLやJavaScript、Webデザインなどができる人材も必要です。また、サーバーなどの機材も揃える必要があります。Webアプリ開発の準備を行うだけでも、かなりのコストがかかるでしょう。
Webアプリ開発を外注すればこれらの問題を解決することが可能です。
もちろん外注費用はかかりますが、比較的低コストで開発してくれる企業もなかにはあります。たとえば、オフショア開発を行っている企業は海外エンジニアに開発を委託しており、人件費を削減できるため、こういった企業を選択すると良いでしょう。
Webアプリ開発を外注する場合どの程度費用がかかるのかに関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてお読みいただけると幸いです。
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PHPでWebアプリ開発を行うには?費用・開発の流れを解説
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
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- PHPで開発されたものの例:Facebook/WordPress/Wikipedia/Slack
- PHPで開発するメリット:学習コストが低い/参考にできる情報が豊富/優秀なフレームワークは数種類ある/今後も長く使い続けられる
- PHPで開発するデメリット:処理速度が遅い/コードを統一しにくい/汎用性が低い
- PHPを学ぶ方法:独学で行う/プログラミングスクールに通う
PHPはWebアプリ開発でもっとも多く使われている言語であり、学習コストも低いため初心者にはおすすめできます。しかしながらHTML・CSSよりは難しいのも事実です。Webアプリ開発ができるレベルまでPHPのスキルを高めるにはどうしても時間がかかります。
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