IT人材不足は今後も継続?企業ができる対処方法を解説

2022年9月7日
IT人材不足とは

「IT人材不足が叫ばれているけど、それって本当?」
「IT人材不足に対応するにはどうすれば良いのか分からない」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?IT人材不足は今後更に深刻化するため、今のうちに対策を練っておくことが望ましいでしょう。本記事では、IT人材不足の対処方法について解説します。

現在のIT人材の状況

It人材不足の意味

エンジニア職は現状でも人材不足です。プログラマーやシステムエンジニアなどが社内に不足しており、システム開発ができないでいる企業もあります。

また、人材が足りていない状態でシステム開発を行っている企業もあり、IT人材の労働時間が増えてしまっていることも問題となっています。

エン・ジャパン株式会社は2022年の人材不足状況についてアンケートを行ったようです。

その結果によると人材不足を実感する企業は82%となっており、そのうちの20%が「エンジニア職が不足している」と回答していました。エンジニア職は、営業職の28%に次いで2番目に人材不足を感じている職種となっています。

この結果からも、エンジニア職は人材が不足していることが分かるでしょう。

参考:2022年「企業の人材不足」実態調査 ―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート―

IT人材不足は今後更にひどくなる?

今後IT人材不足は更にひどくなることが予想されており、企業側は対策を求められるようになるでしょう。経済産業省は2030年にはIT人材が45万人不足すると算出しています。中小企業がIT人材を確保できなくなる状況がさらに深刻になるでしょう。

加えて、IT人材の数だけでなく質も今後は重要性が高まってくると予想されます。

システムを社内に導入するのは当たり前になりつつあるため、競合他社に勝つにはより高性能なシステムを導入しないといけません。となるとIT人材はより高度な技術を要求されます。

たとえば、単にプログラミングスキルを保有しているだけでなく、人工知能やディープラーニング、AWSなどのクラウドサービスなどの最新スキルを保有している、などです。

IT人材がスキルアップを図るには、本人の努力だけでなく企業側のサポートも重要になります。たとえばスキルアップ研修を設けたり、資格手当を導入して自己学習を後押ししたりです。

参考:経済産業省「IT 人材需給に関する調査

IT人材不足が起こっている理由

It人材不足の理由

IT人材不足が起こっている理由には次の4つが挙げられるでしょう。

    1. プログラミング教育の遅れ
    2. システム開発の需要拡大
    3. 少子高齢化
    4. ITに対するイメージが悪い

1つ1つのIT人材不足の理由について詳しく解説していきます。

1.プログラミング教育の遅れ

日本はプログラミング教育が諸外国に比べ遅れていると言われています。情報系の学部以外で本格的にプログラミングを学んだことがある人は少ないでしょう。最近になってようやく、小学校でプログラミング教育が導入され始めました。

一方でベトナムやタイといった国はプログラミング教育が進んでおり、優秀なIT人材も多いです。ベトナムやタイは先進国からシステム開発を依頼されることも多くあります。ベトナムやタイは物価が安いため人件費も安く、オフショア先としても人気が高いです。

ベトナムがいかにITが盛んな国であるかは、下記の記事で詳しく解説しています。

※関連記事
ベトナムオフショア開発の現状とは?特徴やメリット・デメリットの紹介

2.システム開発の需要拡大

システムやアプリ開発の需要は年々拡大しており、人材の数が追いついていないのが現状です。社内システムを導入し業務効率化を図ろうとする企業や、Webサービスを運営し事業拡大を目指す企業は多くあります。

また、新商品を開発するにしても自社サイトがなければ宣伝するのが難しく、マーケティング活動にWebサイトは必須と言えます。

このように、システムを導入していない企業は生産性が落ちてしまい、競合に差を付けられてしまいます。システム開発の需要は今後も高まっていくでしょう。

3.少子高齢化

日本は少子高齢化が問題となっており、IT人材に限らずそもそも労働人口が不足しています。厚生労働省の資料によると、65歳以上の人口は2025年には3,657万人になると見込まれており、その後も増加を続けると予想されているようです。

参考:厚生労働省「序章 人口減少の見通しとその影響

少子高齢化の影響は避けられるものではありません。今後は外国人のIT人材の活用も重要になってくるでしょう。

ただ、「外国人の採用はよく分からない」という方も多いかと思います。外国人エンジニアの採用に関しては下記の記事にまとめてありますので、併せてお読みください。

※関連記事
外国人エンジニアの採用ってどうなの?魅力や注意点を完全解説

4.ITに対するイメージが悪い

「IT企業はブラック」というイメージを持っている方は多く、それがIT人材の不足につながっていると予想されます。残業・休日出勤が多い、開発納期が短い、というイメージがあれば、当然プログラマーやデザイナーなどを目指す人が減ってしまうでしょう。

そのためIT人材を雇う場合、働きやすさをアピールするといった対処も重要になってきます。

IT人材不足に企業が対応するには?

