Webシステムとは何かわからない方もいるのではないでしょうか。本記事ではWebシステム開発との定義や具体例、メリット・デメリット、依頼方法について解説します。
Webシステム開発とは?
Webシステムとは、インターネット経由でWebブラウザを通じて利用できるアプリやゲームなどのシステムのことです。
たとえばSNSやECサイトなどは基本的にWebシステムに該当するでしょう。
IT業界には、自社サービスとしてWebシステムを作りユーザーに提供する企業や、他企業からWebシステム開発を依頼を受けて要望通りに開発する企業が多くあります。
Webサイトとの違い
WebサイトとはWebブラウザから見れられるページの全般を指します。つまりWebサイトもWebシステムの一部ということです。
ただしWebサイトは、サーバー内で特に処理は行わず単にページを表示しているサイトも含みます。たとえば、企業サイトの会社概要ページは、情報をそのまま表示するだけで、内部でデータベースの更新処理やログの出力などはしていません。
Webサイトには「動的なページ」と「静的なページ」があり、Webシステムは動的なページを指します。ECサイトやSNSなどは動的なページです。
Webアプリとの違い
WebシステムとWebアプリは同じ意味で使われることが多いです。ECサイトやSNSなどはむしろWebアプリと呼ばれることの方が、一般的には多いかもしれません。
Webシステムという呼び方は、IT業界内で使われることが多いです。また、一般ユーザー向けではなく社内向けのネットで使えるシステムをWebシステムと呼ぶ場合もあります。
Webシステムの基本的な仕組み
Webシステムの仕組みを解説します。
まず、Webシステムを動かすにはWebサーバーが必要です。サーバーとはサービスを提供するコンピューターのことであり、Webサーバーはネット経由で訪れたユーザー(クライアントと呼びます)に対してさまざまなサービスを提供します。
たとえば、ユーザーがECサイトに来訪したとしましょう。すると、Webサーバー内のプログラムが作動し、ECサイトの表示に必要な処理を行います。ECサイトの商品情報が格納されているデータベースからデータを取り出したり、Aという商品を閲覧した人にBという商品を表示する、などです。
ECサイトの表示に必要な処理が完了したらWebページを作成し、それをユーザーのPCやスマホなど閲覧しているデバイスに返します。最後にそのデバイスのブラウザがWebページを表示して完了です。この一連の流れがWebシステムの大きな役割となります。
Webシステムの具体例
Webシステムには具体的にどのようなものがあるでしょうか。代表的なWebシステムを4つ解説します。
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- ECサイト
- SNS・掲示板
- マッチングサイト
- 業務システム
これらについて知ることでWebシステムが他のシステムやアプリと何が違うのか、イメージできるでしょう。1つ1つのWebシステムの例について詳しく解説していきます。
1.ECサイト
ECサイトはインターネット経由で商品の販売・購入ができるサイトです。たとえばAmazonや楽天市場などがECサイトに該当します。
ECサイトを開発する場合、商品一覧ページや購入ページ、決済処理、などをすべて開発する必要があり、1から作るのはかなり大変です。そのため1から作るのではなく、フレームワークと呼ばれる枠組みを使って開発する企業もあります。ECサイトはWebシステムを代表する例です。
2.SNS・掲示板
SNSや掲示板はプラットフォーム上で他のユーザーと交流したりメッセージを発信したりできるWebシステムです。たとえばTwitterやFacebook、Youtubeなどが該当します。
SNSを開発する場合、ログイン機能や投稿機能、拡散機能などをすべて開発する必要があり、やはり開発コストが多くかかるためフレームワークを利用する場合が多いです。
また、SNSには大人数が一斉に書き込む可能性もあるため、サーバーに負荷がかかることもあります。負荷がかかった場合にも正常に作動できるよう、何らかの対策が必要です。
3.マッチングサイト
マッチングサイトは、恋愛系や採用サイトなど、誰かと誰かがマッチングするためのサイトです。恋愛系ではペアーズ、採用サイトではリクナビなどが該当します。これもWebシステムです。
マッチングサイトには、企業や個人を検索できる機能やメッセージを送信する機能、評価機能などが必要です。また、最近では人工知能が搭載されており、相性の良い人を自動的に紹介してくれるサービスもあります。
4.業務システム
給与管理システムや顧客管理システムなどの業務システムも、クラウド化されていればWebシステムとみなされる場合が多いです。
クラウド化することで、社外からでもネットさえ繋がればアクセスできるメリットがあります。反面、ネットに接続する分セキュリティー面を強化しなくてはいけません。
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Webシステムを開発するメリット
Webシステムは他のシステムやアプリに比べて次の3つのメリットがあります。
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- インストール不要
- どの端末からでもアクセスできる
- 改良が容易
これらのメリットがあるため、多くの企業がWebシステム導入を図っています。1つ1つのWebシステムのメリットについて詳しく解説しましょう。
1.インストール不要
Webシステムはインストールが不要であり、ブラウザを開くだけで使うことができます。
スマホアプリやWindowsアプリと違い、インストールせずに使うことが可能です。ブラウザから利用、閲覧できるため、ユーザーにとって利用ハードルが低いと言えるでしょう。
2.どの端末からでもアクセスできる
Webシステムはどの端末からでもアクセスすることができます。自宅ではパソコンから使い、出先ではスマホから使うといった使い分けが可能です。どの端末からアクセスしても、システムは同じように使えます。
ただし、ブラウザを変えると挙動が変わってしまう場合もあるので注意です。たとえば、Google Chromeでは正常に動くがFrirefoxでは動かないということはあるため、複数のブラウザで挙動チェックを行う必要はあるでしょう。
3.改良が容易
Webシステムはインストールの必要がないため、改良時にユーザーに再インストールの手間をかけることがないです。そのため、比較的改良を加えやすいと言えます。
