クラウドサーバーとレンタルサーバーの違いは?メリット・デメリットも含め徹底比較

2022年9月7日

「クラウドサーバーとレンタルサーバーってどう違うんだろう…?」
「クラウドサーバーに移行したいけど必要な費用は…?」
「クラウドサーバーとレンタルサーバーのメリットデメリットは…?」

などクラウドサーバーとレンタルサーバーの違いについて疑問を持たれている方も多いでしょう。この記事ではクラウドサーバーとレンタルサーバーの違い、それぞれの特徴、メリットデメリットについて解説します。

自社で運用しているサーバーはクラウドサーバーが適しているのか、レンタルサーバーが適しているのか判断する際に参考になるはずです。

クラウドサーバーとは?

クラウドサーバーに疑問を持っている

クラウドサーバーとは、ネットワークを通じて事業者が提供するサーバーを借り受けできるサービスです。オンライン環境とアカウントがあれば、どこにいてもサーバーにアクセスすることができます。

また、サーバー内のデータを複数人で共有することもできます。共有のアカウントがあれば、離れた場所にいてもクラウドサーバーにアクセスして、データを共有することができます。反対にオンプレミスの場合は、自社内の環境でないとサーバーにアクセスできないため、これが大きな違いです。

※関連記事
オンプレミスとは?メリット・デメリットやクラウドとの違いを解説!

クラウドサーバーの特徴

クラウドサーバーとはインターネット経由で1台の物理サーバー内に仮想化した専用サーバーを個別に設置するサービスです。

クラウドサーバーは、マンションに例えるとわかりやすいかもしれません。それぞれの住人のスペースが分けられており、一部屋にキッチン、バス等(メモリやCPU)がついており生活を完結させることができます。キッチン、バス等を他の住人と共有することはありません。

大きく3つの種類がある

クラウドサービスには種類があり、大きく以下の3つに分類されます。

    • SaaS
    • PaaS
    • IaaS

それぞれの特徴について解説します。

SaaS (Software as a Service)

SaaSとは「Software as a Service」の略で、「サース」または「サーズ」と呼びます。ベンダーが提供するクラウドサービスにあるソフトウェアをインターネットを経由してユーザーが利用できるサービスです。すぐにサービスを提供できるというメリットがある反面、カスタマイズの幅が狭いというデメリットがあります。

例えば、Gmailやヤフーメールに代表されます。その他、顧客管理や営業管理などさまざまなビジネスツールがSaasで提供されています。

PaaS (Platform as a Service)

PaaSは「Platform as a Service」の略で、「パース」と呼びます。

クラウドサービスとしてハードウェアや開発環境を構築するためのプラットフォームを用意してくれます。

PaaSを提供している代表的なクラウドサービスの例として、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などが挙げられます。

IaaS (Infrastructure as a Service)

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、「イアース」または「アイアース」と呼びます。

サーバーなどのハードウェアとネットワークをクラウドサービスとして提供しているので、物理デバイスやネットワークの配線・設定など業者が管理していきます。

IaaSを提供している代表的なクラウドサービスの例として、PaaSと同じくAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)の3つが挙げられます。

レンタルサーバーとは?

レンタルサーバー

レンタルサーバーとは、事業者からサーバーをレンタルするサービスとなります。

レンタルサーバーはシェアハウスのイメージを持っていただけるとわかりやすいかと思います。自分の部屋(Webスペース)があるものの、他のユーザーとCPUメモリは共用です。

以前はサーバーを購入し自社で運用していく、オンプレミスが一般的でした。しかし、オンプレミスは運用のコストが高いこと、災害などのリスクに対応できないなどのデメリットがあり、サーバーをレンタルすることが広がってきました。

レンタルサーバーの特徴

自社でサーバーの運用管理をしようとすると、専門的な知識が必要となり、サーバーを稼働させる電気代などのコストがかかってしまいます。

自社で専門知識のある人材を確保するのは難しく、未経験者を教育するのも大きなコストがかかります。レンタルサーバーを使うと、そのような運営・管理は専門業者がやってくれるため、安定して稼働することができコストも抑えることができます。

