パッケージ開発とは?メリット・デメリットやスクラッチ開発との違いを解説

2022年6月6日
パッケージ開発とは

システムを導入したいが、パッケージ開発にすべきかスクラッチ開発にすべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。これら2つの開発手法はそれぞれ良い面・悪い面があります。本記事ではパッケージ開発とスクラッチ開発のメリット・デメリットを解説していきます。

パッケージ開発とは?

パッケージ開発を行っている開発会社の社員のプログラミング

パッケージ開発とは、すでに出来上がっているシステムやアプリケーションを使って開発する手法のことです。すでにあるパッケージを改良し、自社の業務内容に沿うものにカスタマイズして導入します。

カスタマイズをどの程度行うかで、費用や開発コストが異なってきます。場合によっては改良がほとんど必要なく、パッケージ製品をそのまま利用する場合もあります。

スクラッチ開発との違い

スクラッチ開発はパッケージ開発の対義語であり、1からシステムやアプリケーションを開発する手法のことです。スクラッチは日本語で「最初から」という意味になります。

スクラッチ開発を開発企業に依頼する場合、企業担当者と打ち合わせを行い、どんなシステムを作るかじっくり認識をすり合わせる必要があります。また、パッケージ開発に比べ開発期間も長めに見積もることになるでしょう。

パッケージ開発とスクラッチ開発は、どちらがより優れているなどはなく、事業のステージなどに応じて選択することが肝心です。

※関連記事
スクラッチ開発とは?メリット・デメリット、開発の流れについて解説

パッケージ開発のメリット

パッケージ開発のメリット

パッケージ開発のメリットについて解説します。パッケージ開発はスクラッチ開発と比べ、次の2つのメリットがあります。

    1. 費用を削減できる
    2. 開発期間を短縮できる

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

1.費用を削減できる

パッケージ開発の1番のメリットは費用をおさえられることです。1から開発するのではなく、既存のパッケージに必要な機能を追加するので、スクラッチ開発ほどのコストはかかりません。

コストが抑えられるため、パッケージ開発は特に予算の少ない中小企業やベンチャーから人気があります。

開発費用をおさえることができれば、マーケティングやシステム運用にお金を回すことが可能です。場合にもよりますが、開発よりもマーケティングにお金を費やした方が、ユーザーを取り込める可能性が高くなることもあります。

また、成功するかまだ未確定の事業を行う場合も、パッケージ開発が適しています。最初はパッケージ製品をそのまま使い、事業が軌道に乗ってきたらシステムを改良していく、ということも可能だからです。

2.開発期間を短縮できる

パッケージ開発の場合、元からある製品を改良するので、スクラッチ開発と比較すると開発期間を短縮できるのもメリットです。開発だけでなく、テストや設計にかかる時間も減らすことができるでしょう。パッケージ開発はすぐにシステムを導入したい企業にもおすすめです。

もちろん、カスタマイズ箇所が多い場合はそれなりの開発期間が必要となります。ただ、それでもスクラッチ開発よりも時間がかかることは少ないでしょう。

パッケージ開発のデメリット

パッケージ開発のデメリット

続いて、パッケージ開発のデメリットを解説します。パッケージ開発はスクラッチ開発と比べ、次の2つのデメリットがあります。

    1. 細かい部分の調整が難しい
    2. 運用をパッケージベースに合わせる必要がある

1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。

1.細かい部分の調整が難しい

パッケージ開発の場合、細かい部分の調整が難しいことがデメリットです。すでにあるシステムを元に作るため、そのシステムに依存した作りとなってしまいます。パッケージ開発では、完全オリジナルのシステムやアプリは作れないのです。

もちろん細部のカスタマイズはできますが、カスタマイズ箇所が多い場合、そもそもパッケージ開発が向いていないということになります。

2.運用をパッケージベースに合わせる必要がある

パッケージ製品を活用する場合、システム運用をパッケージベースに合わせないといけません。

システムを開発するときは必ず、その後の運用・保守のことも考える必要があります。ログの監視やメンテナンス、OS・ミドルウェアのアップデートなどを定期的に行わないと、システムを安定稼働させることができません。

