システム受託開発とは?依頼するポイントやメリットについても解説

2022年10月22日
システム受託開発とは

「システム受託開発の方法が分からない」
「受託開発すべきか自社で開発すべきか分からない」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?受託開発を初めて依頼する方は、どのような手順を踏むべきか分からない方がほとんどでしょう。本記事では、システム受託開発とは、システム受託開発を依頼する方法・メリットについて解説します。

システム受託開発とは?

システム受託開発とは、いわゆる開発会社が他企業や個人から依頼されたシステムを開発することです。依頼先から「このようなシステムが欲しい」と要望を言われ、そのとおりに開発していきます。いわゆるオーダーメイドです。

IT企業にはシステム受託開発をメインに取り組んでいる企業も多くあります。開発したシステムを納品して依頼主から報酬をもらい、売上を発生させているのです。

※関連記事
受託開発とは?SES契約との違いやメリット・デメリットを解説
受託開発を依頼する際の注意点・成功させるためのポイントを解説

自社開発とは?

受託開発と対極に位置するのが自社開発です。

自社開発の場合、自社でシステムやアプリを開発し、それを一般ユーザーに提供します。たとえば、自社でスマホアプリを開発し、それを広告をつけて一般公開することで、広告料で売上を発生させることが可能です。広告だけでなく、システムやアプリの利用を有料にして売上を発生させる場合もあります。

自社開発の場合、自分たちで何を開発するか考えて開発するのが特徴です。

ラボ型開発とは?

受託開発・自社開発以外には、ラボ型開発という形態もあります。ラボ型開発の契約を顧客と結ぶ場合、開発企業は顧客専用の開発チームを編成することになります。顧客側の指示に従ってプロジェクトが終わるまでシステム開発を行います。

ラボ型開発を依頼する場合、自社専用のチームを確保できるため情報共有がしやすいメリットがあります。また、契約期間内であれば仕様変更や機能追加などを依頼することも可能です。

システム受託開発を依頼するメリット

メリット

システム受託開発を依頼するメリットは次の4つに分けられます。

    1. エンジニアを採用・育成するコストをなくせる
    2. システムの質を高められる
    3. サーバー・ネットワークなどの準備が不要
    4. 不具合があった場合に修正を依頼できる

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

1.エンジニアを採用・育成するコストをなくせる

システム受託開発を依頼することで、エンジニアを採用・育成するコストをなくすことができます。自社でシステムを開発する場合、プログラミングなどのスキルを持ったエンジニアを採用しなくてはいけません。そのうえ、エンジニアを育成するためのコストもかかります。

採用・育成コストが連続してかかるため、恒常的に開発を行う予定がなく、スポットでシステムを開発したいのなら、外部に開発を依頼した方がよいでしょう。

※関連記事
エンジニア一人月にかかる費用の相場|条件で変わる相場を解説

2.システムの質を高められる

システム受託開発を依頼することで、システムの質も高めることができます。受託開発を請け負う開発企業は開発のエキスパートであり、高度な技術を保持していることが多いためです。

たとえばECサイトを開発する場合、開発実績が豊富な企業であれば、人工知能を搭載したレコメンド機能を搭載したり、ユーザーにとって使いやすい検索機能を追加したりと、より高品質なサイトに仕上げることができます。

システムの質を高めた方が、ユーザー数や購入者数アップに繋がり、外注するためにかかったコスト分はまかなえる可能性もあるでしょう。

3.サーバー・ネットワークなどの準備が不要

システム受託開発を依頼することで、サーバー・ネットワークなどの準備が不要になります。

自社で開発する場合、システムを動かすための環境を構築しなくてはいけません。特にサーバーを設置する場合、24時間稼働し続ける必要があるため管理も大変になります。

最近ではAWSなどのクラウドサービスを使う方法が主流で、自社でサーバーを立てるのは少なくなりましたが、それでもサービスの月額料金はかかってしまうでしょう。受託開発を依頼する場合は、こういったインフラの構築費用は不要になります。

