Unityでゲーム開発を行い、宣伝効果などのビジネスチャンスを期待する企業も多いでしょう。この記事では、Unity開発について説明します。Unity開発にどのような特徴があるのか、メリットデメリットを確認し、Unityについて理解を深めましょう。
Unityとは?
Unityとはユニティ・テクノロジーズが開発しているゲームエンジンのことで2005年に誕生しました。ゲーム初心者でも開発しやすく、様々なプラットフォームに対応していることが特徴です。
ゲームエンジンとは、ゲームを開発するためによく使用する機能をひとつのツールにまとめたものになります。ゲームコンテンツ共有の振る舞いや処理を自分で作成することなくゲームエンジンに任せることによって、ゲームの開発工程が効率化され、コンテンツ自体の質の向上につながるのです。
家を作る際に1から設計するのではなく、あらかじめ建てられている家に自分の好きな家具や庭などをカスタマイズしていくイメージとなります。
Unityはゲームエンジンの中で最も使用されていて、全世界で100万人ものユーザーが使用しています。無料で使える機能には制限があるため、Unityの機能をもっと活用したいと考えている方は月額のサブスクリプションプランに登録する必要があります。
Unity開発のメリットとデメリット
Unityは初心者でも扱いやすいためユーザー人口が多く、さまざまなプラットフォームで活躍していますがデメリットも存在します。ここからはUnityのメリット・デメリットを深堀りしていきます。
Unity開発のメリット
①初心者でも最先端のゲームを簡単につくれる
本来3Dのゲームを作成するには複雑なプログラミングなどの技術が必要になってきます。しかし、Unityで開発することで、その高度な知識がなくとも、重力や当たり判定などの動きがあらかじめ準備されているため、それらを組み合わせることで容易に開発できます。
またAsset Storeからゲーム作成において必要な絵やサウンド、背景などを購入することができるため、プロが作成した本格的なゲームの部品を使って開発することもできるのです。Asset Storeにあるパーツを積極的に使うことで、1からパーツを作ることなく品質の高いゲームが開発できます。
②プラットフォームに依存しない
Unityで開発するメリットとして、プラットフォームに依存しないという点が挙げられます。
さまざまなPC、モバイルに対応しているため、特定のOSでしか作成できないなどの制約がなくゲーム開発を行うことができるのです。ゲームをリリースするときも、限られたプラットフォームでしかリリースできない訳ではないため、安心してゲーム開発を進めることができます。以下、Unityが対応しているプラットフォームです。
PC
→windows、MacOS、Linux
VR/AR
→Oculus、Rift/Gear、VR/Playstation、VR/Microsoft HoloLens/Steam、VR/Vive/Google Daydream
モバイル
→Android、iOS、Windows Phone、Tizen、Fire OS
ゲーム機
→PS4、PSVITA、Xbox、Switch、3DS
ゲームをリリースするときは、iPhoneとAndroidで仕様が変わってくるため、あらかじめどちらでリリースしたいのかを決めておくことをおすすめします。
③コストを抑えることができる
年商が10万ドル(約1300万円)以下であれば、Unityは無料で使うことができます。これだけの機能を無料で使えるのはおどろきです。他にも法人の場合、フリーランスの場合で以下のように料金体系が変わってきます。
▼法人の場合
所属する会社の年間収益、ならびに資金調達(自己資金を含む)の過去12ヶ月の合計が20万米ドル以上の場合 Unity Pro を契約する必要があります。
▼フリーランスの場合
個人の年間収益、ならびに資金調達(自己資金を含む)の過去12ヶ月の合計が20万米ドル以上の場合、Unity Pro を契約する必要があります。
詳しくは公式HPからご確認ください。
④2D、3Dのゲームを作成できる
ゲームを作成する際に、2Dか3Dかを選択することができます。2DのゲームだとRPGゲームなど、3Dのゲームは主人公目線でゾンビを倒すサバイバルゲームなどが挙げられます。
本来であれば、どちらも高度なプログラミング技術がなければ開発できませんが、フォーマットや部品は準備されているため、比較的簡単にゲーム開発を進めることができます。