パッケージ製品との運用・保守フローの相性が悪い場合、日々の運用・保守業務に時間がかかってしまう可能性もあります。パッケージ開発を行う場合、運用・保守との相性も考える必要があるでしょう。

※関連記事
システムの運用保守とは?外注する際のポイントについても解説

スクラッチ開発のメリット

スクラッチ開発のメリット

続いて、スクラッチ開発のメリットを解説します。スクラッチ開発は1からシステムを開発する手法であり、次の2つのメリットがあります。

    1. オリジナリティを重視できる
    2. サポート終了の心配がない

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

1.オリジナリティを重視できる

スクラッチ開発では、システムのオリジナリティを重視することが可能です。1からシステムを開発するため、細かい箇所も練り込んだうえで構築することができます。

システムの独自性を強めることで、ユーザー数増加や売上アップにつながる可能性もあります。たとえば、ECサイトを運用する場合、競合よりも使いやすく独自の色が出せるWebサイトを作ることで、ユーザーを取り込みやすくなるかもしれません。

最近はWebサービスを運用する企業が多くあり、ライバル企業との競争に勝つためにもオリジナリティを重視することは大切です。

また、システム運用に関しても、スクラッチ開発なら自社に合った形で行うことが可能です。

2.サポート終了の心配がない

スクラッチ開発の場合、サポート終了の心配がないのもメリットです。

パッケージ開発の場合、サービス提供企業のサポートが終了してしまうリスクがあります。サポートが終了した場合、システムを作り直さないといけなくなる可能性もあります。

スクラッチ開発ではパッケージを使わないため、サポート終了のリスクがなく、安心して長期間使い続けることが可能です。

スクラッチ開発のデメリット

スクラッチ開発のデメリット

続いて、スクラッチ開発のデメリットについて解説します。デメリットは次の2つです。

    1. 導入まで時間がかかる
    2. 費用がかかりすぎてしまうことも

これらのデメリットが気になる場合、無理してスクラッチ開発を選択する必要はない可能性もあります。1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。

1.導入まで時間がかかる

スクラッチ開発の場合、1からの開発になるため、開発期間がどうしても長くなってしまいます。新規開発では、システム開発のやり直しを防ぐために要件定義や設計にも時間をかけないといけませんし、テストも入念に行う必要があります。

システムをすぐに導入したい場合、スクラッチ開発よりもパッケージ開発の方が向いているでしょう。

どうしてもスクラッチ開発を行いたい場合、ウォーターフォール開発ではなくアジャイル開発を行う開発企業に依頼するなど、いくつか方法はあります。ただ、それでもパッケージ開発の方がはるかに導入スピードは早くなるでしょう。

開発スピードに関しては開発企業によって千差万別ですので、気になる方は一度開発企業に相談することをおすすめします。

※関連記事
システムやアプリの開発手法とは?メリット・デメリットを解説!

2.費用がかかりすぎてしまうことも

スクラッチ開発は1からの開発のため費用も相応にかかってしまいます。システムの規模にもよりますが、数千万かかる場合もあるのがデメリットです。

費用に余裕がない中小企業やベンチャーは、スクラッチ開発の選択が現実的ではない場合もあります。

パッケージ・スクラッチ開発それぞれがおすすめな企業の特徴

パッケージ開発とスクラッチ開発の比較

ここまでパッケージ開発とスクラッチ開発のメリット・デメリットを解説しました。それらを踏まえて、それぞれの開発手法がおすすめな企業の特徴をまとめました。

★こんな場合はパッケージ開発がおすすめ

    1. 開発費用をできるだけおさえたい
    2. システムやアプリをすぐに導入したい
    3. 事業が上手くいくかわからないが、とりあえず試しにシステムを導入したい