大きく3つの種類がある

レンタルサーバーには以下の3つの種類が存在します。

    • 専用サーバー
    • 共有サーバー
    • VPS

それぞれの特徴を解説します。

専用サーバー

専用サーバーは、1つのサーバーに対して1人のユーザーだけが利用します。共有してサーバーを使用しているわけではないため、設定の自由度が高く、使用できる容量も大きいです。一方、料金は比較的高価でサーバー設定などの専門知識が必要です。

例えるなら、一軒家をレンタルし自由にカスタマイズが可能になっているイメージです。

共用サーバー

共有サーバーは、1つのサーバーを複数のユーザーが利用します。複数のユーザーが料金を負担しているため、1人あたりの値段が比較的安価になります。一方、共有でサーバーを利用しているため、設定の自由度は低く使用できる容量も大きくありません。

例えるなら、シェアハウスを複数人で借りて、キッチン、トイレ等を共有で使用しているイメージです。

VPS

VPS(Virtual Private Serverは、共有サーバーと専用サーバーの特徴を備えたサーバーです。1つのサーバーを複数人で利用するという点は共有サーバーと共通しています。しかし、VPSは1つのサーバー領域をユーザーごとに割り当てて専用サーバーのように利用することができます。

VPSは共有サーバーより自由度が高く、専用サーバーよりも安価です。一方サーバー設定などは自分で行う必要があります。

クラウドサーバー・レンタルサーバーのメリット・デメリット

メリットデメリット

ここからはクラウドサーバーとレンタルサーバーのメリット、デメリットについて解説していきます。両方の特徴を抑えて、自社にあったサービスを選定してください。

クラウドサーバーのメリット・デメリット

クラウドサーバーのメリット・デメリットについて解説します。なお、クラウドはIaaSの場合で比較します。

メリット

大きく3つのメリットを説明します。

・初期費用を抑えることができる

クラウド移行は初期費用が安く、導入障壁が低いという特徴があります。専用のサーバーや環境を構築せず、すでにあるサーバーや仮想サーバーを利用するため、初期費用はオンプレミスと比較したときに安く抑えられるのです。

またクラウド上で管理を行うため物理的なスペースを必要とせず、災害が原因でデータが破損する心配もありません。

・カスタマイズの自由度が高い

IaaSの場合ですが、環境構築の自由度が非常に高いため、カスタマイズ性に富んでいます。 CPUやストレージなどのスペックも、ユーザーが必要なタイミングで必要な分を自由に選んで利用することができるので、様々なニーズに対しコストを最適化しながらシステムの開発・構築が可能です。

・スペック変更が簡単にできる

クラウド上で運用を行うことによって、必要な時に必要な分だけサーバーの容量を増点させることができます。ストレージ不足で回転速度が落ちたり、オーバースペックで費用が無駄になったりしてしまうことがありません。

デメリット

・高度な知識が必要になる

クラウド別に利用可能なOS、データベース、ストレージが決まっていることがあります。今まで自社で運用してきたサーバーをクラウドに切り替えるとき、これまで通りに運用が可能か判断するには高度な知識が必要でしょう。

すぐにクラウドと契約するよりも、クラウドを専門に扱っている業者や企業に一度ヒアリングを行い、後悔しないサービス選定を心がけましょう。

・自社システムとうまく連携できない可能性がある

これまで自社で環境構築を行なってきた場合、新たに導入したクラウド環境と連携が取れず、以前と同じような環境構築ができない可能性があります。クラウド移行した後でもやりたいことが実現できるかを事前に確認しておきましょう。

レンタルサーバーのメリット・デメリット

ここからはレンタルサーバーのメリット、デメリットを説明します。自社に導入する際に参考にしてください。

メリット

・運用コストを抑えることができる

レンタルサーバーは1台のサーバーを複数人でシェアすることができます。従ってひとりひとりの運用コストが安く、レンタルサーバーの運営会社が設定や運用を行うため管理も楽です。