⑤情報量が多く参考にしやすい
世界中でUnityを利用している開発者は、400万人以上いると言われています。開発者人口に比例してUnityに関する情報はネット上にたくさんアップロードされていますし、書籍も豊富に存在します。
どのプログラミングでも当てはまりますが、英語で記載された情報が多いですが、日本語で書かれた情報も数多く存在します。エラーで困ったときは、掲示板を確認すれば大体のことは記載されていますし、記載されていなければエラー内容を投稿すると解決法を提示してくれるかもしれません。
どうしてもゲームを開発するのが不安であれば、あらかじめUnityゲーム開発に詳しい方と接点を持っておくとトラブルもスムーズに解決することができるでしょう。
⑥Asset Storeが便利
Asset Storeというゲームを作るのに必要な素材をダウンロードすることができるショップが非常に便利です。
Asset Storeではゲームに必要なイラストやグラフィック、背景、サウンドなどが豊富に取り揃えられており、有料(一部無料)でダウンロードすることができます。個人で技術力がなくてもプロの素材を使ってゲームの開発を進めることができます。また、Asset Store では素材を販売することもできます。
Unity開発のデメリット
アプリの起動が遅い
Unityで作られたゲームは起動が遅いと言われています。緩和する方法は、ネット上で紹介されていますが、根本的な解決は難しいしょう。
Unityが遅い理由は、画像の使用枚数が多いためと言われており、各プラットフォームごとにファイル形式が異なるため、それを読みこむ際の変換に時間がかかってしまいます。
エディタが基本英語
Unityは海外のサービスであるため、当然ながら英語のエディタが多くなっています。簡単な英語が多いため、そこまで困りませんが、苦手な方にはデメリットに感じてしまうかもしれません。しかし日本語の解説も多く存在するため、どうしても英語が読めない方はそちらでカバーすることができます。
Unity開発を依頼する流れ
ここからはUnity開発を企業に依頼するときの流れを説明します。基本的な流れはアプリ開発を依頼する場合と変わりません。
①事前準備
はじめにどのようなゲームアプリを開発するのか内容を整理しましょう。まずは以下の点を整理しておきます。
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- 開発目的
- ジャンル
- ターゲット層
- リリース日
- 収益化は可能か
- 必要なコストの洗い出し
上記のポイントを固めておくことで後のトラブルを回避することができます。信頼できる企業の担当者とすり合わせを行い、無理なスケジュールを組んでいないか、ビジネス的なメリットを教授することができそうかなどを固めておきましょう。
②プラットフォームを決める
実際にゲーム開発に進む前に、ゲームアプリをどのデバイスに対応させるかを決めておく必要があります。
スマートフォン用のアプリであれば、iOS、Androidどちらも対応できるようゲーム開発を進めますが、それ相応の工数がかかるため、費用が高額になってしまいます。あらかじめ対応するプラットフォームを決定することは、費用や開発スケジュールの計画を立てる際に必須です。
③要件定義
Unityのゲーム開発に限らず、システムを開発するときは、要件定義を行う必要があります。
要件定義とは必要な機能、操作性、見た目、どれくらいの負荷に耐えられるのかなど、ユーザーの要求をまとめて、開発者側が実現可能な要件をまとめた資料のことです。要件定義をまとめる段階でゲーム開発の企業側と話し合い、事前準備で定めた要求をどこまで実現可能かどうかを確認しておきましょう。
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④契約
開発企業とすり合わせを行い、納得がいく開発を進めることができると判断できれば、正式に契約を結びます。
コストはいくらかかるのか、リリース日はいつになるのか、必要な条件を満たしているのかなどをしっかりヒアリングし、信頼のおける開発会社と契約を結びましょう。
⑤設計
要件定義をもとに機能や性能を定める外部設計を行います。
次にユーザーからは見えない内側の処理である、内部設計を行う流れとなります。外部設計ではゲームがどのように進んでいくのか、主人公はどのようなアクションをとるのかなどを設計していきます。内部設計では、外部設計で定めた機能を内部的にどのように処理していくのかを設計し、外部設計を実現していくことになります。
