「サーバーリプレイスとは…?」
「聞いたことあるけど、詳細は知らない…」
「意味はなんとなく知っているけど、必要なのか…」
などサーバーリプレイスについてお悩みの方も多いでしょう。この記事ではサーバーリプレイスについて解説します。
サーバーは精密機器ゆえに定期的にメンテナンスをしなければ突然ダウンしたり、回線速度が遅くなるなど日常の業務に多大なダメージを与えてしまう要因となってしまいます。
サーバーの切り替えやダウンが頻繁に起きる現場は、生産性が落ち進捗が滞ってしまったり、サーバーのメンテナンスに工数を奪われ、本当に必要な仕事に手が回らなくなったりします。
今回は重大な業務被害を避けるために、サーバーを定期的に新調しメンテナンスを行う「サーバーリプレイス」について解説していきます。
サーバーリプレイスとは
サーバーリプレイスとは、老朽化したサーバーを新しく交換することで元の状態に戻す事です。リプレイスとは取り替えるという意味で、状況に応じて部品の一部だけ交換する時もあれば、システムを丸ごと入れ替える場合もあります。
サーバーリプレイスが必要な理由
サーバーは常時稼働しているため、すぐにハードウェアのスペックが不足したり、ストレージの容量がなくなります。それらの原因はサーバーが消耗品であり、老朽化が進みやすいためです。
サーバーが老朽化し、重大なインシデントが起きてからでは遅く、計画的にメンテナンスを行うことが大切です。実際の現場では月に一回計画停電が行われ、その間にサーバーのメンテナンスを行なっているところが多いです。
しかし、メンテナンスのみの場合、老朽化を根本的に解決することは難しいため、サーバーを丸ごと入れ替えるサーバーリプレイスが必要になるのです。
老朽化に伴うトラブル発生への対策
一般的にサーバーの寿命を考えると、おおよそ5年を目安にサーバーを新しく取り替えるのがいいでしょう。
何十年も前に購入した電化製品の消費電力が大きく、最新のものと比べても性能が低くなってしまうように、サーバーの性能、消費電力も老朽化し、徐々にスペックダウンしていきます。
また、置き場所にも注意が必要で、直射日光が当たらない室内か地下にサーバーを置くといいでしょう。PC同様、サーバーを酷使すると熱を帯びやすいため、冷却するクーラーなども備え付ける必要があります。サーバーの老朽化に伴うトラブルを避けるためにサーバーリプレイスを行うのです。
ビジネスの生産性低下への対策
ビジネスの生産性低下への対策として、サーバーリプレイスを行います。
サーバーが老朽化すると、頻繁にダウンし予備機との切り替えが頻繁に起きます。その度に業務がストップし、ダウンした原因を調べ、どこで負荷が掛かっているのかを調査します。
サーバーを専門的に扱っているエンジニアが担当することが多く、その時間は無駄な時間となってしまうのです。
サーバーの費用を出し惜しみして、安くてお粗末なものを選んでしまうと後から後悔してしまう可能性が高いです。老朽化が進んだサーバーを使い続けるのではなく、リプレイスすることでエンジニア工数を本来あるべき仕事のみに向けることができ、生産性の低下を防ぎます。
ソフトウェアとハードウェアの保証への対策
WEBブラウザやメールソフト、PCの基本操作を担っているOSなどのソフトウェア、前述したサーバーやPC本体のハードウェアは、消費期限ともいうべき安心して使える期間が決まっています。
安心して使える期間を過ぎて使用している場合や、不具合を放置していると、セキュリティ面で重大なインシデントが起きたり、ビジネス面でも重大なインシデントが起きる危険性があります。保証期間が過ぎていないか定期的に確認することが重要です。保証期間を過ぎてしまった場合の対策としてサーバーリプレイスを行う場合もあります。
サーバーリプレイスを行うべきタイミングとは
サーバーの寿命を考えると、サーバーリプレイスを行うタイミングは5年を目安にするといいでしょう。
一般的には5年と言われているだけで、状況によってサーバーリプレイスを行うべきタイミングは以下のように変わってきます。
-
- 負荷具合:24時間/365日稼働するようなシステムかどうか
- 影響範囲:サーバーの不具合が起きた際にどこまで影響が及ぶか
- 予算:サーバーリプレイスを行うことができる予算があるか
- 時間:サーバーリプレイスをすぐに行うことができるか
負荷が高く、サーバーの不具合が起きると重大なインシデントにつながる場合は5年よりも短い期間でサーバーリプレイスを行う必要があるでしょう。なぜなら、老朽化が進みやすく、ビジネスインパクトが大きいので、目安よりも短いスパンでのリプレイスが必要となるのです。反対にそこまで負荷が高くない場合は、やはり5年周期で問題ないと考えられます。