It人材不足の対応方法

IT人材不足は今後更に深刻化するため、企業は早めに対策を取る必要があります。IT人材不足に企業が対応するには、次の3つのうちいずれかの対応を取ると良いです。

    1. IT人材を採用・育成する
    2. 開発を外注する
    3. 人的リソースを削減する

1つ1つの対応方法について詳しく解説していきます。

1.IT人材を採用・育成する

1つ目はIT人材を採用・育成する方法です。

転職エージェントや求人サイトに募集要項を出してIT人材を募集します。最近ではIT人材に特化した転職エージェントも多くあり、コンサルタントが自社とマッチ度の高い人材を紹介してくれるためおすすめです。

ただし、優秀な人材を確保するためにはそれだけコストをかけないといけません。また、優秀な人材は、必ずしも自社に転職してくれるとは限らず、もっと魅力的な企業があればそちらを選んでしまうでしょう。

また、IT人材を採用するのではなく、既存社員をエンジニアとして育成する手もあります。ただ、エンジニア向けの研修を行ったり、スキルアップ支援制度を設けたりする必要があるため、やはりコストがかかってしまうでしょう。

※関連記事
エンジニア一人月にかかる費用の相場|条件で変わる相場を解説

2.開発を外注する

2つ目は開発を外注する方法です。

IT人材を採用すると採用・育成コストがかかりますが、開発を外注する場合はそれらのコストが必要ありません。もちろん外注コストはかかりますので、コストを抑えつつ高品質なシステム開発を行ってくれる優良な開発企業を探す必要はあるでしょう。

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受託開発を依頼する際の注意点・成功させるためのポイントを解説
システム開発の見積|依頼する際のチェックポイントを解説!

3.人的リソースを削減する

3つ目は人的リソースを削減する方法です。

人的リソースを削減できれば、その分システムの外注費用に回したり、浮いた社員の工数をコア業務に当てたりすることが可能です。人的リソースを削減するには、状況に応じてPRAツールなどの製品を導入する必要もあるでしょう。
PRAツールとはパソコン上の作業を自動化するロボットであり、資料作成や情報収集などの作業を行うことができます。PRAツールならプログラミングスキルがなくても、ロボットに作業の指示書を読み込ませるだけで手軽に自動化が実現するのでおすすめです。PRAツールに関する詳しい解説は以下の記事で行っています。

※関連記事
RPA開発とは?メリットや開発手順・費用について解説

PRAツールでは自動化が難しい場合は、業務システムも導入することも検討した方が良いです。たとえば、COMPANYなどの勤怠管理システムを導入することで、給与計算や労務管理などの人事系業務を効率化でき、その分人的リソースを削減することができます。

IT人材を採用するポイント

It人材を採用する

自社でシステム開発を行う場合、プログラマーやインフラエンジニア、デザイナーなどのIT人材を採用しなくてはいけません。IT人材を採用するポイントは次の4つです。

    1. 採用基準を明確にする
    2. 競合他社を分析する
    3. エンジニアに協力してもらう
    4. 入社後の体制を整える

1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

1.採用基準を明確にする

IT人材を雇うなら、まずは採用基準をはっきりさせましょう。

求人票には「開発経験の有無」「経験のあるプログラミング言語」などを明記する必要があります。競合が出している求人票を参考にしてターゲティングすると良いでしょう。

採用基準が明確でないと、そもそもどのような人材を雇うべきか判断できませんし、求人票の記載内容が曖昧だと応募数が減ってしまう恐れがあります。

2.競合他社を分析する

IT人材を採用する前に競合他社の分析を行うと良いでしょう。

従業員の視点から見て、他社よりも優れている点はどこか考えてまとめます。たとえば、給与面だったり、テレワークを導入しているなど自由な働き方を支援していたり、キャリアアップ支援が充実していたり、など。