⑥デザイン
アプリの画面を指すUIデザインや操作性をデザインするUXデザインを行います。
スタイリッシュな見た目、操作性にするのか可愛らしいものにするのか、あらかじめ要件定義などで行なったすり合わせをもとにデザインを決定していきます。このときあらかじめ定めたターゲットに合わせたデザインであることが好ましいでしょう。
例えば、20代前半の女性をターゲットにしたゲームなら、かっこよさより可愛さを重視したデザイン。また、30代の男性をターゲットにしたゲームなら、スタイリッシュでかつ、大人が使っても違和感がないUI / UXを実現するのです。
⑦開発
固めた設計とデザインをもとに実際に開発を行なっていきます。内部設計書やデザインを具体的に決めていれば、円滑に開発を進めることができるでしょう。発注者が技術者でない限り、中身の処理まで理解することは難しいため、具体的な処理内容まで把握する必要はありません。
⑧テスト・納品・リリース
開発が一通り終われば、ゲームが正常に動くかテストし、問題なければ納品となります。スマートフォン用のゲームリリースであれば、Google PlayやApp Storeの審査を通してようやくリリースすることができます。それぞれのプラットフォームの審査を通す手続きは開発会社ではなく、依頼元である会社が担当します。漏れているとリリースできないため、注意が必要です。
Unity開発を成功させるコツ
Unity開発にはさまざまな工程を経て開発が進んでいくため、多大なコストがかかってしまいます。
そこで完成したゲームなどの成果物が思っていたものと違っていたり、想定した働きをしなければ、大きな損失を受けてしまうことになりかねません。ここからはUnity開発を失敗しないためのコツを紹介します。
①事前に費用を確認しておく
Unity開発の相場を確認しておきましょう。相場を知っておかないと思ったよりも大きな費用がかかってしまったり、全然費用が足りなくて開発が頓挫してしまうことになりかねません。
ゲームアプリは操作性やビジュアル要素など、開発コストが増加する要因が多く、300万円〜1000万円が相場になってきます。
例えばショッピングカードなどの開発は、100万円〜300万円と考えるとゲーム開発の相場がどれくらい高いか理解できるでしょう。それほどゲーム開発は複雑で高い技術が必要とされているのです。
②ゲーム完成のイメージを明確にしておく
ゲームの開発を企業に依頼し、思っていたのと違う..となってしまうのはとても悲惨です。
Unityのゲーム開発を頼む前に以下の点をあらかじめまとめておき、方向性をあらかじめ固めた上で開発を依頼しましょう。
-
- 開発目的
- ジャンル
- ターゲット層
- リリース日
- 収益化は可能か
- 必要なコストの洗い出し
③依頼会社の実績を確認しておく
もし相場よりも格安でUnityのゲーム開発を受けてくれる企業があれば、少し待った方がいいかもしれません。
価格が安いということは実績がまだない企業の可能性があり、そのような企業に開発をお願いすると、期待している開発をしてくれない場合があります。多少高くても実績がある企業に開発を依頼し、期待通りのゲームが納品されれば、結果的にコストカットに繋がるでしょう。
④どのプラットフォームで動作するのかを明確にしておく
Unityはさまざまなプラットフォームで動作することができるため、どのプラットフォームで動作するのかをあらかじめ明確にしておく必要があります。どのユーザー層をターゲットにしているのか等を明確にし、動作するプラットフォームを定めるようにしてください。
まとめ
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
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- Unityは専門的な知識は不要でゲーム開発をすることができる
- Unityはさまざまなプラットフォームに対応している
- Unity開発を企業に依頼する場合は要件を明確にする必要がある
- Unityのゲーム開発は相場が高い。実績がある企業を選定する必要がある。
Unity開発はコストも高いですが、良い企業に開発を頼み期待通りの開発を進めることができれば大きなビジネスチャンスにつながります。
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