実際、オンラインゲームやSNSなどは、ユーザーから要望が多く寄せられる度に改良することが多いです。ユーザーからの評判に応じて柔軟に変更を行うことで、完成度の高いWebシステムに仕上げることかできます。
Webシステムを開発するデメリット
高品質なWebシステムを開発するには、Webシステムの良い面だけでなく悪い面も知り、悪い面をどう解決していくか考えることが重要と言えます。
Webシステムの代表的なデメリットは次の2つです。
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- セキュリティー対策を行う必要がある
- 障害発生時はサービスの提供が止まってしまう
1つ1つのデメリットについて詳しく解説しましょう。
1.セキュリティー対策を行う必要がある
Webシステムは公共のインターネットに常時接続しているため、外部からの攻撃を受けやすいのがデメリットです。
たとえば、不正アクセスによるユーザー情報の漏洩などのリスクがあります。情報漏えいが起こると何億もの損害賠償請求が発生する可能性もあるため、対策は必須です。
SQLインジェクション対策やクロスサイトスクリプティング対策など各セキュリティー対策を行える人材が必要になります。または外部のセキュリティー対策を専門に行っている企業に依頼してもよいでしょう。
2.障害発生時はサービスの提供が止まってしまう
Windowsアプリなどの場合、社内の環境に問題が起きてもユーザーは正常に使い続けることが可能です。
一方、Webシステムは社内のサーバーがダウンしてしまうと、サービスの提供が止まってしまいます。そのためシステムの重要度などに応じて、サーバーの二重化などの対策を打たないといけません。
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Webシステム開発を行う場合に必要なもの
Webシステム開発を外注ではなく自社で行いたい場合もあるでしょう。そこで、Webシステム開発を自社で行う方法について簡単に解説します。
Webシステム開発を行う場合に必要なものは次の3つです。
-
- Web開発ができる人材
- サーバー
- データベース
Webシステムを外注せずに自社で行う場合、これら3つを用意しなければいけません。1つ1つの必要なものについて詳しく解説します。
1.Web開発ができる人材
Web開発ができる人材を確保する必要があります。
Web開発にはプロジェクトを取りまとめるプロジェクトリーダー、Webディレクター、プログラミングを行うプログラマー、Webサイトのデザインを作るWebデザイナー、サーバー・ネットワークを管理するインフラエンジニアなど、たくさんの人材が必要です。
これらの人材をすべて確保するのは容易ではありません。人材の確保が難しい場合、Webシステムの開発を外注した方が良いと言えます。
2.サーバー
Webシステムを運用するにはWebサーバーが複数台要ります。Webサーバーとして使うコンピューターはLinuxOSのものが多いです。LinuxOSは無料で使うことができます。
また、一般的なコンピューターをサーバーとして使うためには、Apacheなどのサーバーソフトをインストールしなくてはいけません。加えて、サーバーを運用するためのスペースも必要になるでしょう。
ただ、最近はサーバーを自社で管理することは減りました。代わりにAWSやGCPなどのクラウドサービスを使うことが増えたためです。
クラウドサービスに関しては以下の記事を参考にしてください。
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3.データベース
SNSやECサイトなどのWebシステムでは、顧客情報や商品情報を管理するためのデータベースを用意しなくてはいけません。
データベースは専用のデータベースサーバーに保管するのが一般的です。データベースサーバーには、Webサーバーのみしかアクセスできないようにしてセキュリティーを確保します。
データベースに関する詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。
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Webシステム開発を依頼する方法
Webシステム開発は自社で行うとエンジニアの採用費用や設備費用などがかかるうえに、開発を始めるまで時間がかかってしまいます。
Webシステム開発を行いたい場合、外注するのも選択肢の1つです。Webシステム開発を外部に依頼する場合、次の2つの形態があります。
-
- 受託型
- 常駐型
1.受託型
受託型はWebシステム開発を開発企業やフリーランスに一括でまかせる形態です。
開発企業とは請負契約を結び、システムの納品が完了した時点で報酬の支払いが発生します。逆に言えば、システム開発が頓挫した場合報酬を支払わなくて良いということです。
受託型は開発企業にすべて任せられるため、自社でエンジニアを管理する手間がかかりません。反面、開発に介入しない分システムの中身がブラックボックス化してしまい、自分たちで改修ができなくなる可能性があります。
2.常駐型
常駐型はSES企業と呼ばれる人材派遣会社に、人材の派遣を依頼する形態です。別名ラボ型と呼ばれています。
常駐型の場合、エンジニアに自社で働いてもらうことが可能です。自社でエンジニアを管理する手間がかかる反面、直接開発の指示を出せるのがメリットでしょう。
常駐型(ラボ型)に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
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ラボ型開発とは?メリット・デメリットや請負型開発との違いを解説!
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
-
- Webシステムの具体例:ECサイト/SNS・掲示板/マッチングサイト/業務システム
- Webシステムを開発するメリット:インストール不要/どの端末からでもアクセスできる/改良が容易
- Webシステムを開発するデメリット:セキュリティー対策を行う必要がある/障害発生時はサービスの提供が止まってしまう
- Webシステム開発を行う場合に必要なもの:Web開発ができる人材/サーバー/データベース
- Webシステム開発を依頼する方法:受託型/常駐型
Webシステム開発には多くのエンジニアが必要となるため、人材確保が難しい場合開発を外注することをおすすめします。
どの企業に外注すべきか分からない場合、株式会社エイチビーラボにご相談ください。
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