4.不具合があった場合に修正を依頼できる

受託開発を依頼する場合、納品したシステムに不具合があったとき、修正を依頼することが可能です。

基本的に受託開発では企業と請負契約を結びます。請負契約では成果物に対して報酬を支払うため、受領前に不具合が見つかった場合、修正を要求することができます。

反対に準委任契約では労働に対して報酬を支払うため、不具合が発見されても修正してもらえるとは限りません。こういった契約の形態の違いは覚えておくと良いでしょう。

システム受託開発を依頼するデメリット

続いてシステム受託開発を依頼するデメリットを解説します。デメリットは次の3つです。

    1. 開発ノウハウが社内に蓄積されない
    2. 顧客のニーズをおさえてくれるとは限らない
    3. 情報漏えいのリスク

1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。

1.開発ノウハウが社内に蓄積されない

システム受託開発を依頼してしまうと、開発ノウハウが社内に蓄積されなくなってしまいます。

そのため、いつまでも自社で開発ができず、外部に依頼し続けなければいけなくなるでしょう。恒常的にシステム開発を行いたい場合は、自社でシステム開発を行える体制を構築した方が良い可能性もあります。

また、システムにバグが発生したり、トラブルがあったりしたときも自社に開発のノウハウがないと困るでしょう。自社で開発を行えば、システムの作りを理解しているため、バグやトラブルの原因を突き止めるまで、時間がかかりません。一方で受託開発したシステムは作りをよく理解していないため、都度依頼した会社に修正を依頼することになりコストがかかってしまうのです。

2.顧客のニーズをおさえてくれるとは限らない

システム受託開発を依頼する場合、開発企業が自社のニーズを正しくおさえてくれるとは限らない点に気をつけましょう。

たとえば、顧客管理システムの開発を自社で行う場合、自社のエンジニアは営業部門にどのような機能を欲しいのかいつでも聞くことができます。

しかし、開発を外注する場合、外部のエンジニアはどのようなシステムが欲しいかいつでも聞けるわけではないです。そのため、ニーズに完璧に沿ったシステム開発が難しい可能性があります。

ニーズに沿ったシステム開発を行ってもらうためには、窓口担当者にシステムの要望を事細かに伝えることが重要です。事前に細かく伝えればある程度齟齬を減らすことができるでしょう。また、開発中、密にコミュニケーションを取ることも大事です。

3.情報漏えいのリスク

システム開発を外部に依頼する場合、心配になるのが情報漏えいのリスクです。

開発するシステムによっては、ユーザーの個人情報や企業情報を外部に公開しないといけない場合があるでしょう。開発企業が情報を漏らしてしまった場合、自社に被害が発生してしまいます。

そこで、開発を依頼する際にはNDAをしっかり結ぶ必要があるでしょう。また、開発企業が他の下請け企業に開発の一部を外注する場合は、下請け企業にもしっかりNDA契約を結んでもらうように依頼することが重要です。

システム受託開発を依頼する流れ

システム受託開発を依頼する場合、次の4つに流れに沿って行うのが基本となります。依頼の流れを覚えておくと、いざ依頼する際は戸惑わなくて済むでしょう。

    1. 開発を依頼する
    2. 担当者と打ち合わせ
    3. 開発企業と契約
    4. システムの受け取り

1つ1つの手順について詳しく解説していきます。

1.開発を依頼する

まず、システム受託開発を依頼するところから始まります。

開発を依頼したい企業を見つけたら、その企業のサイトにある連絡フォームからコンタクトを取りましょう。連絡後に電話やメールが返ってきて、初回の打ち合わせをいつにするか決める、といった流れが多いです。

なお、初回打ち合わせ前に提案依頼書の作成を求められる場合もあります。提案依頼書には、システムの概要や開発によって解決したい問題などをまとめなくてはいけません。提案依頼書はなるべく詳細まで記載した方が、打ち合わせがスムーズに進みやすくなります。

2.担当者と打ち合わせ

次に、開発企業の窓口担当者と打ち合わせを行いましょう。

基本的に窓口担当者とどんなシステムを開発するか、相談することになります。打ち合わせは対面で行われる場合もあれば、オンラインの場合もあります。

システム開発に関する疑問点があれば、遠慮なく担当者に相談した方が良いです。また、システム開発の要望に関しても細かく言った方が、企業側が開発を進めやすくなります。

3.開発企業と契約

次に、開発企業と契約を行います。

企業側は打ち合わせ内容を元に見積書や契約書を作成するため、それらの資料を確認しましょう。疑問がある場合は担当者に質問しましょう。

問題がなければ開発企業と契約を行います。契約後は、開発企業が開発を進めていくわけですが、開発が丸投げにならないように細かく進捗管理を行うなど、開発チームの一員として関わる姿勢を持つことが重要でしょう。