・高度な知識は必要としない

レンタルサーバーの運営会社が設定や運用を行うため、クラウドのように高度な専門知識は必要ではありません。初心者でも利用しやすいサーバーと言えます。

デメリット

・初期費用が発生する

レンタルサーバーは初期費用が発生します。初期費用を安く設定している業者も存在しますが、その分月額の料金が高くなる傾向にあります。そのため、レンタルサーバーを利用するのであれば、初期費用と月間にかかる費用を合わせて年間いくらかかるのかを確認しておく必要があります。

・カスタマイズの自由度が低い

共有している他のユーザーと同じ設定しかできず自由度は低くなります。自由にカスタマイズしないと業務に影響が出てしまう場合は、専用サーバーを使用するなどの工夫が必要です。

・スペック変更が柔軟にできない

業務が拡大し、より多くのストレージが必要になった際にスペックを上げることが必要になってきます。その際にレンタルサーバーは、年間で契約している場合など中長期的にスペックが固定されているため、スペック変更を柔軟に行うことができないというデメリットが存在します。

メリット・デメリットを表で比較(サマリー)

それぞれのメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。

メリット デメリット
クラウドサーバー ・初期費用が安い
・カスタマイズの自由度が高い
・スペック変更が簡単にできる
・高度な知識が必要になる
・自社システムとうまく連携できない可能性がある
レンタルサーバー ・運用コストを抑えることができる
・高度な知識は必要としない
・初期費用が発生する
・カスタマイズの自由度が低い
・スペック変更が柔軟にできない

 

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クラウドサーバー、レンタルサーバーをどのように使い分ければよいか?

クラウドサーバーとレンタルサーバーに疑問を持っている

以下のチェックポイントを参考にし、どちらのサーバーを利用すべきか検討してください。どれくらい費用がかかるか検討がつかないなら、信頼できる業者に相談することをお勧めします。

クラウドサーバーが適している方

    • 初期費用を安く済ませたい
    • 自由にカスタマイズを行いたい
    • スペック変更を頻繁に行いたい
    • 高度な知識を持った人材を確保できる
    • 自社システムとクラウドサーバーを連動させる技術がある

レンタルサーバーが適している方

    • 運用コストを抑えたい
    • 高度な知識を持った人材を確保するのが難しい
    • 初期費用を払うのは問題ない
    • カスタマイズの自由度が低くても問題ない
    • スペック変換を頻繁に行わない

使い方が大きく変化する使い方:クラウドサーバー

PoC開発における「PoC」は「Proof of Concept」の略で、「概念実証」という意味です。

システム開発では、新しいアイデアに実証性があるか、検証する必要があり、この際に利用される手法となります。またPoCに基づいて開発を進めることを「PoC開発」と呼びます。

自社で扱うサービスや人員を拡大したり、方針を大きく転換する予定があるなら、クラウドサーバーを導入することを推奨します。システム化、DXなど変化が激しい時代になり、企業にもますます変化が求められます。コストの削減、スペックの調整を考えるのなら、クラウドサーバーの利用を考えてもいいかもしれません。

※関連記事
PoC開発とは?DXで有効と言われるその手法について詳しく解説

利用目的が決まっている使い方:レンタルサーバー

逆に、利用目的がはっきり決まっておりこれからも人員や事業拡大する予定がないのであればレンタルサーバーを利用することを推奨します。また、個人での利用である場合など事業が小さい場合もレンタルサーバーを利用した方がコストを抑えることができるでしょう。

まとめ

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

    • クラウドサーバーとレンタルサーバーの違い
    • クラウドサーバーとレンタルサーバーのメリット、デメリット
    • クラウドサーバーとレンタルサーバーのどちらを選択すればいいのか

クラウドサーバーを導入することは、業務効率化、コスト削減につながりますがレンタルサーバーの方がメリットが大きい場合もあります。本記事を読んだ方はこの機会に導入を検討してみましょう。
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