サーバーリプレイスの手順
サーバーリプレースはしっかりとした手順を踏むことが重要です。以下、サーバーリプレースの大まかな手順です。
計画を立てる
サーバーを使い始めた当初と状況にも変化が起こり、必要な要件も変わってくるはずです。
準備を行わずにサーバーリプレイスを開始するのではなく、以下の点を洗い出し、明確にしておきましょう。
-
- サーバーの台数
- サーバーのバージョン
- サーバー上で動いているアプリケーションの種類
- 新サーバーの導入日、旧サーバーの導入日
- 現状の運用での問題点や要望
予算取りを行う
予算はサーバーの性能に直結します。
安いからという理由でサーバーを選んでしまうと、後から不具合が頻発してしまうため、後からストレージが膨らんでしまうことを想定してサーバーを選ぶのが良いでしょう。
かといってオーバースペックのサーバーを選んでしまうと予算を圧迫してしまいますのでサーバーの選定は慎重に行いましょう。
システム設計と試験運用をする
計画を立てた段階でまとめたサーバーの要件を元にシステム設計を行い、新しく導入したサーバーが問題なく動作するのか試運転をしていきます。
新しく導入したサーバーの設定を行なっていくのですが、ホスト名やIPアドレスを変更してしまうと、その情報を反映させるのに手間が発生しますし、のちの不具合の原因になりかねません。
サーバー移行を安全かつ円滑に行うためには、元の設定を引き継いで行う方が無難でしょう。
動作確認とフィードバックをする
サーバーリプレイスを完了させることができた後は、リプレイス前と同じく運用ができるかどうかをフィードバックする工程に入ります。
この時、インシデントが発生しデータが破損したり消えてしまっても問題がないようにバックアップを取ったり、テストデータを準備することをおすすめします。
サーバーリプレイスに必要な費用内訳とは
ここまで読んでいただいた方なら、サーバーリプレイスの重要性を理解していただけたかと思います。では実際にどれくらいかかるのか、おおよその金額は以下の通りです。
サーバー構築の費用の相場
サーバー本体の価格 10万円〜30万円
周辺機器の価格 ルーター:1.5〜5万円
サーバーの構築費用:3万円〜30万円
ネットワークの設計・構築費用:10万円〜40万円
運用保守費用:サーバー構築費用の10〜15%
それぞれ詳しく見てみましょう。
ハードウェア
ハードウェアとしてのサーバーの本体価格は、法人向けの小型エントリーモデルで10万円前後。エントリーモデルと比べてややハイスペックなラック型サーバーが20〜30万円ほどとなります。
仮に20人〜30人程度の規模のオフィスで利用する場合、ルーターは1.5〜5万円程度となっています。
ソフトウェア
サーバーに接続する端末の台数など規模に合わせてネットワークを設計・構築するのにかかる費用です。一般的な相場は10〜20万円程度となります。
人件費
サーバーに不具合が発生した際に対応する運用保守要因、災害・停電などで起きたトラブルに対応する費用です。相場としてはサーバー構築費の10%〜15%が相場となっています。
サーバーリプレイス時にコストを抑える方法とは
これまでサーバーリプレイスのハードウェア、ソフトウェア、人件費の相場感を紹介してきました。サーバーリプレイスを行いたいけど、費用がかかり過ぎてすぐには厳しい…と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、サーバーリプレイス時に「クラウド移行する」という選択肢を紹介します。
クラウド移行を行うことで初期費用を大幅に削減することができ、低コストでスタートさせることができます。また、必要なだけサーバーのストレージを増減させることができるためオーバースペックになる心配も、ストレージ不足になる心配もありません。
サーバーリプレイスを行う際の注意点
サーバーリプレイスを行う際の注意点は以下の点です。
-
- トラブルが発生する前に計画的に行う
- 規模が大きくなりスペックが足りなくなることを想定しておく
- 移行した後も問題なく業務が遂行できることを確認する
- トラブルが発生する前に計画的に行うこと
サーバーは消耗品であるため、使い続けていれば必ず不具合が発生してしまいます。サーバーの寿命を把握し定期的にメンテナンス、サーバーの取り替えを行うことでサーバーのトラブルを回避し、不要な機会損失を受けないようにしましょう。
・規模が大きくなりスペックが足りなくなることを想定しておく
業務の規模が大きくなってくると、当初は足りていたスペックでは足りなくなってしまい、サーバーがダウンしやすくなったり、処理がなかなかスムーズにいかなくなる危険性があります。業務の規模が大きくなっても問題ないようサーバーのスペックに余裕を持ちましょう。