4.システムの受け取り

システム開発が完了次第、システムの受け取りを行います。

納品前に依頼側が受け入れテストを行わなくてはいけない場合もあります。受け入れテストとは、実際にシステムを動かす環境で問題なく動作するか確認するためのテストのことです。

受け入れテストを行い問題なければ納品となります。納品後は請求書が発行されるため、期日内に振り込みを行って完了です。運用・保守サポートも依頼している場合は、その後も継続して開発企業と関わっていくことになります。

システム受託開発を依頼するポイント

システム受託開発を依頼するポイント

最後に、システム受託開発を依頼するポイントについてまとめました。次の3つのポイントを意識することで、自社にとって最適な開発会社を選定することができ、希望通りのシステムを手に入れることができるでしょう。

    1. 開発したいシステムの実績が豊富か
    2. 見積もり金額は適正か
    3. 開発企業の業績は安定しているか

1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

1.開発したいシステムの実績が豊富か

1つ目は開発したいシステムの実績が豊富か確認することです。

A社はスマホアプリ開発が得意でB社は人工知能開発が得意、など開発企業にとって得意な開発分野は異なります。依頼したい分野の開発が得意な企業に依頼した方が、当然納品されるシステムの質は高くなるでしょう。

契約前に担当者にどういったシステム開発の実績があるか質問することが大切です。過去の実績を確認することで、その会社の得意分野が見えてきます。

2.見積もり金額は適正か

2つ目は見積もり金額が適正か確認することです。

システム開発を依頼する場合、基本的には複数の開発企業に相談し各企業が提示した見積書を比較するようにします。単に見積もり金額が安いだけでなく、システムの機能に金額が見合っているかを確認することが大切です。

なお、システム開発の費用をなるべく抑えたい場合、オフショア開発を行う企業に依頼することをおすすめします。オフショア開発に関する詳しい解説は以下の記事で行っているので、併せてお読みいただけると幸いです。

※関連記事
オフショア開発とは?メリットや成功のポイントを解説!

3.開発企業の業績は安定しているか

3つ目は開発企業の業績が安定しているか確認することです。

その会社の業績が安定しているなら安心して開発を依頼することができます。開発が完了してからも運用・保守を任せることができるためです。また、業績が安定している企業の方が、当然システムの質も高くなるでしょう。

まとめ

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

    • システム受託開発とは、他企業や個人から依頼されたシステムを開発すること
    • システム受託開発を依頼するメリット:エンジニアを採用・育成するコストをなくせる/システムの質を高められる/サーバー・ネットワークなどの準備が不要/不具合があった場合に修正を依頼できる
    • システム受託開発を依頼するデメリット:開発ノウハウが社内に蓄積されない/顧客のニーズをおさえてくれるとは限らない/情報漏えいのリスク
    • システム受託開発を依頼する流れ:開発を依頼する/担当者と打ち合わせ/開発企業と契約/システムの受け取り
    • システム受託開発を依頼するポイント:開発したいシステムの実績が豊富か/見積もり金額は適正か/開発企業の業績は安定しているか

システム受託開発を依頼する際はやはり企業選定が重要となります。これまでの実績が豊富でスキルが優れていることが分かり、かつ低価格で行ってくれる企業を探すことがポイントです。

どの企業に依頼すべきか分からない場合、株式会社エイチビーラボにご相談ください。

株式会社エイチビーラボでは、ベトナムに特化したオフショア開発サービスを提供しております。お客様の要望を的確に反映した高品質なシステム開発の実績が豊富です。システム開発でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご相談から、開発、運用まで親身にサポートいたします。

【システム受託開発  関連記事】

この記事をシェアする

人気の投稿

著者

株式会社HBLAB
株式会社HBLAB
HBLABは、顧客満足度の高いサービスを提供し、IT業界全般、特にオフショアに関する情報を参考することで最適な意思決定に役に立つことを目指しています。経験豊富なアドバイザーによる意見やコンサルティングを含む高品質なブログ記事を配信しています。

関連記事

お問い合わせ

個人情報の取扱いに関する確認事項を必ずお読みの上、お問い合わせ下さい。「*」 は必須入力項目です。

Scroll to Top