★こんな場合はスクラッチ開発がおすすめ

    1. 開発費用を多くかけるだけの余裕がある
    2. システムやアプリの独自性を重視したい

パッケージ製品の選び方

パッケージ開発を行う際の製品の選び方

最後に、パッケージ製品の選定方法について解説します。同じような機能を持った多くの製品が販売されている場合、どれを選択すべきか迷う方も多いでしょう。その場合、次の4つの基準に従って選ぶことをおすすめします。

    1. 必要な機能が備っているか
    2. 同業界でよく利用されているか
    3. 柔軟なカスタマイズが可能か
    4. 保守サポートは充実しているか

システム開発の知識がない方でも、これら4つは簡単に確認することが可能です。1つ1つのパッケージ製品の選び方について詳しく解説していきます。

1.必要な機能が備っているか

1つ目は必要な機能が揃っているかどうかです。

単に機能が豊富かを見るのではなく、自社が求める機能があるかどうかで選定することが重要です。

不必要な機能ばかり多いと、無駄にコストが高くなってしまいます。また、使いこなすのにも時間がかかってしまうでしょう。

パッケージ開発を行う際は、事前に自社に必要な機能を洗い出し、優先順位を明確にしておくことをおすすめします。それを基準にパッケージ製品を選びましょう。

2.同業界でよく利用されているか

2つ目は同業界でよく利用されているかどうかです。

パッケージ提供会社のホームページを確認し、同業界でどの程度利用されているか導入実績を調べてみましょう。

同業界での導入実績が多いなら、自社とも相性が良い可能性が高く、安心して導入することができます。

3.柔軟なカスタマイズが可能か

3つ目は柔軟なカスタマイズが可能かどうかです。

パッケージ製品は場合によっては何年も使い続けることになります。長期利用を見据えている場合、業務内容の変更に合わせて、カスタマイズが必要になるかもしれません。

カスタマイズがしやすい作りになっている製品なら、プログラムの変更などにかかるコストを減らすことが可能です。数年後のことも考えたうえでパッケージを選定しましょう。

4.保守サポートは充実しているか

4つ目は保守サポートが充実しているかどうかです。

たとえばヘルプデスクが用意されていたり、障害対応などを迅速に行ってくれたり、保守サポートの充実度が高いパッケージなら、安心して使い続けることができます。

また、パッケージ提供会社の信頼性が高いかも確認することが大切でしょう。

コストを抑えるならオフショア開発もおすすめ

オフショア開発を依頼している

パッケージ開発なら確かに開発コストをおさえることが可能です。反面、オリジナリティを出せないデメリットがあります。

もし、スクラッチ開発でコストを減らしたいなら、オフショア開発を行っている開発企業に依頼するのもおすすめです。オフショア開発では、人件費が安い海外のエンジニアが開発を担当するため、通常の開発よりもコストを下げることが可能です。

このように、開発コストをおさえる方法はいくつかあります。このあたりについて詳しく知りたい方は、一度開発企業に相談しにいくことをおすすめします。開発企業の担当者から、要望に沿った開発のやり方についてアドバイスをもらえる可能性があります。

※関連記事
オフショア開発とは?メリットや成功のポイントを解説!

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最後に

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

    • パッケージ開発のメリット:費用を削減できる/開発期間を短縮できる
    • パッケージ開発のデメリット:細かい部分の調整が難しい/運用をパッケージベースに合わせる必要がある
    • パッケージ製品の選び方:必要な機能が備っているか/同業界でよく利用されているか/柔軟なカスタマイズが可能か/保守サポートは充実しているか

パッケージ開発とスクラッチ開発の特徴を解説してきましたが、システム開発に明るくない方の場合どちらを選択すべきか迷う場合も多いでしょう。

どちらを選択すべきか分からない場合、株式会社エイチビーラボにご相談ください。

株式会社エイチビーラボでは、ベトナムに特化したオフショア開発サービスを提供しております。お客様のご要望に基づいたシステムの開発には豊富な実績があります。パッケージ開発にすべきかスクラッチ開発にすべきか迷っている場合も、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご相談から、開発、運用まで親身にサポートいたします。

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