・移行した後も問題なく業務が遂行できることを確認すること
サーバーの移行前と移行後で変わらず作業ができることは大前提となります。
万が一移行に失敗してデータを破損、消失しても問題ないようにあらかじめバックアップデータを取得しておくことをおすすめします。
サーバーの課題を把握しておく
サーバーは業務の要であり、サーバーが停止してしまうと多くの人の業務自体が立ち行かなくなってしまうでしょう。サーバーリプレイスは慎重に行わないといけません。
また時間をかけすぎると業務を再開させることができないため、短時間で行う必要があります。サーバー移行後も従来通りに作業ができるかどうか、しっかりとフィードバックしておきましょう。
機器のスペックを把握しておく
またサーバー機器について、いつまでも古いものを使っていると、OS側が要求するスペックに応えることができず、サポート対象外となってしまうこともあります。
サポートが受けられなくなってしまった場合、最新のOSにアップデートすることができずに十分なパフォーマンスを発揮することができなくなってしまう可能性があります。
近年では大企業を狙ったサイバー攻撃が増えてきており、セキュリティを最新化することでウィルスに感染することを防ぐこともできます。サーバーに限らず、古い端末を使い続けることは大きなリスクにつながっています。リプレイスする機器のスペックを把握することはリスクヘッジにつながるのです。
バックアップデータをとっておく
サーバーを移行する上で最も重要な点のひとつに安全にデータを移行できることが挙げられます。
例えば、ファイルサーバー移行時になんらかの障害が発生してしまうと、データが破損したり、消失したりする危険性があります。移行するデータの規模が大きければ大きいほどその危険性が高くなります。
そうしたトラブルが起きても問題ないよう、事前にバックアップデータを取得したからサーバー移行を行いましょう。
サーバーリプレイス時にクラウド移行をするメリットとデメリット
ここまでサーバーリプレイス時の費用感、注意点等を紹介してきました。
サーバーリプレイスの重要性は理解したが、リスクも多く費用は高い…。なかなかすぐには行動に移せない方も多いのではないでしょうか。
そんな方に提案したいのはサーバーリプレイスを行う際に「クラウド移行」を行うということです。ここでは「クラウド移行」のメリット、デメリットを紹介させていただきます。
メリット1、導入コストを削減できる
サーバーリプレイス時のクラウド移行の最大のメリットは、導入コストを削減できることにあるでしょう。初期費用無料が一般的であり、必要に応じてサーバーの容量を買い足しすることができるため、オーバースペックになる心配も、スペック不足になる心配も要りません。
従来のサーバーリプレイスと比べると導入コストを大幅に削減できます。
メリット2、メンテナンスの手間がなくなる
自社でサーバーを管理する場合は、自社でトラブルの復旧作業をおこなったり、現場に駆けつける必要がありました。しかしクラウドにシステムを移行すれば、障害対応時にクラウド事業者が復旧作業を行うため、インターネット越しで作業を行うことができます。
デメリット、もともとの仕様を反映できないことがある
従来のサーバー移行からクラウドのサーバー移行に切り替えると、インターネット利用を前提としていない場合、もともとの仕様を反映できない可能性があります。そもそも今の環境でクラウド移行ができるのかを相談し、事前にクラウド移行ができることを確認しておいた方が良いでしょう。
まとめ
この記事で説明してきたことをまとめると以下の通りです。
-
- サーバーは消耗品であるため、サーバーリプレイスを定期的に行う必要がある
- サーバーリプレイスはハード、ソフト、人件費の面で費用が高額になりやすい
- サーバーリプレイスを行う際の注意点を把握しておく
- サーバーリプレイスの費用を抑えたいならクラウド移行を検討するべき
- クラウド移行のメリットデメリットを把握しておく
サーバーリプレイスを行うことで重大なインシデントの回避や、業務を効率化させることにつながります。本記事を読んだ方はこの機会に導入を検討してみましょう。
株式会社エイチビーラボでは、ベトナムに特化したオフショア開発サービスを提供しております。サーバーリプレイスやクラウド移行について豊富な実績があります。サーバーリプレイスでお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご相談から、開発、運用まで親身にサポートいたします。
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