求職者のペルソナも踏まえつつ、魅力的なアピールポイントを打ち出せるように自社分析、競合分析を行いましょう。

3.エンジニアに協力してもらう

IT人材を雇う際は人事部だけでなくエンジニア部の人にも協力してもらうと良いでしょう。

というのも、実際に開発業務を行う人でないと、自社にマッチした人材かどうか見極めが難しいためです。

たとえば、同じPHPを扱える人材であっても、セキュリティー知識のある人材、人工知能スキルを保有した人材、など様々な分野があります、自社にマッチしているか、必要な人材か判断するには、IT知識のあるエンジニアやデザイナーに協力してもらうとよいでしょう。

4.入社後の体制を整える

IT人材を雇う際は入社後の体制を整えることも重要です。

たとえば研修内容を整えたり、資格手当などの社内制度を導入したりなど、IT人材が長く働いてくれる環境作りに努めなければいけません。ITスキルは多くの企業で活用できるため、すぐに転職してしまうエンジニアもいます。優秀な人材を逃さないようIT人材が働きやすい環境を整備することは大切です。

システム開発を外注する際のポイント

システム開発の外注

IT人材を自社で雇うことが難しい場合、システム開発を外注する方法もあります。システム開発を外注する際のポイントは次の4つです。

    1. 担当者のコミュニケーションスキルを確認する
    2. 契約内容を確認する
    3. 開発を丸投げしない
    4. 何を開発したいか明確に伝える

1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

1.担当者のコミュニケーションスキルを確認する

開発企業に外注する際は、担当窓口に対して「どんなシステムが欲しいか」「納期や予算はどのくらいが良いか」など希望を伝えることになります。そのため、担当者のコミュニケーションスキルは大切です。

コミュニケーションスキルが欠けていると、こちらが伝えた要望をエンジニアに正確に共有してもらえず、想定とは異なるシステムが完成してしまう恐れがあります。担当者のコミュニケーションスキルは必ず確認しましょう。

2.契約内容を確認する

システム開発を依頼する際には、開発企業と契約を結ぶことになります。契約を結ぶ前に提示される契約書類には必ず目を通し、疑問点がある場合は質問しましょう。

たとえば、運用・保守の対応範囲はどこまでか、修正対応にはどの程度までなら無料で行ってもらえるか、など細かい点も確認を取ると良いです。

契約内容が想定と異なると後で揉める原因にもなるので注意しましょう。

※関連記事
オフショア開発の契約書|契約の種類や契約書締結までの流れを解説!

3.開発を丸投げしない

システム開発を依頼する際は開発を丸投げすることなく、開発チームの一員として参加する感覚を忘れないようにしましょう。

たとえば、システム開発の各工程が完了次第こちらの想定通りに進んでいるか確認を取る、といった姿勢が大切です。開発を丸投げすると、要望どおりのシステムが納品されずに修正や仕様変更など、追加の費用が発生したり、完成が遅れたりと良いことがありません。

4.何を開発したいか明確に伝える

システム開発を依頼する際は、提案依頼書を作成したり窓口担当者に要望を伝えることになります。その際は何を開発したいのか、明確に伝えることを心がけましょう。

たとえば、「自社商品を気軽に販売するためのECサイトが欲しい」だけでは、開発企業も何を作れば良いのか判断に困ってしまいます。ECサイトの検索項目や、必要なページ、レコメンド機能の有無など、システムの内容を細かく伝えましょう。

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最後に

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

    • IT人材不足が起こっている理由:プログラミング教育の遅れ/システム開発の需要拡大/少子高齢化/ITに対するイメージ
    • IT人材不足に企業が対応するには?:/IT人材を採用・育成する/開発を外注する/人的リソースを削減する
    • IT人材を採用するポイント:/採用基準を明確化させる/競合他社を分析する/エンジニアに協力してもらう/入社後の体勢を整える
    • システム開発を外注する際のポイント:/担当者のコミュニケーションスキルを確認する/契約内容を確認する

IT人材不足は今後更に深刻化することが予想されます。IT人材を育成する体制を整えたり、システム開発のアウトソーシングを検討したり、何らかの対策を取る必要が出てくるでしょう。

株式会社エイチビーラボでは、ベトナムに特化したオフショア開発サービスを提供しております。外国人エンジニアに開発を依頼するため、日本のIT人材不足に影響を受けることなくシステム開発が可能です。システム開発でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご相談から、開発、運用まで親身にサポートいたします。

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